脳と発達
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17 巻, 3 号
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  • 佐野 圭司
    1985 年 17 巻 3 号 p. 196-197
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 二木 康之, 安部 治郎, 大谷 和正, 田中 順子
    1985 年 17 巻 3 号 p. 198-202
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正常乳児および発達障害児を対象として, 踵骨反射 (Fersen reflex) の反射潜時と反射持続時間を筋電計を用いて測定した.
    反射潜時は正常乳児と発達障害児各群で差がなかった.潜時は約10msecと短く, このことは, この反射がmonosynapticな伸展反射の一種であろうことを示唆した.反射持続時間は発達障害児群のうち, 脳性麻痺児で正常乳児に比較し延長していた.また, 正常乳児では生後5カ月以後, 反射の低反応, 無反応例が増加するのに比較し, 脳性麻痺児では, より年長児においても明瞭に反応が認められ, この反射の長期残存がみられた.
  • 新生児・乳児を中心に
    宮田 広善, 坪田 徹, 黒田 英造, 竹本 博行, 金沢 克彦, 荻野 仁志
    1985 年 17 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1.新生児・未熟児3例を含むけいれん重積症12例に対して静注用リドカインを用い, 11例で有効であった.
    2.けいれん重積症の他に難治性てんかん4例に対して長期にリドカインを用い, 3例で経口抗けいれん剤やケトン食の効果発現までけいれんを抑制できた.無効の1例についても発作波の抑制が見られた.
    3.投与方法は, けいれん重積症では2mg/kgを30秒かけて静注し, けいれんの停止を確認後に4mg/kg/時の速度で持続点滴し効果を維持した.難治性てんかんについては開始時より2mg/kg/時で投与し適宜増減しつつ維持した.
    4.全例について副作用を認めなかった.
  • 浜野 建三, 川嶋 浩一郎, 中原 智子, 鴨田 知博
    1985 年 17 巻 3 号 p. 210-217
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    周期性片側性てんかん様放電 (PLEDs) を伴った4カ月の化膿性髄膜脳炎と9カ月のH. H. syndromeの2乳児例を報告した.2症例についてのPLEDsの特徴は, 1) 痙攣を伴う急性の疾患にて出現した, 2) 発病初期一過性に2~3日間出現した, 3) 脳波上, PLED, は0.5~2秒おきの周期で, 70~100μVの電位で出現し, その形態は鋭波, 陽性棘波および棘徐波結合であった.化膿性髄膜脳炎の例での脳波とCTとの経時的分析から, PLEDsの出現の原因として脳浮腫と脳内出血が考えられ, その際PLEDsは病巣部に一致して認められた.この結果より, PLEDsの出現には至適な侵襲度合が必要であることが推察され, 発達過程にある乳児においても, 急性の変化により成人の症例と同様なPLEDsがみられることを示した.
  • 特に皮膚生検の診断的有用性について
    木村 清次
    1985 年 17 巻 3 号 p. 218-222
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    幼児型ceroid-lipofuscinosis (CLF) の6歳男子の血液細胞, 生検皮膚, 生検直腸粘膜を電子顕微鏡学的に観察し, 以下の所見を得た.
    1) curvilinear profile (CLP) が種々の組織で観察され, 他の封入体は認められなかった.
    2) 末梢血では, リンパ球以外に好中球にもCLPが認められた.生検皮膚では, CLPは汗腺上皮細胞に最も著明に認められ, 他に軸索内, 血管内皮細胞内, 平滑筋細胞内などの種々の組織に認められた.直腸粘膜では, 血管内皮細胞, 平滑筋細胞, 神経細胞, シュワン細胞, 直腸粘膜細胞にCLPが認められた.
    3) 手技の安全性, 簡易性および得られる情報量の多さなどを考えるとCLFの診断には皮膚生検が最も有用であると思われた.
  • 立花 秀俊, 林 隆
    1985 年 17 巻 3 号 p. 223-225
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    聴性脳幹反応 (ABR) 上波形の異常を認める各種神経疾患の小児 (1カ月~10歳) 10例についてthyrotropin-releasing hormone (TRH) を10μg/kg静注後のABRの波形の改善の有無を調査した.10例中2例で静注後5分から約30分間一過性の改善を認めた.1) III-V波の無反応を示した脊髄小脳変性症の10歳女児ではTRH静注後に左側III波の出現を認めた.2) V波の低反応を示した橋腫瘍の6歳女児では静注後にV波の振幅が増大した.
  • 杉浦 ミドリ, 松本 昭子, 渡辺 一功, 根来 民子, 高江洲 悦子, 岩瀬 勝彦
    1985 年 17 巻 3 号 p. 226-230
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    歳以降の予後の明らかとなった1歳未満発症の熱性けいれん33例と無熱性けいれん133例を以下の4群に分類して, 成因, 臨床像, 発作像, 脳波, 長期予後について比較検討を行った.A群, 38℃ 以上の有熱時のみのけいれん, B群, 有熱けいれんで初発したが経過中無熱けいれんに移行したもの, C群, 無熱けいれんのうち, 3歳未満で発作消失し精神運動発達正常のもの, D群, 無熱けいれんのうちC群を除いたもの.
    熱性けいれんの48.5%で無熱けいれんが発症した.A, D群はそれぞれ特異的な特徴を示し, B群は両群の中間的な特徴を示した.C群はA群とは明らかに異なり, D群の予後良好なものと同一の範疇に位置づけられるであろうと考えられた.
  • 第1編: 出生前要因に基づくてんかんの臨床的研究
    松田 都
    1985 年 17 巻 3 号 p. 231-237
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    出生前要因に基づく小児てんかんの特徴を明らかにする目的で, 出生前要因が強く推測されるてんかん187例を, 家族性痙攣素因群 (素因群) と器質性脳病変群 (器質群) に大別して臨床的特徴を検討し, 以下の結果を得た.
    1) 素因群96例では, 生後6カ月から4歳までに発症するものが多く, 原発全汎てんかん23例 (24.0%) および部分てんかん73例 (76.0%) であった.
    2) 器質群91例では, 生後6カ月以下の早発例が多かった.この群では続発全汎てんかん38例 (41.8%) および部分てんかん53例 (58.2%) であり, West症候群を主体とする年齢依存性てんかん性脳症が高率であった.
    3) 素因群には予後良好例が多く, 器質群には難治例が多かった.
  • 第2編: 出生前要因に基づくてんかんの脳波に関する研究
    松田 都
    1985 年 17 巻 3 号 p. 238-244
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    出生前要因に基づく小児てんかんの特徴を明らかにする目的で, 出生前要因が強く推測されるてんかん187例を, 家族性痙攣素因群 (素因群) と器質性脳病変群 (器質群) に大別して脳波学的特徴を検討した.
    1) てんかん波の出現様式では焦点性皮質性発射が最も多く, 素因群96例中55例 (57.2%), 器質群91例中45例 (49.5%) であった.
    2) 素因群では皮質下性発射を37例 (38.6%) に認めたが, 器質群ではこれは少なく, 広汎性皮質一皮質下性発射が38例 (41.7%) であった.このうちhypsarhythmiaは21例 (55.3%) みられ, periodic, modifiedが多かった.
    以上より, 機能性てんかんとみなされる素因群でも焦点性皮質性発射が過半数を占めることが注目され, 器質群では粗大脳病変を反映した脳波所見が顕著であった.
  • 岡部 一郎, 小林 繁一, 鴨下 重彦
    1985 年 17 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生下時より両側眼瞼下垂を認め, 背柱側彎, 胸郭変形, 高口蓋等の骨格異常および点状白内障を伴った先天性筋無力症と思われる7歳, 13歳姉妹例を報告した.
    検査所見上, 誘発筋電図にてwaning現象を認め, Tensilon静注によりwaningの軽減がみられた.抗アセチルコリンレセプター抗体は陰性であった.筋生検では光顕上筋線維の軽度大小不同を認めた.
    先天性筋無力症にこのような骨格異常, 白内障を伴った症例の報告はいままでになく, 小児重症筋無力症における新たなsubgroupとなる可能性がある.遺伝形式は常染色体性劣性遺伝と考えられた.
  • 白國 隆行, 山崎 駿, 佐藤 博美
    1985 年 17 巻 3 号 p. 251-255
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Goldenhar症候群は眼瞼類皮腫, 耳介前部皮膚突起および脊椎骨奇形を特徴とする第1・2鰓弓形成異常である.著者らはGoldenhar症候群に右側頭部くも膜嚢胞, 右小脳橋角部類皮腫さらに交通性水頭症を合併した稀な一乳児例を経験したので報告する.症例は4カ月の女児で, 生下時より右耳介の形成異常と頭蓋非対称を指摘され, 右前頭側頭部の膨隆を主訴として当科に紹介された.入院時, 頭囲は46cmであり, 耳介を中心とした奇形と右眼瞼部の類皮腫が認められた.頭蓋内病変に関してはCTスキャンにて右側頭部のくも膜嚢胞, 交通性水頭症, 右小脳橋角部および右側頭骨錐体前面の腫瘤性病変が確認され, この腫瘤はEMI numberより類皮腫と診断した.水頭症に対しては脳室腹腔間短絡術を, 側頭部の骨膨隆に対しては頭蓋形成術を施行した.本例はGoldenhar症候群に頭蓋内病変を合併した稀な乳児例であり, 本症候群に対してCTスキャンの有用性を強調した.
  • 石川 丹, 中村 仁志夫, 南 秀樹, 川村 信明, 清水 隆, 佐久間 伸子
    1985 年 17 巻 3 号 p. 256-263
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期に低血糖, 低体温, 哺乳力低下, 黄疸をみた後, 8カ月から痙性四肢麻痺, ジストニアが出現, CTで両側被殻の低吸収値域を認め, 4歳で死亡したLeigh脳症剖検例を報告した.
    神経病理学的には第III脳室近傍, 中脳水道周囲, 橋被蓋部, 第IV脳室周囲, 視神経交叉部にLeigh脳症特有の毛細血管の集簇とグリアの増生を見たほか, 大脳皮質第3層層状壊死, 皮質下白質のび漫性グリオーシス, 尾状核と被殻の神経細胞脱落と線維性グリア増生, 小脳のプルキンエ細胞と顆粒細胞の脱落がみられた.
    Leigh脳症としては非特異的な大脳皮質, 基底核, 小脳の病変の発生要因について若干考察した.
  • 渡辺 俊之, 黒田 泰弘, 内藤 悦雄, 伊藤 道徳, 武田 英二, 戸島 健治, 宮尾 益英, 富田 智子, 古川 正強
    1985 年 17 巻 3 号 p. 265-268
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    先天性代謝異常症の新生児マス・スクリーニングで血中メチオニンの増加が認められた場合にはホモシスチン尿症の診断のために尿中ホモシスチンの定性反応, および定量が行われる.新生児マス・スクリーニングで発見されたホモシスチン尿症の自験例では尿中ホモシスチンの定性反応であるcyanide-nitroprusside反応はしばしば陰性を示した.またcyanide-nitroprusside反応の100倍以上の感度をもつアミノ酸自動分析計で定量分析しても生後3カ月まででは, 尿中にホモシスチンが検出されないこともあった.したがって, 新生児マス・スクリーニングで血中メチオニンの増加が見出された症例では尿中ホモシスチンが検出されなくても酵素欠損が確認されるまでは, アミノ酸自動分析計を用いて血中, 尿中のメチオニン, ホモシスチンを反復定量することが必要と考えられる.
  • 高田 邦安, 高嶋 幸男, 田中 順一
    1985 年 17 巻 3 号 p. 269-271
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 東條 恵, 桜川 宣男, 埜中 征哉, 石原 昂
    1985 年 17 巻 3 号 p. 271-273
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 東條 恵, 須貝 研司, 桜川 宣男
    1985 年 17 巻 3 号 p. 273-275
    発行日: 1985年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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