脳と発達
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16 巻 , 5 号
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  • 有馬 正高
    1984 年 16 巻 5 号 p. 340
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 市場 尚文, 大田原 俊輔
    1984 年 16 巻 5 号 p. 341-350
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    WestおよびLennox症候群における知能障害の神経機序を解明するため, Lennox症候群33例およびWest症候群後遺状態13例のてんかん群計46例と, てんかんを合併しない精神遅滞児40例の総計86例を対象に, 神経心理学的および脳波学的検討を行った.
    てんかん群では連合能力障害, 中でも精神遅滞児には極めて乏しい視覚連合能力障害が高率にみられることが特徴的であった.視覚連合能力障害はてんかん発症後知能退行をきたしたもの, 学業困難のものの他, 臨床発作が早期に消失したものでも高率に認められ, 視覚誘発電位の潜時の延長との関連も注目された.
    連合能力障害, 中でも視覚連合能力障害がWestおよびLennox症候群の知能予後の指標になりうることが示唆された.
  • 山口 勝之, 後藤 昇, 横田 知夫
    1984 年 16 巻 5 号 p. 351-357
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    週齢のヒト胎児脳の形態を水平断連続切片で調べ, その形態の概略を述べ, 連続切片の一部を写真で示し, 大脳の各構造別体積を画像解析装置を用いて計測, 算出し, 2例の正常成人脳と比較検討した.胎児では終脳の外套の占める割合が低く, とくに大脳皮質の髄質に対する割合は胎児0.58, 成人1.26と大きな違いを示した.外套と側脳室に左右差を認めた.大脳基底核, 間脳, 脳室系の占める割合は成人に比べて大きかった.胎児脳には特有な胎生期脳室周囲細胞層があり, 大脳の5.2%を占めた.
    連続切片による検討は詳細な形態の観察のほか肉眼的あるいは顕微鏡的な数量的解析にきわめて有用である.
  • 日浦 恭一, 橋本 俊顕, 福田 邦明, 遠藤 彰一, 田山 正伸, 森 暁男, 宮尾 益英, Kayo Fujino
    1984 年 16 巻 5 号 p. 359-364
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Lissencephalyは神経細胞移動の障害に基づいて発生する中枢神経奇形である.我々はCTにてlissencephalyと診断した3症例に対し計6回の睡眠ポリグラムを記録し, 1例には同時にホルモン分泌リズムを検討した.ポリグラムの結果は (1) REM睡眠は出現したがやや低値を示した. (2) REM睡眠時の急速眼球運動 (REMs) の出現頻度は群発性のREMsが低値を示した。(3) 睡眠中の体動は2例でGMもTWも減少しており, GMに占めるphasic movementの割合が増加していた. (4) 睡眠・覚醒リズムは3例ともcircadian rhythmは認められた. (5) 1例のコーチゾル日内リズムは出現したがGH, PRLのsleep enhancementは認められなかった.
    以上の結果, lissencephalyの病変について, phasic movementの増加は上位抑制機構の欠如を示し, TWの減少は錐体路の形成不良および脳幹部の障害, 群発性のREMsの減少は脳幹部の障害が存在するものと考えられた.
  • 中野 千鶴子, 江田 伊勢松, 金藤 康子, 高嶋 幸男, 竹下 研三
    1984 年 16 巻 5 号 p. 365-370
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭部CTでlacunar infarctと診断された6カ月から9歳の小児9例について検討した.8例は片麻痺を主症状として発症し, その他, 構音障害, 失語症, 意識障害, 振戦が認められ, 1例は無症状であった.頭部CT上, lacunaは主に内包, 被殻, 尾状核に認められた.予後は比較的良かったが, 中大脳動脈から分岐する外側レンズ核線状体動脈領域のlacunaや大きな1acunaは予後は必ずしも良くなかった.原因については不明なものが多かった.1例は脳血管写で左内頸動脈閉塞が証明され, 1acunar infarctの小児例でも脳血管写が必要であると考えられた。
  • 猪熊 和代, 渡辺 一功, 根来 民子
    1984 年 16 巻 5 号 p. 371-380
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    在胎31週5日から44週の新生児25例に視覚的にパターン分類した脳波の等電位分布図を作成し, その発達部位差について検討した.δ1は動睡眠パターンでは, 受胎後32週から36週で後頭部優位のものが多く, 40週, 44週では前頭部優位のものが増加した.静睡眠パターンでは32週から40週までは後頭部優位を示した.δ2, δ3, θ1, θ2はいずれのパターンも36週, 40週では前頭部優位のものが多かったが、44週では中心部優位の増加へと変化した.また等価電位は, δ1は動睡眠パターンでは受胎後週齢とともに低下, 静睡眠パターンは不変, δ2, δ3, θ1, θ2は各パターンとも増加し, αおよびβは減少した。以上より胎生期後半の脳波発達に部位差があることが, 明らかにされた.
  • 竹中 信夫, 戸谷 重雄, 大谷 光弘, 宮原 保之, 井上 洋, 奥井 俊一, 大平 貴之
    1984 年 16 巻 5 号 p. 381-385
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    両側視力低下と精神発達遅延で発症し, 両側視神経膠腫と右中大脳動脈閉塞に異常血管網を有した3歳女児例と, 右眼球突出と精神発達遅延で発症し, 頭蓋骨形成不全と右中大脳動脈狭窄に異常血管網を合併した25歳男性例を報告した.我々の症例を含め既に報告されたvonRecklinghausen病に頭蓋内動脈閉塞性病変を合併した22例を検討したところ, 若年者に好発する点・ウイリス動脈輪に好発する点・成人例ではくも膜下出血が多い点などウイリス動脈輪閉塞症と共通点が多く, 類縁疾患と考えられた.またvon Recklinghausen病に脳動脈閉塞を合併した例では精神発達遅延を有する傾向がみられた.
  • 中里 明彦, 七五三 秀昭, 諸岡 啓一, 埜中 征哉, 高木 昭夫
    1984 年 16 巻 5 号 p. 386-392
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    悪性高熱 (MH) は全身麻酔の重篤な副作用であり, 神経筋疾患に認められることが多いため最近関心が持たれてきている.Duchenne型筋ジストロフィー症に合併したという報告が散見されるようになってきているが, 福山型先天性筋ジストロフィー症 (FCMD) とMHについての報告は未だないようである.今回我々は, 3カ月男児の症例を経験した.症例は化膿性髄膜炎で入院中に, 合併した硬膜下水腫の外科治療を見的として麻酔を行ったところ, 全身の筋硬直, 心停止, ミオグロビン尿, 血液中への筋肉内酵素の遊出という悪性高熱類似の症候を呈した.その後の臨床症状, 筋生検等よりFCMDと診断した.生検筋を用いてのカフェイン感受性試験は, 軽度異常~ 境界値で, MH発症を疑わせた.本症例はMHと筋ジストロフィーとの関係を考える上で興味深いと思われるので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 武田 英二, 黒田 泰弘, 冨田 智子, 小橋 秀彰, 伊藤 道徳, 渡辺 俊之, 戸島 健治, 橋本 俊顕, 宮尾 益英
    1984 年 16 巻 5 号 p. 393-398
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    β-ガラクトシダーゼ・ノイラミニダーゼ欠損症 (ガラクトシアリドーシス) は一般に10歳以後に視力障害, 難聴, 歩行障害などの臨床症状により発症する進行性の先天性代謝異常である.我々は3歳および4歳時に視力低下にて発症した本症の5歳と8歳の姉妹例を経験した.姉妹とも知能は正常, 青色皮疹, 粗な顔貌, 鞍鼻があり, 末梢血白血球の空胞化, チェリー・レッド・スポット, 視力低下, 難聴, 椎骨変形, 深部腱反射の軽度亢進, 関節の軽度拘縮, 手掌筋の萎縮が見られた.末梢血白血球および培養皮膚線維芽細胞のβ-ガラクトシダーゼ活性とノイラミニダーゼ活性は著明に低下し, 尿中にシアル酸含有オリゴ糖の排泄増加が見られた.しかし大部分の報告例で見られるミオクローヌスと小脳失調は7歳および10歳時にも見られなかった.以上の臨床経過より自験例はガラクトシアリドーシスの早期発見例あるいは非典型例であることが推察された.
  • 小西 徹, 山谷 美和, 紺田 応子, 鈴木 好文, 岡田 敏夫
    1984 年 16 巻 5 号 p. 399-403
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳5カ月女児の線状皮脂腺母斑症候群の1例を報告した。患児は生下時より鼻梁正中部やや右側, 右頬部に脂腺母斑を認め, 1歳4カ月で点頭てんかんを合併, 言語発達遅滞を認めた.皮膚生検では, 脂腺母斑Pinkus I~II期と考えられ, 脳波では, 右側優位のヒプスアリスミアを示したが, CT scanを含め脳の萎縮・腫瘤等の異常所見はなかった.けいれんは初期にビタミンB6が一過性に有効であり, 後にACTH療法が有効であった.
    本邦報告例10例に本例を加えた11例のうちけいれんは7例にみられ, うち点頭てんかん5例, 大発作2例であり, 脳波所見では非対称性の異常を示す例が多く脂腺母斑と同側であり, 中枢神経病変と皮膚病変が病因論上, 発生学的に密接な関係があることが示唆された.
  • 中島 裕司, 倉松 俊弘, 谷野 定之, 宮尾 益知, 柳沢 正義, 鴨下 重彦, 伊東 紘一
    1984 年 16 巻 5 号 p. 404-405
    発行日: 1984年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    超音波断層法 (以下US) を用い, 大泉門が開大している未熟児, 新生児や, 乳児の正常テント下構造物および小脳病変の観察を行った.正常像では, 小脳皮質は全体にエコー強度が増強し, 髄質は高エコーの小脳虫部周囲に低エコ-域として観察された.また中脳水道, 第4脳室は脳幹部に連続した低エコー域として観察された.テント下病変として, 小脳低形成の2例を経験したが, 小脳低形成の部位の判定, および後頭蓋窩腔と脳室系の関係を評価する上で有用な画像診断法と考えられた.
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