新生児に聴性脳幹反応 (ABR), photo-evoked eyelid microvibration (MV), photopalpebral reflex (PPR), auditory-evoked eyelid microvibration (AMV), auditory palpebral reflex (APR), blink reflex を応用し, その診断的な意義について考察した.
1) 胎齢とABRのV波の潜時, I-V intervalは相関するため, 潜時より胎齢を推定できる.
2) 新生児仮死例ではABRのV波の出現する刺激闘値の上昇がみられ, 頭蓋内出血例ではV波の潜時が延長した.
3) 新生児仮死の場合, MVが一度でも消失する場合は予後不良であった.
4) MVとPPRの潜時は頭蓋内出血時の意識障害により延長し, 意識の回復とともに正常化した.このことより新生児の意識状態の判定にMVとPPRが応用できると考えられる.
5) 種々の脳幹反応を組み合わせることで, 頭蓋内出血などの神経疾患の予後の判定や脳幹障害の程度, 部位診断が可能となる.
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