脳と発達
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18 巻, 1 号
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  • 黒川 徹
    1986 年18 巻1 号 p. 2
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 松島 善治, 山口 武兼, 高里 良男, 富田 修一, 福本 達, 鈴木 龍太, 富田 博樹, 稲葉 穰
    1986 年18 巻1 号 p. 3-7
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児モヤモヤ病患者に, 外頸動脈-内頸動脈間接吻合術の一つであるencephalo-duro-arterio-synangiosis (EDAS) を施行し, 術後の症状の変化を観察した.-過性脳虚血発作, けいれん, 頭痛などの発作性症状は追跡した10例全例で平均11. 5カ月で消失し, 一部固定神経症状ならびに知能の改善もみられた. 侵襲が極めて少ないことも考慮すると, 本手術法は小児モヤモヤ病にとってかなり有望な手術法である.
  • 木村 清次, 岩本 弘子, 佐々木 佳郎, 三杉 信子
    1986 年18 巻1 号 p. 8-13
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    剖検で確認されているinfantile neuroaxonal dystrophyの末稍神経を形態的に観察し, 以下の結果を得た.
    (1) 末稍神経でも中枢神経と同様に, 軸索内に本疾患に特徴的な膜状, 管状構造物の異常増殖がみられ, 末稍神経生検の診断価値の高い事が確認された.
    (2) 腓腹神経での神経線維密度の減少はなかった. dystrophic axonは有髄線維で0.5%, 無髄線維で0.6%にみられ, 無髄線維での頻度が高い傾向にあった. またdystrophic axonは線維の太さに関係なく存在していた.
  • 中原 一郎, 森竹 浩三, 半田 肇, 小林 修一, 長安 慎二, 奥野 武彦, 中野 善久
    1986 年18 巻1 号 p. 14-20
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ビタミンK欠乏性頭蓋内出血6例の臨床分析を行った結果, 適切な治療を行ったにもかかわらず, その臨床神経学的予後は不良であった. 微小脳血管構築の特殊性, 脳血液関門の未熟性など, 本症発症時期における小児脳の発達上の特殊性が, 本症の不良な予後ならびにその特徴的なCT所見に密接に関連するものと推定される. 以上の観点から, リスク児の早期のスクリーニング, ビタミンK製剤の予防的投与など, 本症の発症予防の重要性を改めて強調した.
  • 服部 英司, 村田 良輔, 松岡 収, 李 成守, 川脇 寿, 一色 玄
    1986 年18 巻1 号 p. 21-28
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    訓練施設に通っているダウン症児125名の聴性脳幹反応 (ABR) を記録した.
    (1) ダウン症児では, 6カ月~6歳で, I-V, I-II, III-IVの各interpeak latencyが短縮していた. これは, 内耳性難聴の多いためと, 蝸牛神経核, 橋部伝導路などにおける解剖学的・組織学的特徴を反映していると考えられた.
    (2) ダウン症児では, I波潜時の延長, 消失に基づく判定と聴力検査の結果から, 一側耳以上の「聞こえの悪い」児の割合が, 45~65%と高く, ABRは「聞こえの悪い」児のスクリーニングに有用と考えられた.
  • 小田 公子, 村田 良輔, 一色 玄, 松裏 修四
    1986 年18 巻1 号 p. 29-35
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    インスリン依存性糖尿病 (IDDM) 患児の神経系合併症を調べるために, 聴性脳幹反応 (ABR) を施行し, 糖尿病のコントロールの指標である各種パラメーターと比較検討をした. また実験的にstreptozotocin (STZ) 誘発糖尿病ラットを作製して, ABRの急性期, 慢性期における変化についても検討を加えた. IDDM患児のABRは, 1) 対照群に比べて各波形の分離が悪く, 10年以上の長期罹病者に第III波, 第V波頂点潜時の延長傾向がみられた. 2) 脳波異常との比較では相関がみられなかった.
    STZ糖尿病ラットのABRは, 1) STZ投与後3週間目で各波頂点潜時に有意 (P<0.05) な延長がみられ, 特に第V波は最大の延長を示した. 2) 15週間後には第I波, 第III波, 第V波以外は振幅が低下するために波形分離が困難であった. 3) STZ投与後4週間目からインスリン投与により血糖をコントロールしたが, 頂点潜時延長の改善はみられなかった.
    以上の結果, 長期間の高血糖状態下においてはABRの各波頂点潜時の延長および振幅低下が認められることから, 脳幹部の障害が存在することが示唆された.
  • 組織学的, 生化学的検討
    杉江 秀夫, 杉江 陽子, 市村 みゆき, 鶴井 聡, 伊藤 政孝, 清水 勝則, 西田 光宏, 五十嵐 良雄, 米川 修, 菅野 剛史
    1986 年18 巻1 号 p. 36-42
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    全身けいれん後にミオグロビン尿 (Mb尿) を呈した11歳男児を経験し, phosphoglyceratekinase (PGK) 欠損症と診断したので報告する.
    (1) 筋組織化学では, ほぼ正常像を示したが, 電顕像ではグリコーゲンが有意に蓄積していた.
    (2) 溶血液および筋肉のPGK活性はそれぞれ正常の8%, 4.4%であった.
    (3) 患者PGK酵素の生化学的性質はpHおよび熱に対して正常PGK酵素と同じ安定性を示した. 更にATP, 3-phosphoglycerateに対するKmは正常対象とかわらなかった.
    (4) 本例は溶血症状を伴わずMb尿のみで発症しておりDiMauroら (PGK New Jersey), Rosaら (PGKC reteil) の報告についで, 世界で3例目と考えられる.
  • 急性脳症の21例の検討
    杉本 健郎, 西田 直樹, 禹 満, 竹内 大志, 村上 貴孝, 安原 昭博, 笠原 勝, 小林 陽之助, 坂根 義己, 谷内 清, 中野 ...
    1986 年18 巻1 号 p. 43-48
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去8年間で病初期に急性脳症を示した21症例の鑑別診断を行い, 5群に分類した. A群: Reye症候群 (RS) 1例, B群: 臨床的にはRSの基準を満たしたが, 肝組織学的検討で異なったReye-1ike症候群 (R-LS) 4例, C群: 臨床的にRSの基準を満たしたが, 組織学的検討を実施しなかった臨床的RS (C-RS) 8例, D群: 先天性代謝異常症3例, E群: 明白な後天性疾患5例 (単純ヘルペス脳炎4例と無酸素性脳症1例) であった. 肝組織所見に加え, RSの鑑別診断には, 髄液所見の追跡, 血中カルニチン・アミノ酸分析, 尿中有機酸分析, さらにELISAを含めたウイルス学的検討も必要であることを示した.
  • 臨床所見と末梢神経・筋の形態学的検討
    隅 清臣, 井藤 尚之, 高橋 学, 橋本 重夫, 安部 治郎, 岡田 伸太郎, 門田 永治, 長浦 智明, 豊 徹, 藪内 百治
    1986 年18 巻1 号 p. 49-54
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    被角血管腫を欠く14歳のFabry病の男児である. 患者に発汗障害, 白血球α-galactosidase活性の著明な低下, 封入体などの所見を認め, Fabry病と診断した. 母の活性も中等度に低下していた. 生検末梢神経の有髄線維数は正常であったが, 大径線維はやや減少していた.無髄線維の数および分布は正常であった. 末梢神経組織の電顕では封入体が神経周膜細胞とシュワン細胞および血管壁に多数沈着していた. 筋組織ではextrafusalfiberにはみられず, 筋紡錘内の筋線維および神経周膜細胞に認めた. 患者の疼痛はcarbamazepineで軽減した.
  • 富田 修一, 松島 善治, 山崎 信吾, 伊藤 梅男, 稲葉 穰
    1986 年18 巻1 号 p. 55-61
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    EDAS (encephalo-duro-arterio-synagiosis) を行った小児モヤモヤ病2例の5年間の追跡結果を報告した.
    症例1は手術時8歳の男児, 症例2は手術時11歳の男児で, 術後短期間のうちに臨床症状の消失がみられ, 5年間を経た現在まで再発をみなかった. 術後, 運動機能に関しては改善がみられたが, 学業成績や知能指数には著変がなかった. 脳血管撮影では, 移植したSTAと脳表の血管とが著しい吻合を形成し, あたかも脳血流の供給が内頸動脈から外頸動脈へと置きかえられていくようであった.
    モヤモヤ病の自然経過とこれらの2症例の経過を比較し, モヤモヤ病の外科的治療について検討した.
  • 麻生 誠二郎, 井上 聖啓, 三杉 信子, 武村 民子
    1986 年18 巻1 号 p. 62-67
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Congenital hypomyelination polyneuropathyの1例を報告した. 症例は, つかまり立ちの時期から運動発達の遅れに気付かれ, 4歳6カ月で, はじめて独歩可となった女児で, 深部腱反射消失, 深部知覚低下, 著明なMCVの低下等がみられた.2歳時および10歳時の末梢神経組織所見は, 著明な髄鞘形成不全と退行変性像の欠如を特徴とし, 2回とも同一所見であった. 本例と類似の報告はLyon (1969) に始まるが, 今まで本疾患において間隔をおいて組織所見を追跡した報告はなく, 自験例において2回の生検所見に変化がなかったことは, 本疾患が進行性退行性でないことを病理学的にも証明したことになり, 極めて重要な知見であった.
  • 大沼 晃, 宮林 重明, 飯沼 一宇, 多田 啓也
    1986 年18 巻1 号 p. 68-69
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床的にLeigh脳症の経過をとり, 生化学的にcytochromec oxidase欠損の証明された兄弟例にX線CTおよびNuclear Magnetic Resonance Image (以下MRI) による画像診断を行った, 弟ではX線CTにより対称性の被殻部の低吸収域を認め, 剖検にて同部の軟化壊死病変を確認した, 兄は生存中でX線CT上基底核の異常は未だみられていないが, MRIでは既に被殻部に明瞭な高信号領域が認められた. Leigh脳症の早期診断にX線CTよりも更にMRIが有用であることが示唆された.
  • 遊座 文郎, 田角 勝, 奥山 和男, 埜中 征哉
    1986 年18 巻1 号 p. 70-72
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期より筋緊張低下があり, floppy infantとして経過観察されていた4歳7カ月の女児に筋生検を施行した. 臨床的には, 筋力の低下, 鼻声, 高口蓋, 表情が乏しい, 肺炎の反復, 知能正常など, 先天性ミオパチーに共通する症状を呈していた. 筋病理所見では, 筋線維の大小不同, タイプ1線維の小径, タイブ2C線維の存在, 筋原線維間網の乱れなど, 先天性非進行性ミオパチーに共通な所見は認めたが, 診断的に特徴のある構造異常は認めなかった. この症例はDubowitzのいう“minimalchange myopathy”, もしくは, congenital myopathy withoutspecific featuresに該当する先天性非進行性ミオパチーと思われた.
  • 志倉 圭子
    1986 年18 巻1 号 p. 72-74
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    出生時より暗泣や笑いなどの表情がほとんど確認できないほど著明な顔面筋罹患と, 全身の筋力低下を伴った精神運動発達遅滞の女児に, 筋組織検査を施行したところ, タイプ1線維萎縮・タイプ1線維優位の傾向・タイプ2C線維の残存 (13.5%) を示す先天性筋線維タイプ不均等症 (congenital fiber typedisproportion (CFTD)) の所見を得た.臨床経過として精神運動発達の獲得に比し顔面筋罹患の改善はほとんどみられなかった. 先天性非進行性ミオパチーに顔面筋罹患を伴うことはよく知られているが, 本例のように四肢筋力低下に比し極めて重篤な顔面筋罹患を示すことは珍しく, Moblous症候群, 先天性筋緊張性ジストロフィー症などとの鑑別上重要であると考え報告した.
  • 恩田 威文, 熊谷 公明
    1986 年18 巻1 号 p. 75
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 竹下 研三
    1986 年18 巻1 号 p. 76-78
    発行日: 1986/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sturge-Weber症候群の主要な徴候をはじめて記載したのは, 1879年のここで紹介するSturgeの症例報告論文である. 顔面血管腫, 牛眼, 半身麻痺, 半身痙攣の典型的な症例を詳細に報告している. 記載された症候の内容のすばらしさにびっくりするとともに, すでに100年も前になるのに, その病因, 病態にたいする考察の正しさにはなによりも驚かされる. てんかん病巣の完成にいたる考えは今日の論文としてもすこしも色あせるものではない.
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