脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
13 巻, 6 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 馬場 一雄
    1981 年 13 巻 6 号 p. 480
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 脳波・覚醒反応を指標とした実験的研究
    安原 昭博
    1981 年 13 巻 6 号 p. 481-491
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高浸透圧血症により種々の神経症状が出現し, ついには頭蓋内出血がおこると言われている.7%重曹液, 4.64%高張食塩水, 20%ブドウ糖液, 20%マニトール液などを投与して実験的に高浸透圧血症を作製し, 脳波や覚醒反応および誘発筋放電に与える影響について検討し, つぎの結果をえた.
    1) 高浸透圧血症も出血の原因となりうることは明らかであったが, 出血をおこす原因としてはそれ以外の要素も関係している.
    2) 7 %重曹液投与による神経障割をstage0~5に分類した.stage3は中等度障害であり, stage5は高度障害で脳死を示す.
    3) 急性の高浸透圧血症の意識障害にはNa+イオンの影響が強いことが考えられる.4) 高浸透圧血症によるけいれんや種々の神経症状には大脳皮質の活動によるものも, 皮質下の活動によるものも存在する.
  • 循環様式の特殊性について
    白井 鎮夫, 牧 豊
    1981 年 13 巻 6 号 p. 492-496
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後1ヵ月以内の新生児の正常頸動脈撮影像における循環様式の特殊性についで検討した結果, 以下の結論をえた.
    1. 動脈相は遷延し, その結果としで, 静脈相の開始時期も遷延し, 深部静脈の出現時期は, 動脈相開始時点より2.0~5.5秒, 表在静脈の出現時期は3.5~8.5秒を要しでおり, 循環時間の遷延が著しい.
    2. 静脈相においでは, 深部静脈が, 表在静脈に先行しで出現するのが特徴で, 深部静脈出現後, 表在静脈が出現する迄に, 1.0~3.0秒を要している, このことは, 新生児では, 穿通動脈や脈絡叢動脈の造影度が極めでよく, 大脳基底核や脈絡叢が, 明瞭に造影されることとも相関しでいると思われる.
  • 玉井 勇, 武井 忠夫, 前川 喜平, 渡辺 幸彦
    1981 年 13 巻 6 号 p. 497-503
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    prostaglandin E1 (PGE1), prostaglandin E2 (PGE2) は哺乳動物の体温中枢においで発熱作用を有し, pr0staglandinF2α (PGF2α) は脳血管収縮作用を示す.我々は熱性痙攣の発生機序を検索するため脊髄液 (CSF) PGF2α をラジオイムノアッセィにより検討した。対象は熱性痙攣18名, てんかん18名, 髄膜炎23名, 非神経疾患14名の合計73名である.
    (1) 無熱時のCSFP GF2α の値は疾患群別の有意差は見られなかった. (2) 脊髄液採取時の体温が37.5℃ ~40℃ の時の疾患群別検討では非神経疾患に比較しで熱性痙攣は7倍, 髄膜炎では3倍の値の上昇が見られたが, でんかんでは有意差は見られなかった. (3) 熱性痙攣において発作1日以内の症例の値は1日以上経過の症例に比較して著高を示した。(4) CSFP GF2α と脊髄液の細胞数, 蛋白, 糖とは相関が見られなかつた.
    以上の結果よりヒトの発熱の際に中枢神経系のPGF2α が上昇傾向を示し, 特に熱性痙攣, 髄膜炎の症例で著増すると思われた.
  • てんかん機構解明のための基礎的研究
    永井 利三郎
    1981 年 13 巻 6 号 p. 504-516
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    てんかんの発症機構に重要な役割を果していると考えられる大脳辺縁系, とくに扁桃核について, カテコラミン螢光法, 逆行性軸索輸送法, コリン系の酵素組織化学法を組み合わせる事により, ドパミン作動性及びコリン作動性神経の起始細胞の分布を形態学的に追求した.
    本実験の結果, 以下のことがあきらかとなった. (1) 扁桃体の求心ドパミン神経は, 中脳腹側被蓋野の背側及び黒質の緻密質背外側部と脚周囲核から投射を受ける. (2) 前脳領域から扁桃体に投射するコリン作動性神経細胞は, 基底核に属する主として大型の細胞体であり, 無名質に濃密に分布する. (3) 一方基底核内に存在する大部分のコリン作動性神経は, 大脳皮質に線維を送るが, 扁桃体へ投射する細胞とは異なるものであると考えられる.
  • 加我 君孝, 田中 美郷, 福山 幸夫
    1981 年 13 巻 6 号 p. 517-525
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん29症例について, 聴覚神経系の障害の有無を検索した.障害の性質や部位を明らかにする目的で, 聴覚発達の評価を,(1) 聴性行動の発達指数を田中・進藤による「乳幼児の聴覚発達チェック項目」で示し, かつ,(2) 音に対する行動反応の域値を条件詮索反射聴力検査で測定することで行ない, 一方, 他覚的には,(3) 聴性脳幹反応で末梢から脳幹の聴神経系の障害の有無を検索し,(4) 音および光刺激による大脳誘発電位で, 大脳レベルの反応の有無を調べ, 検討した.その結果,(1) 聴性行動の発達指数は全例に遅れがあり, 重度遅延75.9%, 中等度遅延24.1%であった. (2) 条件詮索反射聴力検査では中等度以上の域値上昇を86.2%に認め, 行動面からは, 見かけ上, 末稍性難聴に類似しているが,(3) 聴性脳幹反応では, 末梢性難聴3.4%, 脳幹障害24.2%, 正常72.4%であった. (4) 大脳誘発電位は, 音刺激に反応のある者が20.7%, 光刺激で反応のある者が41.4%であった.
    以上より, 点頭てんかんでは, 行動観察上は, 見かけ上, 末梢性難聴のように音に対する反応の乏しいものが多いが, 約1/4の症例は脳幹障害を有し, 約3/4の症例ではそれ以外の部位の脳障害が疑われた.
  • 伊藤 進, 大西 鐘寿, 山本 崇晴, 西村 豊
    1981 年 13 巻 6 号 p. 526-531
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腰椎穿刺による髄液150検体中, 中枢神経疾患児および抗けいれん剤ないし向精神薬服用児を除外した50検体について5-HIAA, HVA, Trp, Tyrを測定した.方法は, 高速液体クロマトグラフィーを用い, 5-HIAA, HVAについてはアンペロメーター, Trp, Tyrについては螢光検出器で検出した.5-HIAA, HVAはいずれも年齢とともに減少する特徴的なパターンが得られた.特に5-HIAAについては著明な年齢依存性が認められた.この原因として, それぞれの前駆物質であるTrp, Tyrが同様の発達パターンを示すこと, Trpと5-HIAAおよびTyrとHVAのおのおのの間に正の相関が存在する事より, Trp, Tyrの脳内への取り込みがこれらの発達パターンに影響する主要な因子と考えられる.
  • 本邦第一例の報告と文献展望
    今野 金裕, 神山 諭, 石山 進, 三浦 義人, 鈴木 仁
    1981 年 13 巻 6 号 p. 532-538
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    てんかん発作, 精神運動発達遅滞を主訴とし, 多指症, 頭囲狭少を伴った1歳6ヵ月男児の6番環状染色体症 (r (6)) を報告した.患児の染色体分析は46, XY, r (6) (p25q27) であった.r (6) の報告に関しては, 本例を含め世界で9例があるに過ぎず, 本邦では本例が最初の報告であるが自験例は従来の報告と異なり, 脳波上hypsarhythmiaを呈しておりながら, 点頭てんかんとは発作型の異なる難治性てんかんを伴い, CTスキャンではhydroence.phalodysplasiaの所見が認められた.自験例を含め既報9例の臨床所見をまとめてみると, それ程特異な顔貌などもなく, 独立した症候群としての特徴に乏しいが, 興味ある稀な症例なので, ここにr (6) について文献的展望を行なった.
  • CT scan像との対比について
    平田 善章, 岡本 一也, 外園 芳美, 十束 支朗, 宗宮 教壹, 中野 正大
    1981 年 13 巻 6 号 p. 539-544
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    CTscan所見より, 生前に, Leigh脳症が疑われ, 剖検により, 確認された症例を経験した.CT scanで得られた所見は, 大脳基底核における対称的な低吸収域及び, びまん性萎縮であった.またenhanceされるものは, みられなかった.剖検所見では, 被殼の空洞形成の他, 大脳基底核を中心とした毛細血管増殖を伴った壊死性病巣など, Leigh脳症特有の所見が, みられた.CT scanは, Leigh脳症の生前診断に有力な手段となり得ると考えられた.
  • IV上肢装具
    藤本 輝世子, 山形 恵子
    1981 年 13 巻 6 号 p. 545-549
    発行日: 1981/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top