脳と発達
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16 巻 , 2 号
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  • 馬場 一雄
    1984 年 16 巻 2 号 p. 84
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 吉田 充男
    1984 年 16 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    大脳基底核は小脳とならんで, 最近運動の中枢として, その重要性が内外で注目を集めている.小脳は, 種々の点で大脳基底核の研究に先んじているが, 大脳基底核でも, まず神経回路網が整備されてきた.また神経伝達物質の同定も行われ, 最低4種類のGABAニューロンが判り, またグルタミン酸, P物質, ドパミンなども明らかとなってきている.大脳基底核はあくまでも大脳の皮質下にある核であり, 大脳との関連が深い.随意運動における大脳基底核の機能の研究は, 古くからパーキンソン病の観察からの仮説が多いが, 近年生理学的なアプローチにより, 次第にその全貌が明らかとなりつつある.
  • 荒木 淑郎
    1984 年 16 巻 2 号 p. 92-100
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    末梢性ニューロパチーは, 日常の診療において遭遇する機会の多い疾患の一つです.末梢神経は, 単独におかされる以外に, 全身疾患の一部分症状としておかされる場合も少なくありません.このため診断に当っては, 原因をいつも全身的に考えることが大切です.
    講演では, まず末梢神経障害の臨床について, 分類, 臨床症候・診断へのアプローチおよび治療について, 最新の知見をのべました.つぎに成人例の代表疾患として, 家族性アミロイドニューロパチーと, 糖尿病性ニューロパチーをえらび, 両者の臨床像と病理, とくに自律神経性ニューロパチーについては両者を比較検討した結果をのべました.
  • 坂本 吉正, 渡辺 一功
    1984 年 16 巻 2 号 p. 101-102
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鳥居 昭三
    1984 年 16 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児中枢神経系感染症の診断において留意すべき事項を検討し, 以下に要約した.
    1) 症状は非典型的で, 全身感染症の一部分症としてみる場合が多く, 神経学的異常は全く欠く場合が少なくない.したがって新生児の呈するあらゆる徴候に対して, 常に中枢神経系感染の併存を疑いroutineに髄液の検索を要する.
    2) 無菌性髄膜炎・脳炎の髄液所見は軽微で, その診断には髄液細胞数の正常上限 (<30/3) についての明確な概念をもつことが前提となる.
    3) 病原としてenterovirusが重要であるが, 他の不明の病原に対して解明への努力を要する.神経学的予後は病原不明群により不良のようである.
    4) 病原の如何に関せず血清bilirubinが低値でも, 髄膜の炎症・血液脳関門透過性亢進に基づく核黄疸併発の危険性を常に考慮すること.
    5)“partial treated meningitis” の鑑別には発病第1週における髄液総蛋白量とその推移が重要で, 化膿性髄膜炎では250mg/dl以上, 無菌性髄膜炎ではこれ以下の場合が多い.
  • 井村 総一, 高田 昌亮
    1984 年 16 巻 2 号 p. 109-112
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児化膿性髄膜炎の診断にあたってはまず臨床症状の把握が第一であるが, 初発症状の多くは非特異的であり, 検査室データによる感染症スクリーニングも未だ充分確立されていないので, 感染が疑われた場合には常に髄膜炎を念頭においてまず髄液検査を行うことが肝要である.髄液検査上, 初回の検査には異常なく, 2~3日後の再検査で明らかな異常を認めることがあること, 正常髄液所見について諸家の報告が一定していないのでその判断に苦しむことがあることなどが早期診断をより困難にしている.病原の検索については最近のいくつかの免疫学的手法がより簡便に行えるようになることを期待したい.
  • 谷野 定之, 宮尾 益知
    1984 年 16 巻 2 号 p. 113-121
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児や乳児では大泉門から超音波ビームを投入することで頭蓋骨による音波の減衰を受けることなく超音波断層法による様々な頭蓋内病変の観察が可能である.本法では死角となって観察できない部位もあるが, 臨床的に有利な点が多い.
    (1) 我々が提案した基準断層面は本法断層像からbrain anatomyを理解する場合のmilestoneとして有用と思われる.
    (2) 未熟児の上衣下出血や脳室内・脳実質内出血例を本法により経過観察した.水頭症, 脳梁欠損, クモ膜のう胞や全前脳胞症などの奇形性病変ではそれぞれに特徴的所見が得られた.また結節性硬化症や小脳腫瘍などの診断に本法が有用であった.
    (3) 透明中隔腔やVerga腔の低出生体重児における遺残頻度を検討した.また, 正常乳児の側脳室体部径および第III脳室径を求めた.
  • 横地 健治, 外園 芳美, 犬飼 和久
    1984 年 16 巻 2 号 p. 122-125
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児頭蓋内病変の超音波診断の有用性と限界について, 症例を通じて検討した.水頭症については, 水平断, 前額断, 矢状断の各走査面を組み合わせることにより, CTスキャンと同様, 側脳室拡大の把握が可能であった.上衣下出血, 脳室内出血については, 尾状核頭部の上衣下層からの出血は脈絡叢エコーとの鑑別が不要であるため診断は容易であった.尾状核体部, 尾部の上衣下層からの出血は脈絡叢エコーとの鑑別を要するため, 診断が困難な例も存在すると思われた.上衣下出血についても, 正常側脳室壁エコーとの鑑別が困難な例も存在すると思われた.また後頭蓋窩硬膜下血腫例では, 出血エコーは境界のみから発するため, CT像に比し, 血腫の広がりの把握は不充分であった.
  • 渡辺 一功
    1984 年 16 巻 2 号 p. 126-131
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    周生期脳障害における神経生理学的検査としては, 脳波を含むポリグラフ検査, 大脳ならびに脳幹誘発電位などがある.一般に, これらより脳障害の種類を診断することはできないが, その程度を判定し予後を推測することが可能である.これらの検査のうちで脳波, なかでも背景脳波はもっとも有用である.脳波のパワースペクトル分析, トポグラフィー, 睡眠, 心拍の変動性, 体動も有用ではあるが, これに及ばない.大脳誘発電位は背景脳波より影響をうけにくく, その中では, 体性感覚>視覚>聴覚誘発電位の順に影響をうけにくい.聴性脳幹反応は脳幹障害の診断に有用ではあるが, 一般には広汎な障害の方が多い.また, ABRは核黄疸の診断にも有用と考えられる.
  • 安原 昭博, 山田 あいこ, 木下 洋, 松村 忠樹
    1984 年 16 巻 2 号 p. 132-137
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児に聴性脳幹反応 (ABR), photo-evoked eyelid microvibration (MV), photopalpebral reflex (PPR), auditory-evoked eyelid microvibration (AMV), auditory palpebral reflex (APR), blink reflex を応用し, その診断的な意義について考察した.
    1) 胎齢とABRのV波の潜時, I-V intervalは相関するため, 潜時より胎齢を推定できる.
    2) 新生児仮死例ではABRのV波の出現する刺激闘値の上昇がみられ, 頭蓋内出血例ではV波の潜時が延長した.
    3) 新生児仮死の場合, MVが一度でも消失する場合は予後不良であった.
    4) MVとPPRの潜時は頭蓋内出血時の意識障害により延長し, 意識の回復とともに正常化した.このことより新生児の意識状態の判定にMVとPPRが応用できると考えられる.
    5) 種々の脳幹反応を組み合わせることで, 頭蓋内出血などの神経疾患の予後の判定や脳幹障害の程度, 部位診断が可能となる.
  • 高嶋 幸男, 安藤 幸典, 水戸 敬, 大谷 恭一, 横田 清, 近藤 乾, 岩尾 初雄, 小栗 良介, 居石 克夫, 田中 健蔵
    1984 年 16 巻 2 号 p. 138-144
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児低酸素性脳障害と未熟児の脳室内出血は産科学, NICUが進歩した今日でも, 多くの問題を残している.本報告では, CTや超音波が検査された剖検例と動物実験を中心に原因, 病態の進行を観察し, 脳病変の発生機転を検討した.低酸素性脳障害では大脳型, 脳幹型, 広汎型に大別され, これらの病型の発生には低酸素症と虚血の程度や続発する合併症が重要な要因としてあげられ, 動物実験でも脳病変発生には虚血と低酸素の両要因が重要であった.未熟児脳室内出血の発生には未熟な脳室上衣下胚層, 低酸素症による胚層脆弱化, 動静脈血流変動による胚層血管内圧上昇が関与し, 脳室上衣下出血から脳室内出血へ進展すると考えられた.低酸素性脳障害, 脳室内出血とも脳循環動態の変動を知るために, 頭蓋内循環モニターが重要であり, この方面の発展が期待される.
  • 杉本 健郎, 禹 満, 村上 暢子, 松村 忠樹
    1984 年 16 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    はじめに, 高浸透圧血症と脳障害の実験的研究の2つの結果を述べた.1つは, 7%重曹2投与により, ICHがおこること.そのICHは, 低酸素負荷や新生仔の場合には, より低い血液浸透圧でおこった.もう1つは, glycerolの投与法である.脳血液関門の血管透過性が亢進しない血液浸透圧は, 320mOsm/l以下であり, その具体的投与方法は, 0.5g/kg/hourを1日4回くりかえすことである.
    次に, 当院へ最近の3年間に入院した513例の新生児のうち, ICHが54例あり, 重症仮死が41例あり, その治療と予後についてのべた.それぞれの急性期死亡率は44%と34%と高率であり, 予後は, 重症仮死, 広汎なIVH, そしてICHと仮死の合併例で今なお悪いことを指摘した.
  • 熊谷 俊幸, 袴田 享, 原 紀美子, 宮崎 修次, 竹内 達生, 渡辺 一功, 小松 喜代
    1984 年 16 巻 2 号 p. 150-156
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    20例の流産児・未熟児・成熟児の腸腰筋と大腿四頭筋の発育分化を組織化学的に比較検討し以下の結果を得た.
    腸腰筋・四頭筋ともに胎齢17週までは未分化なタイプIIC線維で占められるが, 18週以後, 大型のタイプI線維が散在性に出現する.この時期からすでに腸腰筋のタイプI線維は四頭筋より若干多い.腸腰筋のタイプI線維は30週以後急速に増加し, 満期では約50%となり, 42週では60~70%に達する.四頭筋のタイプI線維は徐々に増加し, 満期で20~23%に達する.タイプII線維は, 両筋ともに約37週以後急速にタイプIIA・IIB線維が出現し, 以後IIA線維は増加を続けるが, 満期以後もタイプIIC線維は2~10%残存する.
    以上の結果から, 躯幹筋である腸腰筋と, 四肢筋である大腿四頭筋では, 胎児期からその発育過程が異なることを強調した.
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