脳と発達
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13 巻, 2 号
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  • 半田 肇
    1981 年 13 巻 2 号 p. 88
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 楠 智一
    1981 年 13 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肥満症, とくに小児の単純肥満の発生と進行に関しては, 素因, 年齢, 環境要因などが大きな意義を持つている.このうち素因については, 食欲 (摂食量) の調節, エネルギーバランスに関連ある内分泌・代謝上のホメオスターシス機構などが重視されよう.そしてこれらを統御する上位の役割を有するのが中枢神経系, とくに視床下部の存在である.
    筆者は, Monosodium glutamateの大量投与による実験的肥満が, 過食を前提とせずに発現することから, このマウスについて, 視床下部神経核の形態学的傷害像, 代謝学的初期変化, 腸管の細胞動態などについて検討した.その結果と先人の業績とを参照しつつ, 現時点で考えられる中枢神経系と肥満発生の関係, ひいては肥満の素因についての若干の整理を試みた.
  • 佐野 豊
    1981 年 13 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    下垂体後葉ホルモン, 下垂体調節ホルモン, 種々の伝達物質またはneuromodulatorとしての働きをもつと考えられるペプチド, 活性アミンなどを産生する神経細胞について, その中枢神経系における分布, 活性物質の生産, 輸送および放出の細胞学的機構を概説し, さらにその生物学的意義について考察した.さらに免疫組織化学を中心に進歩した形態学的神経研究技術に言及し, one neuron-one hormone説, one neuron-one transmitter説などについて批判した.
  • 半田 肇, 大田原 俊輔
    1981 年 13 巻 2 号 p. 104
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小児科から
    島田 司巳, 太田 茂, 粕渕 康郎, 吉岡 博
    1981 年 13 巻 2 号 p. 105-109
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児神経領域では, CTはスクリーニング的にも応用され, 各種発作性疾患の中からも隠された占拠性病変がかなり発見されている.新生児頭蓋内出血もCTにより正確に出血部位や程度が把握され, さらに連続的な検査により脳構造の偏位や水頭症の発生を早期にとらえて, その対策が講じられるようになった.頭蓋内の炎症性疾患に対してもCTはその診断や合併症の早期発見, あるいは抗生物質療法に対する反応の評価などに威力を発揮する.CTの反復により, 化瘍性髄膜炎の硬膜下液貯溜, または膿瘍が合併し, それが進行することが判明すれば穿刺やドレナージが必要となる.脳膿瘍に対しては内科的治療の評価と限界に示唆を与えてくれる.
    CTは頭蓋内の病変やその経過を, 小児科医にも理解しやすく明瞭に描出してくれるが, わずかでも手術適応が考慮される病変に対しては, 関連科と密接な連絡を保ちつつ, 加療して行くことが特に大切である.
  • 脳神経外科から
    森 惟明
    1981 年 13 巻 2 号 p. 110-114
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    CTの導入により, 従来の補助検査法では示されなかったような病変が描出されるようになり, ややもすると小児神経疾患に対する手術適応が過大になったように思われる.しかし, 手術の有無にかかわらず, 病変の追跡が容易に行なえるようになったことから, 逆に, 従来は手術が行なわれた疾患の中に保存的療法により治療できる疾患の存在することが明らかになった.すなわち, CTにより疾患ごとにより適切な治療を行なえることが可能になったといえる.今後もCTにより小児神経疾患の追跡が続けられ, その手術適応が更に変るものと思われる.本稿ではCT導入後現在までに小児神経疾患に対する手術適応がどのように変ったかを, 主な疾患につき述べた.
  • 追跡的研究と手術適応の検討
    岡 英次, 石田 喬士, 三宅 進, 石田 純郎, 大田原 俊輔
    1981 年 13 巻 2 号 p. 115-121
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳幼児の硬膜下血腫 (水腫) の手術適応を明らかにする目的で, 2歳以下の47例につき追跡的研究を行ない以下の結果を得た.
    1) CAG, CT所見による従来の手術適応の決定はほぼ妥当であるが, 初期のCAG, CT所見が軽微といえども障害を遺すことがある.
    2) 貯留液が少なくても重篤な障害がみられており, CAG, CT所見による手術適応規準には限界がある.臨床症状が消失し, CAG, CT所見が軽微な場合にも, 脳波上, 局在性低電位の存続する場合には, 厳重な監視, 反復検査が必要である.
    3) 硬膜下血腫 (水腫) は手術時期を逸すると皮質萎縮をきたしうる.正常発達を遂げた手術例のtreatment lagは最長3.5ヵ月であった.
    4) 知能・運動障害を遺さぬ場合にもてんかん発症は高率 (22/47例, 46.8%) であり注意を要する.
  • 脳神経外科から
    牧野 博安, 辛 秀雄, 高島 常夫, 山浦 晶, 国保 能彦
    1981 年 13 巻 2 号 p. 122-127
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    CT時代のsubdural effusion自験例185例とCT時代前の23例を比較検討し, その診断・手術適応の決定について報告した.185例中手術例26例 (14%), 非手術例159例 (86%) で手術により70%以上の改善を, また非手術例では10ヵ月内に30%のCT上全治が認められた.これらはCT前時代の23例 (全例手術例) で死亡3例 (12%) を含む改善率が61%より安全かつ具合の良い成績である.診断・経過観察のためのCTスキャン, 手術法としての硬膜下-腹腔シャントがCT時代の特微である.
  • 小児科から
    青山 正征
    1981 年 13 巻 2 号 p. 128-136
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    われわれ小児神経科医は, 異常運動疾患であれ痙攣性疾患であれその外科的適応に関して考えることにあまり熱心ではなかったようにみえる.したがってどのような場合に外科的適応, ここでは主として脳定位術を指すが, あるかという決定をした経験にも乏しい.このようななかで脳定位術の適応を述べることは難しいことであるが, 異常運動疾患では捻転性ジストニアの2例 (1例は全身型, 他の1例は限局型) をとりあげ最近の脳定位術の進歩も考え合わせてその適応の適否を考えた.一方痙攣性疾患に関しては未だ決定的な術式がなく, 今後に残されている問題と思われた.
  • 脳神経外科から
    大江 千廣
    1981 年 13 巻 2 号 p. 137-141
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児の異常運動および痙攣性疾患に対する定位的脳手術の適応を自験例を中心にして述べた.異常運動では, 振戦, アテトーゼ, ジストニーが対象となるが, 小児の特徴として病型が年齢と共に変化し得るものであること, 手術手技として覚醒状態で手術を行なうのが望ましいことを特に考慮すべきである.中等度~重症脳性麻痺患者の手術効果は相対的なものであるが, 術前に症状をよく分析して選択的手術を行なえば, 術後の機能訓練の上で進歩をもたらし得る.
    痙攣そのものを手術の対象とするのは現時点では問題があろう.しかし, 痙攣発作を主訴とする症例のなかに, CT-scanではじめて見出される様な小異常病巣をもつ例があり, 定位的生検術が有用な場合がある.
  • 小児科から
    前川 喜平
    1981 年 13 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    慈恵医大および関連病院小児科へ過去8-10年間に入院し脳外科へ送られた154名を対象として「脳外科手術に小児科医は何を期待するか」について調査した.脳外科依頼の患者は入院数19,430名中154名 (0.79%) で, 腫瘍性疾患, 水頭症, sub-or epidural collectionsyndrome, 血管障害が127名 (82.5%) と大部分を占めていた.血管障害の中には, Kinky hair症, ビタミン欠乏症, 白血病, 慢性血小板減少性紫斑病など小児科的疾患に併発したものが多数存在した.なお小児科より脳神経外科に依頼された症例の中には脳外科的にみて必ずしも手術の適応とはなり得ないものも含まれていた.
    脳外科に対する小児科医の期待は科学の進歩, 時代と共に変化していく.両親や我々の期待が手術結果と一致する日のくることを願ってやまない.
  • 脳神経外科から
    松角 康彦
    1981 年 13 巻 2 号 p. 148-151
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児神経外科の対象として種々の神経系疾患に外科治療の適応が検討され実施されてきたが, 手術療法を 1) 根治的手術 2) 機能再建手術 3) 薬物補足的手術 4) 姑息的手術5) 無適応手術と分けることができる.小児の脳機能の秀れた可能性からみて根治的手術には積極的な手術侵襲を加えても予測以上の改善を期待しうるものがある一方, 機能再建手術には脳の発達を阻害する要素が加わって所期の目標に達し得ず, 姑息的手術に終る症例も少なくない.中でも手術療法が単なる外見的整復に過ぎないものや, 患児の生存に貢献するところの乏しいものに対してどのような立場で対処すべきかはきわめて複雑な問題を招く.種々の原因に起因する水頭症を例にとり脳神経外科医の立場を述べた.
  • 鈴木 貞行, 二瓶 健次, 鴨下 重彦
    1981 年 13 巻 2 号 p. 152-156
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症と甲状腺機能亢進症が合併する事はよく知られているが, 小児合併例の報告はすくない.我々は, 2歳3ヵ月に眼瞼下垂で発症した報告例中最年少と思われる女児例を経験した.抗コリンエステラーゼ剤の単独投与では効果をみず, プナレドニン大量隔日投与を行なった.このような合併例にステロイドを単独で用いたという報告はすくないが, 本例では, プレドニン投与では症状改善せず, 抗コリンエステラーゼ剤と抗甲状腺剤の併用にきりかえて効果をみた.症例の経過中, T cellは低値を示し, IgGFcR+-T cellも低値を示した.
  • 大岩 昇, 加藤 友義, 安藤 恒三郎, 毛利 篤子, 横井 喜久代, 松本 博
    1981 年 13 巻 2 号 p. 157-160
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Computed tomography (CT) scans of the proximal and distal limb muscles were evaluated on three children with congenital muscular dystrophy and two with Duchenne dystrophy, in reference to the degree of muscular degeneration. We found a decrease of the attenuation values in those patients, especially those with congenital muscular dystrophy. The decrease of the attenuation value on CT scans was related to the degree of muscular degeneration and replacement of fatty tissue histologically.
  • その3
    富 雅男
    1981 年 13 巻 2 号 p. 161-164
    発行日: 1981/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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