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前川 喜平
1985 年 17 巻 5 号 p.
390
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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杉本 健郎, 岡崎 仁志, 原 統子, 禹 満, 西田 直樹, 安原 昭博, 小林 陽之助, 渡辺 一男, 笠原 勝, 坂根 義巳, 谷内 ...
1985 年 17 巻 5 号 p.
391-397
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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年間に小児単純ヘルペス脳炎 (HSE) を10例経験した.診断は, ウイルス抗体価の有意な上昇 (7例) とウイルス培養 (3例) であった.予後は不良 (3例死亡, 6例重度脳障害, 1例てんかん発作) であった.予後の改善には早期診断が必要であり, 各例の診断を症状, 脳波, CT面より再検討した.
早期症状は痙攣が80%で, うち78%が片側痙攣であり, 髄液は, 早期に正常所見が半数にみられた.発症後1週以内の脳波は7例中4例に周期性発射, 側頭部棘波がみられ, CTは6例中2例に側頭部の異常を示した.ELISA法による後方視的検討では, 髄液IgGと血清IgM抗体の検討で, 発症後3~5日目にHSEの早期診断ができる可能性を示した.
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田角 勝, 須永 進
1985 年 17 巻 5 号 p.
398-404
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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0日齢新生仔ラットに, valproic acid (VPA) 75mg/kgまたは200mg/kgを親ラット飼育群と人工栄養飼育群に7日間連日腹腔内投与し, 脳発育に及ぼす影響を生化学的に検討した. (1) 人工栄養群では, VPA投与による脳発育障害は, 親ラット飼育群に比べ軽い傾向がみられた. (2) 200mg/kgの投与により, 人工栄養ラットの小脳および脳幹部では, 湿重量, 蛋白, DNA, RNA, コレステロールとも有意な低下を認めた. (3) 75mg/kgの投与では, 小脳および脳幹部の生化学的構成成分は低下する傾向を示した. (4) VPA投与による影響は, 小脳に最も強く認め, VPAの投与量の増加により, 強くなる傾向を認めた.
以上の実験結果より, VPAは脳発育を抑制する可能性があると考えられた.
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山本 克哉, 後藤 洋一, 飯沼 一宇, 鈴木 喜久男, 今野 多助
1985 年 17 巻 5 号 p.
405-411
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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例の亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) 患児にヒトリンパ芽球interferon (IFN) を髄腔内投与しその効果を検討した.
1例は明らかな臨床的改善は得られず約5カ月間で投与を中止した.1例は投与後2カ月目頃より著明な改善を示した.一過性の発熱以外には明白な副作用は認めなかった.
現時点ではこの改善がIFNによるものと断定することはできないが, SSPEの有効な治療法となりうるものと考えられた.また1例に見られたnatural-killer細胞活性の低下が病態に関与している可能性が考えられ, さらにこれがIFNにより回復することはIFN療法に理論的根拠を与えうるものと思われた.
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鈴木 裕, 稲毛 康司, 道広 成実, 藤田 之彦, 日比生 秀一, 後藤 一彦, 椎原 弘章, 大久保 修, 有泉 基水
1985 年 17 巻 5 号 p.
412-419
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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異常脳波の形成における免疫反応の関与について検討するために, 免疫複合体腎炎の3症例に脳波検査と腎生検を施行し, 腎組織所見に基づき脳病変の推定を試みた.
紫斑病腎炎 (症例1) では発作波を認め, ガンマグロブリン静注により悪化したが, 溶連菌感染後亜急性腎炎 (症例2) および膜性増殖性腎炎 (症例3) では徐波化を認めたのみであった.組織学的障害部位は症例1はメサンジウムが中心だが, 症例2, 3では基底膜にも著明であった.病初期より治療した症例1, 2は軽快したが, 開始が遅れた症例3では, 免疫療法でむしろ悪化した.
以上の現象に基づき, 紫斑病腎炎における発作波の形成およびてんかんのガンマグロブリン療法の機序に関する考察を加えた
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田中 順子, 尾上 幸子, 安部 治郎, 田川 哲三, 小野 次朗, 井藤 尚之, 寺田 春郎, 三牧 孝至, 藪内 百治, 貴田 嘉一, ...
1985 年 17 巻 5 号 p.
420-425
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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小児重症筋無力症眼筋型における四肢誘発筋電図waningの有無および抗アセチルコリン受容体抗体価と予後との関係について検討した.対象は眼筋型35例でwaning陽性16例, 陰性19例である.寛解または無症状にいたる率はwaning陽性群12/16 (75%), 陰性群15/19 (79%) であった.waning陽性群は再発例が多く治療が長びく傾向を示した.一方, waning陰性群は早期に寛解する例が陽性群に比し多く, 6カ月以内に寛解した例は15例中4例あった.ステロイド併用群の抗アセチルコリン受容体抗体価に関しては, waning陽性群は陰性群に比し高い傾向を示し, ステロイド療法により低下を認めた.
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泉 達郎, 内海 裕美, 大澤 真木子, 福山 幸夫
1985 年 17 巻 5 号 p.
426-430
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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Ca-hopantenateが急性脳症の発症に何らかの役割を果すか否かを念頭におき臨床生化学的検討をした.血液アンモニア値がCa-hopantenateとsodium valproate (VPA) および他の抗痙攣剤併用群と, VPAと他の抗痙攣剤併用群で, Ca-hopantenateやVPAの単独投与群に比して, 統計的有意差はないもののやや高い平均値を示した.VPAと他の抗痙攣剤との多剤併用効果によると思われるが, Ca-hopantenate自体がVPAとの併用効果や血液アンモニアの上昇作用に関係しているか否かについては更に検討が必要であろう.しかし, Ca-hopantenate服薬群において血清遊離カルニチンやパントテン酸, 血液CoAの低下を示す所見は見られなかった.
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早川 文雄, 山本 直樹, 麻生 幸三郎, 猪熊 和代, 高江洲 悦子, 松本 昭子, 根来 民子, 渡辺 一功, 熊谷 俊幸
1985 年 17 巻 5 号 p.
431-437
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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Kearns-Shy症候群は外眼筋麻痺, 網膜色素変性, 心伝導障害を三主徴とし多彩な症状を呈する原因不明の疾患で, 近年mitochondrial encephalomyopathyの概念とともに注目されている.われわれは小児期に発症したKearns-Shy症候群4例を経験したので報告した.
1例は兄妹例であった.3例の初発症状が低身長で, 外眼筋麻痺の出現する数年前からみとめられた.三主徴のほかに感音性難聴, 筋力低下, 振戦, 若年性糖尿病, 髄液蛋白増加など多系統にわたる症状を合併した.
外側広筋生検で3例にragged red fibersをみとめた.いずれも電顕上でミトコンドリアの集積, 巨大化, クリスタの増殖を観察できたが, 封入体様構造物はみられなかった.
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脳・腎動脈の線維筋形成不全症の1例
三宅 捷太, 新井 順一, 林 美智子, 岩本 弘子, 関戸 謙一
1985 年 17 巻 5 号 p.
438-442
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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右片麻痺で発症し, 線維筋形成不全症を合併したTurner症候群の6歳女児を報告した. 2) 低身長, 左小眼球症, 鞍鼻, 高狭口蓋, 後頭部毛髪低位, 翼状頸, 外反肘を認め, 染色体は45X/47XXXの核型であった. 3) レニンやや高値, レノグラムで実質相の左右差と, 左腎動脈起始部に狭窄を認めた. 4) 上下肢で圧差のある高血圧と心雑音を認め, 左鎖骨下動脈分枝後に大動脈縮窄をみた. 5) 脳波で左前側頭部に限局性徐波と低圧化を, CTで同部位に楔形の低吸収域を認め, 左頭蓋内内頸動脈の血管壁の不整と中大脳動脈の一枝が閉塞していた. しかし, モヤモヤ像はなかった.
さらに線維筋形成不全症・モヤモヤ病とTurner症候群との関連性について考察した.
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寺内 昭子, 黒田 育子, 森 哲夫, 松岡 高史
1985 年 17 巻 5 号 p.
443-447
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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乳児期に筋緊張低下を呈し, 幼児期に側彎, 尖足など関節障害が進行, さらに心電図上A-Vブロックを呈する10歳男子例について報告した. 筋肉の発達は全身にわたり不良であり, 特に肩甲部や下腿に著明な筋萎縮を認めたため心臓刺激伝導障害と併せてEmery-Dreifuss型筋萎縮症と診断した. 知能は正常, 脳波, CTスキャン像には異常所見はなかった. 筋組織像では著明な変化はみられなかったが筋電図より筋萎縮の病態は筋原性および神経原性が混在するものと思われた. 心電図では第1度A-Vブロック, Tの平低, 右脚ブロック等を呈し, 超音波エコー像では右房および左房の著明な拡大を認めた.
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恩田 威文, 小川 潔, 横井 茂夫, 熊谷 公明, 前川 喜平, 関谷 透, 多田 信平
1985 年 17 巻 5 号 p.
448-452
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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Robertsonがmega cisterna magna (MCM) について報告して以来, 最近では, Adamら, AlkerらがMCMの症例を報告している.
今回, 我々は, 左側頭部顔面の大部分を占める巨大血管腫を伴う, 精神発達遅滞の5カ月乳児において, メトリザマイドCT, NMR-CT等の検査を施行し, 小脳虫部欠損を合併したMCMと確定診断し得た症例を経験したので報告した.
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武藤 庫参, 金 光明, 富沢 貞造, 高尾 龍雄, 奥野 武彦, 山下 純宏
1985 年 17 巻 5 号 p.
453-458
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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歳男児の基底核部germinomaの症例を報告した. 左片麻痺・学業低下で発症し, 性格変化・麻痺側の上下肢に筋萎縮をみとめた.
CT上, 右基底核に高吸収域がみられたが, 同側の側脳室は拡大しており, mass effectは, なかった. stereotaxicに生検を行い, two cell patternのgerminomaと診断した.
同様の症例は17例, 本邦のみで報告があり, 本例を加えた18例について臨床的検討を加えた. いずれも10歳前後の男児に好発し, 片麻痺・性格変化・学業低下を示す例が多くみられた. 頭蓋内圧亢進症状を欠く場合が多く, CT, PEG上, 患側の大脳半球の萎縮が特徴的であった.
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浜野 雄二, 市橋 光, 宮尾 益知, 鞭 煕, 鴨下 重彦
1985 年 17 巻 5 号 p.
459-460
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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頭部CT所見上鏡面像形成のみられた頭蓋内出血の2例を報告し, その形成機序について考察した. 以前より脳1重瘍, 脳膿瘍, 嚢胞性病変に伴う鏡面像は認められていたが, 更に血液凝固機転に障害のある場合にも出現し易く, 本所見を認めたならば血液凝固系の検索が桑: 要であると考えられた.
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歩行不能の症例について
印東 利勝, 高橋 昭
1985 年 17 巻 5 号 p.
460-462
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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Duchenne型筋ジストロフィー症 (DMD) の歩行不能例の残存運動機能を正常児の歩行発達過程で獲得される運動機能と対比し, DMDの残存機能の臨床的意義を検討した. その結果正常児の歩行発達上生後9カ月までに獲得される運動機能が重要であり, stage VIIIという高度機能障害の時期でも「頸定」,「坐位」の2項目はかなり残存することが明らかとなった. DMDの最終残存機能のうち歩行機能獲得過程における早期の機能は保持されうると考えられた.
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神山 潤, 下平 雅之, 川野 豊, 林 雅晴, 鈴木 秀典, 小木曽 正勝, 岩川 善英
1985 年 17 巻 5 号 p.
462-464
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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妊娠中にα-methyldopaおよびreserpineをおのおの服用していた母親から出生, 生直後より振戦を呈した2男児例で, 睡眠覚醒リズムおよび終夜睡眠ポリグラフの継時的検討を行った. 乳児期早期の睡眠要素の異常と, 発達早期の脳内モノアミン系の障害との関連について考察した.
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青木 信彦, 宇都宮 琢史
1985 年 17 巻 5 号 p.
465
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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関 亨
1985 年 17 巻 5 号 p.
466-469
発行日: 1985年
公開日: 2011/08/10
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