特異な学習障害, すなわちlearning disability (LDと略記) の診断にっき, 自験例 (75例) を中心に考察を加えた.
診断手順については, LD児診断ドックの実際を紹介, つぎの事項を指摘した
1. 来院時, 多動, 不器用, あるいは二次的な意欲のなさなど学習以外の問題のみを主訴としたものが30%に及んでいる.
2. 診断を治療に結びつけるためには, 障害された学習課程を明確にする下位分類subclassificationまで行う必要がある.
3. 脳波異常が高率にみられたことは, 背景にある脳機能の障害を示唆するが, さらに今後の神経心理学的検査の発展によりその性質まで明らかにされることが期待される.
また, 今後の課題として, 早期治療につながる予測的診断の重要性・可能性に論及した.
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