モヤモヤ病を除く小児の閉塞性脳血管障害7症例において, 臨床像, 神経放射線学的所見, 長期予後につき検討し報告した.
1. 発生頻度はモヤモヤ病とほぼ同数であり, 1歳~6歳に多い傾向があった.性別では男子が多数例を占めた.
2. 発症前の先行感染が5例に, 頭部外傷が1例にみられたが, 全例病因は明らかではなかった.突然の片麻痺で発症することが多く, 意識障害や痙攣を伴うことは稀であった.虚血発作の再発は全例にみられなかった.
3. 脳血管撮影では中大脳動脈水平部に病変を認めることが多かった.CT scanでは大脳基底核部に限局する梗塞巣を認めることが多く, 著明な脳萎縮を呈することは稀であった.
4. 軽度の運動障害を残すことがあるものの, 知能予後は良好なことが多い.しかし, 1歳以下の症例では著明な脳萎縮を呈し, 知能・運動予後ともに不良であった.
5. 本症は再発が少なく, 一般に予後は良好なことが多いことから, 外科的血行再建術の適応となることは少ない.
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