小児にはまれな筋萎縮, 球症状を主要症状とし, 眼瞼下垂, 四肢の筋無力症状はほぼ呈さない, 全身型の非典型的, 特異な若年型重症筋無力症の女児を報告する. 13歳現在の臨床像の特徴は,(1) 著明なるいそう (28kg) で, 全身の筋萎縮がありつつも筋力は保たれている (ただし頸部屈筋は3-と低下) こと,(2) 反復運動時の筋の易疲労性がみられないこと (電気生理学的にはwaningが証明された),(3) 球症状の存在,(4) 頸椎上部で前屈制限の存在, 胸椎で側彎の存在,(5) 眼瞼下垂はほぼないが, 左右上方への眼球運動制限がある,(6) テンシロン試験は眼球運動制限の解除がみられ陽性だが, 陰性のこともあり不定,(7) 抗アセチルコリン受容体抗体価の治療前高値と, プレドニソロン大量療法直後よりの正常化であった.
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