脳と発達
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17 巻 , 1 号
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  • 木村 三生夫
    1985 年 17 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 舟橋 満寿子, 中島 末美, 石原 昂, 西村 フサエ
    1985 年 17 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中枢神経疾患児で誤嚥・嚥下障害を呈する者に対し, 嚥下性肺炎の防止および栄養状態の改善を目的として, 我々の開発した口腔ネラトン法による嚥下訓練と食事指導を行った.
    その結果,
    (1) 経鼻経管栄養児は留置チューブを抜去でき咽頭培養で緑膿菌が消失した.
    (2) 誤嚥検査で誤嚥現象の改善が50%にみられた.
    (3) 年間発熱日数が減少し感染の重症化が防げた.
    (4) 体重増加・栄養状態の改善がみられた.
    (5) 摂食中の症状が改善し日常介護がしやすくなった.
    以上誤嚥のある患児には試みてみるべき一方法であると思われる.
  • 太田 茂, 桂 忠彦, 島田 司已, 嶋 昭紘, 千代 博子, 笠原 吉孝
    1985 年 17 巻 1 号 p. 10-16
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Ataxia-telangiectasia (以下ATと略) の3症例についてIgA, IgE, AFP, CEAなどと, さらに皮膚生検から得られた培養皮膚線維芽細胞のX線感受性を検索した. その結果, AFPの上昇あるいはIgA, IgEの低下はAT症例の診断に必ずしも有用であるとは限らず, Coxらの指摘どおり培養線維芽細胞のX線高感受性がATの診断上最も有用であると考えられた. また, 近年AT由来細胞株がneocarzinostatin (NCS) に対して高感受性でありかつheteroの診断にも有用であるとの報告がある. 我々もATの1家系由来細胞株に対しNCS感受性を検索した. AT細胞はNCSに対し高感受性を示したが, ATheteroは正常対照と差を認めず, 今後の検討が必要であると考えられた.
  • 田山 正伸, 橋本 俊顕, 福田 邦明, 遠藤 彰一, 宮尾 益英
    1985 年 17 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    例の先天性中枢神経障害児における知覚伝導路の機能を知るために, 短潜時体性感覚誘発電位 (S・SEP) について検討した. 方法は正中神経刺激によるS・SEPで, 刺激側Erb点および刺激反対側頭皮上中心部より記録した.
    結果:(1) 真性小頭症, 巨頭症, Smith-Lemli-Opitz症候群各1例. 水頭症2例. Down症候群5例中3例は正常波形パターンを示した. (2) Down症候群1例にP4の欠如. 1例にP1-P3間潜時の延長がみられた. (3) lissencephaly症候群2例. Adrenoleukodystrophy (ALD) 1例にN1以降の欠如. (4) Menkes病は全体に低電位であった. (5) Krabbe病ではP4の欠如とP1/Hの延長がみられた. 以上, S・SEPは知覚伝導路の障害診断に有用でかつ病勢の経過判定に有用であると思われた.
  • 土屋 節子, 丸山 博, 丸山 和子, 福原 正和, 前田 令子, 兼松 幸子
    1985 年 17 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    初診から10年以上経過した小児てんかん1,007例の予後をみた. 死亡51例 (5%) を除いた956例の予後は, 再発なく断薬できた良好群は43%, 過去5年以内に発作があり, 投与継続中の不良群は27%, 中間群は30%であった. 5年以上の発作消失率は71%, 断薬後の再発率は8%であった. 予後良好群の特徴は, 発作型では大発作・欠神発作・単純部分発作, 基礎神経疾患がない, 知能正常, 発作の持続期間が5年以内, 発作は10歳までに終了, 脳波のてんかん波は15歳までに消失するなどであった. 予後不良群の特徴は, 発作型ではレンノクス症候群・ミオクロニー発作・複雑部分発作, 基礎神経疾患や精神遅滞を合併するなどであった.
  • 三宅 進, 吉田 治美, 井上 英雄, 苅田 総一郎, 岡 英次, 大田原 俊輔
    1985 年 17 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    SSPEの病態生理の解明, 並に診断に資する目的で, 7症例につき臨床像, 病期と対応させて脳波, VEP, CTを系統的に検討した.
    脳波の周期性群発は覚醒睡眠時とも全例に認められ, 病期の進行とともに周期は短縮した. 基礎波ではIC期 (Freeman) までα律動が認められ, IIB-IIIB期で高振幅徐波化, 以後低電位化し, 寛解期に至ったものではθ・α波が再現した. VEPのIV波潜時はIIB期以後延長する事があり, IV-V波振幅はIIIB期以後減少した. CTではIIB期以後, 側脳室前角の拡大, シルヴィウス溝の拡大, 前頭部萎縮, 後頭部萎縮の順に進行した. これらの事実からSSPEの病変は前頭部から後頭部へと進行することが推測された.
  • 沖 潤一, 田崎 卓見, 楠 祐一, 長 和彦, 吉岡 一
    1985 年 17 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sodium valproateとclonazepamの併用療法をWest・Lennox症候群18例に試みた. 併用後1カ月で15例 (83.3%) に効果がみられ, うち7例が2年後も有効であった. けいれん発作型別ではtonic spasms, 強直, ミオクロニーなどに効果があり, 有効群の平均血中濃度はVPA93.8μg/ml, CZP 19.2ng/mlであった.
    副作用は18例中12例にみられ, その主なものは, 眠気 (50.0%), 睡液分泌過多 (50.0%), 血小板減少 (22.2%), けいれん発作重積 (5.6%) であり, 単独投与群に比べ血小板減少の頻度が多かった. 但しいずれの副作用も量依存性, 可逆性であり, 血中濃度をVPA50-100μg/ml, CZP 10-35ng/mlに維持しながら行えば'難治なけいれん発作に対し, 両剤の併用療法は有効かつ安全な治療法と思われた.
  • 鈴木 文晴, 平山 義人, 岡 成寛, 小出 博義, 諸岡 啓一
    1985 年 17 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本邦で3製薬会社 (S社, D社, F社) より市販されているフェニトイン (PHT) 散剤3種のbioavailabilityを検討した. 対象は2歳以上15歳以下の小児合計150名である. steady stateでPHTの血中濃度 (S) を測定し, 内服量 (D) との比 (S/D) を求めた.
    7歳以上の年長児群ではS/Dは, S社, D社, F社の順に低下し, 3社問に有意差を認めた. 6歳以下の年少児群ではS/DはS社とD社とはほぼ等しかったが, F社はS社, D社より有意に低かった.
    製薬会社間におけるこのようなbioavailabilityの差は臨床上重要な問題である.
  • 山崎 正策
    1985 年 17 巻 1 号 p. 50-58
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトの胎生期脳障害のモデルとして, 実験的小頭症マウスを作成し, この脳の生後の発達に伴う変化を生化学的に検索し, 以下の結果を得た.
    1) 胎仔大脳皮質のニューロン生成期にara-Cを母マウスに投与すると, 新産仔大脳半球は著明な低形成を示し, その湿重量, 蛋白量, RNA量, DNA量は対照の約1/2と減少し, しかもその差を保ちながら発達した. しかしグラム湿重量あたりのDNA量 (細胞密度) には差は認めなかった.2) 大脳半球のノルアドレナリン, セロトニンの総量は対照と全く差はなかったが, その密度は生後1日見より約2倍と増加し, 蛍光組織学的にも特にノルアドレナリン終末線維の大脳皮質での密度の増加を認めた. GABAの総量は対照の約1/2と減少していたが, その密度には差は認めなかった.
  • 大谷 恭一, 高田 邦安, 高嶋 幸男
    1985 年 17 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    先天性第XIII因子欠乏症があり, 胎内にて頭蓋内出血をきたしたため大脳半球の大半が高度壊死に陥り, 出血後水頭症となったと考えられる1例を報告した.
    患児は79日で死亡した男児で, 姉と兄も第XIII因子欠乏症であり, 自験例は常染色体性劣性遺伝と考えられた.
    患児の残存脳組織にはヘテロトピアや小多脳回がみられ, これらの部位にヘモジデリン沈着があった. 本例は胎生3カ月頃に頭蓋内出血が生じたと推察された.
  • 小野 次朗, 三牧 孝至, 田川 哲三, 安部 治郎, 尾上 幸子, 永井 利三郎, 田中 順子, 寺田 春郎, 井藤 尚之, 藪内 百治, ...
    1985 年 17 巻 1 号 p. 64-70
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    放射線治療後に脳血管障害を発症した, 脳腫瘍の2小児例を経験した. 症例は, 8歳と2歳の男児例で, それぞれ放射線照射後, 約1年8カ月と8カ月間経過してから, 一過性脳虚血発作の症状を示し, 脳血管撮影にて脳血管障害と診断した. 特に症例1は, 放射線治療前後で脳血管撮影を施行しており, その経過より, いわゆるradiation vasculopathyが疑われたので, 若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 西村 正明, 高倉 廣喜, 家島 厚, 江田 伊勢松, 大野 耕策, 高嶋 幸男
    1985 年 17 巻 1 号 p. 71-75
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は5歳男児. 46, XY, dic t (21; 21) (p11; p11) の転座型ダウン症候群である. くり返す痙攣と痙攣後麻痺のために頭部CT, 脳血管造影を施行し, ウイリス動脈輪閉塞と脳底部異常血管網を認め, モヤモヤ病と診断した. それに加えて, 両側頸部内頸動脈に管状および輪状狭窄を認めた. モヤモヤ病の頭蓋外血管病変と考えられ, ダウン症候群における血管構造の異常が関与している可能性が疑われた.
  • 中田 耕次, 片岡 健吉, 中川 嘉洋, 北條 博厚, 佐藤 倫子, 佐藤 博美
    1985 年 17 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Hemichoreaを主訴とした3歳3カ月男児例を報告した. CTにて尾状核頭部に限局した低吸収域と, CAGにおいて中大脳動脈の閉塞を認めたことより, 尾状核梗塞の発症が考えられた. Hemichoreaは, 約1カ月の経過で後遺症を残さず完全に消失した.
    Hemichorea発症の責任病巣については, 従来より議論のあるところであるが, 主には尾状核の障害といわれている. 本症例の場合も, 尾状核の障害を, 中心に考えたが, 大脳皮質-線条体-淡蒼球-視床-大脳皮質といった大脳基底核の神経回路網を含む, 比較的広い範囲の障害の関与も考えられた.
  • 谷野 定之, 中島 裕司, 倉松 俊弘, 宮尾 益知, 柳沢 正義, 鴨下 重彦, 伊東 紘一
    1985 年 17 巻 1 号 p. 81-83
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    線状皮脂腺母斑症候群の9カ月女児例について, 超音波断層法を用いて頭蓋内病変を観察した. 冠状断面では第出脳室は正常の位置, 大きさで, 側脳室体部から後角部にかけて明らかな左右差が認められ右側脳室の拡大を示した. 矢状断面では第III脳室断層面で第III脳室から中脳水道, 第IV脳室と観察することができ, テント下の小脳は正常と考えられた. また, 左側脳室体部径は4mmと正常範囲であったが, 右体部径は10mmと拡大し, 矢状断面による側脳室全体像の観察では体部から後角および下角部の拡大が著明であった. 以上のように超音波断層法により本症候群における特異な頭蓋内病変を観察することができ, 特に側脳室形態を把握する. 上で有用であった.
  • 沼口 俊介
    1985 年 17 巻 1 号 p. 84-88
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児神経症状を理解するには充分なる症状の分析と疾患の知識を必要とする. また小児は年齢と伴に成長し生理的にも大きく変化する点が特異性が高い. 今回Paris, St Vincent dePaul病院Arthuis教授の下で小児神経疾患を学びながら従来の神経症候学の小児に対しての利用の仕方および限界, 問題点も同時に学び, これらについて分析を行った. 特に2歳未満の小児の発達には個体差が大きく解剖を背景とした従来の神経症候学のみでは不充分と思われるが, 5つの発達徴候を合わせてとらえると小児の神経症状の問題点がより一層理解し易くなるものと思われるので総括を試みた.
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