脳と発達
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14 巻 , 3 号
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  • 大田原 俊輔
    1982 年 14 巻 3 号 p. 234-235
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 二郎
    1982 年 14 巻 3 号 p. 236-248
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Moyamoya病 (鈴木1969) は, 脳血管写上脳底部にモヤモヤとした異常網状血管像 (moyamoya血管) を呈する疾患である. 日本人に多発し, 原因は不明であるがまず内頸動脈終末部付近に狭窄性変化が生じ, その緩徐な進行に伴って脳底部にmoyamoya血管が出現し, このmoyamoya血管の本態は脳底部穿通動脈を母体とした側副血行路であると考えられている. 我々はこれまで本疾患100例を経験し種々の検討を加えてきたが, 本稿ではその結果について述べた. 本症は小児成人ともにみられるが女児に発生頻度が高く, 発症症状の主たるものは小児では脳乏血症状, 成人では頭蓋内出血症状であった. 追跡頸動脈写所見は小児ではダイナミックに変化しそれを6期相に分類し得たが, 成人では経時的変化は認められなかった. 脳底部以外の頭蓋外から頭蓋内への側副血行路であるethmoidalおよびvault moyamoyaにおいても小児成人間には種々の点で相違が認められ, そのよってきたる理由についても述べた. その他小児における特徴的脳波所見, CT所見, 剖検所見, 我々の行っている外科的治療等について述べ, 最後に本症の内頸動脈終末部における初期変化類似の所見を得た動物実験の結果から本症の原因に関する我々の考え方を述べた.
  • 藪内 百治
    1982 年 14 巻 3 号 p. 249-250
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 前川 喜平
    1982 年 14 巻 3 号 p. 251-256
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生化学の進歩により従来の変性疾患の非常な部分が酵素欠損による代謝異常として解明されているが, 臨床的立場よりは, 先天性代謝異常症を含めた広義の概念で変性疾患を扱った方がよい.変性疾患の診断は以下の三要素によりなされる. (1) 症状及び症候,(2) 発病年齢,(3) 検査所見.
    以下自験例を中心に, 乳児期発症としてGM1, GM2gangliosidosis, 幼児期発症としてMLD, MSD, 成人と小児で症状がことなる変性疾患としてHuntington舞踏病, 進行性経過をとる赤血球PGK欠乏症などの症例について臨床中心に記載した.
  • 岡 英次, 三宅 進, 伊予田 邦昭, 河野 親彦, 大田原 俊輔
    1982 年 14 巻 3 号 p. 257-264
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期の各種の脳変性疾患28例に脳波学的検討を行い, 以下に記すような, 病態生理に強く関連する知見を提示し, 神経生理学的方法の臨床的意義について述べた.
    1. 光感受性は10例にみられ, うち1例に低頻度光刺激のみに反応する特異な光感受性を認めた.脳網膜変性症におけるこの現象の診断的意義を強調した.
    2. 視覚誘発電位には振幅低下をきたすものと, 振幅増大を示すものがあり, 後者には光感受性を伴う進行性ミオクローヌスてんかん3例と, 脳網膜変性症幼児型, 異型各1例がみとめられた.
    3. S. S. P. E. において, periodic burstの周期は病期とともに短縮した. また視覚誘発電位は低圧化するものの, 潜時の延長は認められなかった.
  • 安部 治郎
    1982 年 14 巻 3 号 p. 265-270
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児脳変性疾患47例のうち, 脳灰白質に主病変をもつ疾患の末梢神経伝導速度は, 正常またはごく軽度の低下を示した. その代表疾患であるTay-Sachs病の脳波は, 発症早期より著明な棘波・徐波の出現を認め, 病勢の進行に伴って, 低電位化と棘波の減少をみた. 一方主として脳白質の脱髄を示すleukodystrophyのうち, 幼児型異染性脳白質ジストロフィー (MLD) とCockayne症候群は, 早期から神経伝導速度の著しい低下を示し, adrenoleukodys-trophyとAlexander病は, 神経伝導速度が正常またはごく軽度の低下を示した. またMLDの脳波は, 病勢の進行に伴って, 徐波・速波・左右差が出現した. したがって, 小児脳波変性疾患のうち, 主病変が灰白質にあるものと, 白質にあるものでは, 神経生理学的に異なった態度を示すと推測される.
  • 鈴木 義之
    1982 年 14 巻 3 号 p. 271-275
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去9年間に我々の行ってきた脳変性疾患の生化学的診断成果をのべた. 臨床的記載の明らかな, 過去6年間の検査症例805例中, 脳変性疾患と分類されたのは136例であり, その半数近くは何らかのリソゾーム病であることが確認された. これは一定の選択をうけたあとの二次スクリーニングの結果であるが, リソゾーム病は脳変性疾患の原因として, 頻度の高いものの一つと考えられた.
    我々の経験例の中で, 成人型GM1-ガングリオシドーシス, ガラクトシアリドーシス, Niemann-Pick病C型の症例についての研究成果をもあわせてのべた.
  • 鴨下 重彦
    1982 年 14 巻 3 号 p. 276-281
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期変性疾患として重要であるWerdnig-Hoffmann病,Leigh脳症,亜急性硬化性全脳炎(SSPE)について,神経病理学上の問題点を指摘した.
    Werdnig-Hoffmann病については脊髄前根グリア束と病因との関連,視床病変,Onuf核神経細胞の変性などが注目される.
    Leigh脳症については,臨床病理学的に新生児型,乳児型,若年型,成人型と分けられるものの,それらの病因的な関連性はうすく,またpyruvate dehydrogenase complex欠損症を証明された症例の中に病理学的にLeigh脳症と考えられるものがある.
    17歳で死亡したSSPEの脳で極めて広汎にAlzheimer原線維変化を認め,slow virusinfectionによる慢性の神経感染症でおこり得る病変と考えられる
  • 高田 五郎
    1982 年 14 巻 3 号 p. 282-287
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    代謝異常による脳変性疾患, 特にライソゾーム蓄積病に対し, 最近酵素補充療法開発の試みがなされつつある. この場合, 投与酵素はまず脳組織へ取込まれることが必須であるが, 今までの臨床的試みでは総て失敗に終っている.
    そこで私は, 脳への酵素運搬体としてリボゾームを利用できないかと考え, 以下の実験を行った. Aspergillusより精製したβ;-galactosidaseを埋包したリボゾームをラットに静注し, 1時間後における脳内当該酵素活性を対照群のそれと比較すると, 約6倍の増加 (組織に混在する血液のそれの11倍) が認められた.熱耐性試験・免疫化学的検討により, この増加した分の活性はfungus由来のものであることが証明された.
    この実験結果は, 脳変性を伴う多くのライソゾーム蓄積病に対する酵素療法において, リポゾームは投与酵素の脳への運搬体となり得ることを示すものと考えられる。
  • 山野 恒一
    1982 年 14 巻 3 号 p. 288-292
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Tay-Sachs病, Sandhoff病, Niemann-Pick病 (B型とC型), late infantile metachromatic leukodystrophy, GM1-gangliosidosis typel, β-galactosidase-neuraminidase deficiency, I-cell病, mannosidosis, mucopolysaccharidoses (Hurler型, Hunter型, SanfilipPoA型) およびceroid-lipofuscinosis (Bielschowsky型) の各症例に皮膚あるいは結膜生検を行い, 電子顕微鏡で観察することにより診断上有用な知見が得られた.
    本検査法は今まで行われてきた直腸や虫垂生検にくらべ, 患者に与える負担は少なく, われわれ小児科医にとっても容易に施行できる. それゆえ, 本生検法は脳変性疾患の形態学的検査の一つとして一般的な診断技術になるものと思われる.
  • 長畑 正道
    1982 年 14 巻 3 号 p. 293
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 上村 菊朗
    1982 年 14 巻 3 号 p. 294-298
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    特異な学習障害, すなわちlearning disability (LDと略記) の診断にっき, 自験例 (75例) を中心に考察を加えた.
    診断手順については, LD児診断ドックの実際を紹介, つぎの事項を指摘した
    1. 来院時, 多動, 不器用, あるいは二次的な意欲のなさなど学習以外の問題のみを主訴としたものが30%に及んでいる.
    2. 診断を治療に結びつけるためには, 障害された学習課程を明確にする下位分類subclassificationまで行う必要がある.
    3. 脳波異常が高率にみられたことは, 背景にある脳機能の障害を示唆するが, さらに今後の神経心理学的検査の発展によりその性質まで明らかにされることが期待される.
    また, 今後の課題として, 早期治療につながる予測的診断の重要性・可能性に論及した.
  • 斎藤 久子, 飯田 宏子, 石川 道子
    1982 年 14 巻 3 号 p. 299-304
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児失語症とは言語機能が完成後の成人失語症とは異なり発達途上にあるために言語習得がなされていない発達性失語症であり大脳に何らかの障害が想定される. 我々は幼児期に言語遅滞をきたした3症例が成長に伴い変化する過程を観察し学齢期に3例とも特徴ある学習障害を示した. 症例1は言語了解面の障害の著しい発達性受容性失語症の2歳11ヵ月男子であり学齢期には顕著な読み書きの障害を示し現在高校3年在学中である. 症例2は言語表出, 了解面の障害があり特に表出面が遅れ発達性表出性失語症の3歳1ヵ月男子である. 経過中に発達性構成失行による学習障害を示し現在中学2年在学中である. 症例3は発達性表出性失語の女子で生後3ヵ月より追跡し, clumsiness及びvisual motor perceptionの障害があり非言語性学習障害を示し学校生活に不適応をきたした. 現在小学2年在学中である.
  • 大石 敬子
    1982 年 14 巻 3 号 p. 305-310
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発達性Gerstmann症候群, 発達性失読失書症, 発達性構成失行症の3症例にみられた, 計算困難, 読み書き困難の特徴を, 明らかにした. 3症例は, 9歳から11歳の男児で, 学習障害を主訴としたが, 神経心理学的諸検査と指導の経緯から, 診断を確定するとともに, 各症例において, 計算困難や読み書き困難が生ずる神経心理学的機構を, 明らかにした. すなわち, 発達性Gerstmann症候群では順序の障害, 発達性失読失書症では視覚的記号と聴覚的記号の連合の障害, 発達性構成失行症では視空間認知障害が基本障害として存在し, それらが各症例において, 計算困難と読み書き困難をひきおこす基盤になっていると考えた.
  • 丹羽 真一, 太田 昌孝
    1982 年 14 巻 3 号 p. 311-315
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児白閉症の障害を生理学的側面から検討する目的で二つの実験を行い事象関連電位 (ERP) を測定した.実験Iでは自閉症8名 (10-22歳) と正常者12名 (10-21歳) について聴性誘発電位 (AEP) を記録した.自閉症ではT3・T4からのAEPのN100潜時の加齢による短縮がみられないなどの結果が得られた.実験IIでは規則的音系列の中に低頻度に目標が出現する刺激を用いて, 白閉症4名 (12-17歳), ダウン症・正常者各4名について,「音をよく聴く」・「目標を数える」などの課題遂行時のERPをCzから記録した.自閉症では「よく聴く」課題ではP300が低振幅で「目標を数える」課題で正常者と同程度の振幅に達した.この結果から自閉症では能動的注意機能に障害があると考えられた.
  • 小川 昭之
    1982 年 14 巻 3 号 p. 316-323
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自閉症脳波に自己回帰解析を応用したパターン識別を施し, その左右差を定量的に検討し, 次の結果をえた. 1. 正常児では1%の有意水準で左右差をみとめたが, 自閉症ではみられなかった. 2. 正常児では音刺激によって大脳半球左右差がさらに増加したのに対し, 自閉症では影響がみられなかった. それに反し, 視覚刺激では両者ともに反応がみられた. 3. 自閉症脳波の要素波は両側前頭部α2波 (9.5-11.4Hz) において正常児脳波との間に有意の差がみられた. 4. α2波電位の頭皮上分布を等高線表示すると, 自閉症では頭頂中心部 (正常児では右後頭部) に最高峰がみられた. 以上の所見は, 自閉症では外的刺激とそれに対応する内的調節機構との間の相互反応が神経生理学的に低下していることを示唆する.
  • 植松 文江, 高木 俊治, 福山 幸夫, 谷古宇 秀
    1982 年 14 巻 3 号 p. 324-332
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在本邦で市販されているフェニトイン散剤のbioavailabilityは錠剤より著しく劣っている. このため錠剤と同等のbioavailabilityを有する目的で細粒剤 (市販名: アレビアチン細粒) が試作されたので, この製剤のbioavailabilityを臨床的に検討し, 他の剤形 (散, 錠, 錠末) のそれと比較した. 対象は当科外来通院中の小児てんかん患者58例 (2-16歳) である. 血中濃度測定は主としてGLC法によった.
    1.“アレビァチン細粒” の投与量-血中濃度相関は, 現行市販のフェニトイン錠剤のそれに比較的近かった.
    2.“アレビアチン細粒” のS/D比は, 約5mg/kg/dayの投与量において, 5-9歳で約1.0, 10-16歳で約1.5であり, 10歳を境にS/D比の有意な上昇をみた.
    3. 各剤形間のS/D比の比較, 及びin vitroでの溶出試験の結果より, アレビアチン細粒のbioavailabilityは, 錠よりやや小, 散より有意に大 (S/D比の平均値は約1.4倍) であった.
  • 宮本 信也, 五十嵐 正紘, 鴨下 重彦
    1982 年 14 巻 3 号 p. 333-339
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    左半身痙攣を呈した3ヵ月女児を単純性ヘルペス脳炎 (HSE) と診断した. 診断は, 局所神経所見, 脳波での右側頭葉の0.8秒周期の二連棘波, CTでの両側側頭葉の低吸収域, 血清での単純ヘルペスウイルス (HSV) 抗体価の8倍から1,024倍への上昇をもってなされた. ウイルス分離iはしていない. 経過中, 左硬膜下滲出液貯留, 両側基底核石灰化, 脳回状石灰化, さらにCT上での側頭葉低吸収域の改善を認めた. 滲出液中, HSV抗体価は4,096倍と高値を示し, 中枢神経系での抗体産生の可能性も示唆された.
  • 安芸 都司雄, 市来崎 潔, 宮原 保之, 堂本 洋一, 佐藤 周三, 戸谷 重雄
    1982 年 14 巻 3 号 p. 340-346
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近われわれは, 乳幼児の小脳血管奇形の破裂による小脳出血を2例経験したので報告する. 症例1は2カ月の女児, 嘔吐と意識障害にて発症, CT上左小脳出血が認められ, 血管撮影で小さな動静脈奇形が確認された. 症例2は2歳の男児, 嘔吐と歩行障害にて発症, CT上小脳出血が認められたが, 血管撮影上異常血管は認められなかった. 2例とも血腫除去術が施行され, 経過は順調である. 摘出した血腫壁組織学的検索で2例ともに血管奇形が証明された.
    6歳以下の乳幼児の小脳出血の報告は極めて稀で, われわれの調べ得た限りでは自験例を含めて7例であった. その原因はすべて血管奇形で, このうち術前の血管撮影上血管奇形を診断しえたものは4例であり, 手術の際に血腫壁を丹念に検索する必要がある. 乳幼児の小脳出血の手術成績は成人に比べ良好であることから, 術前に重篤な神経症状を呈していても, 積極的に手術を行うべきである.
  • 田中 耕一, 石原 修, 松石 豊次郎, 寺澤 健二郎, 庄司 紘史, 山本 繁
    1982 年 14 巻 3 号 p. 347-348
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    17生口より哺乳力の低下と後弓反張にて発症し, 髄液検杏で軽度の単球優位の細胞増多と蛋白上昇を認めた, 背部に発赤を伴った小水庖群を認めた事より, 単純ヘルベス脳炎 (herpes simpiex encephalitis) を疑い, 早期にadenine arabinoside (Ara-A, vidarabin) 15mg/kg/dayを10日間使用し, 臨床的に軽快を認め救命し得た. 本邦では新生児単純ヘルベス脳炎に対して, Ara-Aを使用した報告はまだ見られず, 有効と思われたので文献的考察を加えて報告した.
  • 1982 年 14 巻 3 号 p. 349-350
    発行日: 1982/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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