脳と発達
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20 巻 , 5 号
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  • 関 亨
    1988 年 20 巻 5 号 p. 362
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 田中 和彦, 鳴戸 敏幸, 山本 尚, 西澤 嘉四郎, 立入 利晴, 奥村 啓子, 島田 司已
    1988 年 20 巻 5 号 p. 363-367
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    妊娠中に投与されたphenytoin (PHT) が胎仔に及ぼす影響を検索する目的で, fetalhydantoinsyndromeのモデル動物の作成を試みた.マウスにPHTを飼料とともに投与した場合, PHTの血清濃度は正午に最も低く, 深夜に最も高値を呈した. 採血時間を一定にすれば投与量と血清濃度はよく相関していた. 妊娠18日目における胎仔血清PHT濃度は母体血清の約80%の値を呈していた. この差はアルブミン結合型のPHT濃度の差によるものであり, 非結合型PHT濃度は胎仔血清と母体血清との間に著しい差は認められなかった. PHT投与量の増加に伴い口蓋裂の発生頻度は増加した.
  • 田中 和彦, 鳴戸 敏幸, 山本 尚, 西澤 嘉四郎, 立入 利晴, 奥村 啓子, 島田 司已
    1988 年 20 巻 5 号 p. 368-372
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Fetal hydantoin syndromeのモデルマウスを用い, phenytoin (PHT) の胎仔臓器への移行を検索した. 妊娠18日目における湿重量当りの胎仔脳, 肝, 腎および羊水中PHT濃度は, 単位容量当りの母体血清濃度とよく相関していた. 胎仔肝におけるPHT濃度は胎仔脳および腎よりも高値を呈していた. 50mg/kg投与群における妊娠18日目の胎長, 胎重および脳重量, さらに生後1日目の脳重量, 脳内DNAおよびRNA量は対照群に比べいずれも低値を呈していた.
  • 田中 和彦, 鳴戸 敏幸, 山本 尚, 西澤 嘉四郎, 立入 利晴, 奥村 啓子, 島田 司已
    1988 年 20 巻 5 号 p. 373-378
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Fetal hydantoin syndromeのモデルマウスを用い, 生後の神経学的発達を検討した. 50mg/kg投与群より出生した新生仔マウスにおいては対照群に比べ各原始反射の消退が1-2日遅れ, かつ各獲得反射の出現および完成時期に1-2日の遅れを認めた.髄鞘のマーカー酵素の一つである2', 3'-cyclic nucleotid3'-phosphohydrolase活性を測定したところ大脳および脳幹部のいずれにおいても実験群で同酵素活性の経週的増加に遅れがみられた. この生化学的結果は, 神経生理学的結果と相補的なものであった.
  • 藤井 靖史, 栗山 政憲, 吉本 政弘, 小西 行郎, 藤沢 農一, 須藤 正克, 早川 克己
    1988 年 20 巻 5 号 p. 379-384
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ライ類似症と診断した1歳7カ月の女児の経時的頭部X線CTならびにmagneticresonanceimaging (以下, MRIと略す) について比較検討した. CTでは発症初期より右後頭部を除く広範囲の低吸収域がみられ, 以後脳萎縮の進行に伴い脳実質全域の低吸収域化が見られた. MRIは回復期より施行したが, T1強調画像よりもT2強調画像の方により明らかな変化があった. それは白質領域を中心とした低信号域と高信号域のレール状の変化であり, それはやがて皮質も含めた広範な領域に拡大していった. MRIはX線CTに比して脳実質内病変の質的な変化の描出に優れていると思われ, ライ類似症およびライ症候群の病態解明の上で有用であると思われた.
  • 岩川 善英, 林 雅晴, 神山 潤, 下平 雅之, 鈴木 秀典, 小木曽 正勝
    1988 年 20 巻 5 号 p. 385-391
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    年長の年齢依存性てんかん性脳症患児 (ADEE) 4例にドーパミン (DA) アゴニストあるいはアンタゴニストを投与した時の, 臨床症状および睡眠の変化を検討した. 睡眠中のtwitch movement (表面筋電図上限局性のphasicな筋放電, TM) が多い症例ではハロペリドール (HAL) 服用により, TMおよびてんかん発作は減少した. TMの著しく少ない症例ではL-DOPA服用によりTMは増加し発作が減少した. TMが正常下限の症例ではHALはTMを増加させ発作を減少させた.4例の以上の変化は一過性であった. DA依存性の睡眠中のTM出現様式およびその服薬前後の変化より, DA系内の障害の局在およびその二次的変化とADEEのけいれん発作の関係について考察した.
  • 野崎 秀次, 奈良 隆寛, 堀田 秀樹, 前川 喜平
    1988 年 20 巻 5 号 p. 392-397
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Neuron-specific enolase (NSE) は, 神経領域の急性炎症性疾患において, 重症度や予後を判定する上での指標としての役割が期待されている. 今回私達は, 風疹脳炎の8小児例について, 髄液および血清中のNSEを経時的に測定した. その結果, 髄液中NSE値は急性期には上昇をみないことが多く, 風疹脳炎が比較的予後の良好な疾患であることと一致していた. しかし, 重症例では軽度な上昇を示し, 髄液中NSE値は他の検査法より鋭敏である可能性が示唆された. また, これとは別に臨床症状の回復期に髄液中NSE値の一過性の上昇が見られた. これに対して血清では髄液中の上昇が軽度の場合は明らかな変動はみられず, その意義はうすいと思われた.
  • 市場 尚文
    1988 年 20 巻 5 号 p. 398-403
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    DSM-III分類でatypical pervasive developmental disorderに分類せざるをえないcommunication障害児52例の臨床的神経心理学的脳波学的検討を行った.
    共通する臨床症状として, 幼児自閉症を思わせる反応様式・行動がみられるものの, 反応性の全般的な欠如, 言語発達における粗大な欠陥はみられず, 予後良好のものが多いことが特徴的であった. 特に, 37例では2~3歳から文字を続み始めることが注目された.
    神経心理学的検査でも聴覚構成能力, 聴覚連合能力, 視覚一自動運動の障害がみられたが, 症状の改善とともに著明なIQの上昇, patchy defectの改善を示した.
    脳波検査では基礎波の発達の良好なものが多いことが特徴的で, てんかん波は34.6%で認められた.
    2~3歳から文字を読み始める予後良好のcommunication障害は, 幼児自閉症あるいはhyperlexiaと対置させうる, ひとつの明確な臨床単位と考えられ, benign hyperlexiaの名称が妥当と考えられる.
  • 渡引 康公, 冨山 誠彦, 長田 乾, 宍戸 文男, 小林 康子, 小松 和男, 後藤 敦子, 高田 五郎
    1988 年 20 巻 5 号 p. 404-411
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Mitochondrial myopathy, encephalopathy, lactic acidosis and strokelike episodes (MELAS) の男児2例を対象として, PETにより脳循環代謝量を定量的に測定し検討を加えた. PET測定はHEADTOME-IIIを用いて, 脳血流量 (CBF), 脳酸素消費量 (CMRO2), 脳酸素摂取率 (OEF), 脳ブドウ糖消費量 (CMRGlu) を測定した. 2症例とも全汎的なcMRO2の低下が認められたのに対し, CBFは大脳皮質を中心にむしろ高値を示していた. その結果, 脳全域に亘って相対的なluxury perfusionを呈すると考えられた. 一方, CMRGluはほぼ正常範囲にあったことから, 本症では中枢神経系におけるミトコンドリアの機能低下に伴う酸素代謝の障害が病態の中核をなすと推察された. 更に, 嫌気的解糖で作られる過剰の乳酸のために, 脳の乳酸アシドーシスが惹起され, 脳血管の拡張が起こることがCBFの増加として捉えられたものと考えられた.
  • 渡辺 誠, 牧原 寛之, 矢吹 みや子
    1988 年 20 巻 5 号 p. 413-417
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    倍体/4倍体モザイク染色体異常を有する5歳5カ月の女児の1症例について, その発達的側面を含めて報告した. 重度精神遅滞, 小頭症, 両眼離開, 耳介低位, 口蓋裂, 小下顎症, 第5指内攣・単一屈曲線, 内反足, 内斜視などの臨床像を認め, 頭部CTでは, 無脳回症を疑わせる脳回異常および側脳室拡大がみられた. また, 小脳虫部欠損も疑われた. 脳波検査で右側頭部に鋭波の出現がみられたが, 臨床的には何ら発作は認められなかった. 遠城寺式乳幼児分析的発達検査法を用いて2歳11カ月より5歳5カ月までの発達を経時的に追跡した. その結果, 発達の全般的な遅れおよび発語面における発達の著しい遅れという特徴をみた. 緩徐にではあるがなお発達を示しつつあり, 今後精神発達を促進するために治療教育的アプローチが必要であると考えられる.
  • 森 健治, 西條 隆彦, 浜口 弘, 田山 正伸, 河野 登, 橋本 俊顕, 宮尾 益英
    1988 年 20 巻 5 号 p. 418-422
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期より生後1歳まで経時的頭部CT検査を施行した福山型先天性筋ジストロフィー症 (以下FCMD) の1例を経験した.
    生後1日の頭部CTでは, 大脳白質に明らかな低吸収域は認めなかったが, 3カ月時には著明な低吸収化を認めた. その後1歳時までCTの経過をみているが, 3カ月時と変化はみられなかった.
    我々の症例に加え, 既報告例より, FCMDの中枢神経病変の発症の時期および病因に関し若干の考察を行った.
  • 池谷 紀代子, 梶山 通, 平沢 恭子, 大澤 真木子, 宍倉 啓子, 鈴木 陽子, 福山 幸夫
    1988 年 20 巻 5 号 p. 423-428
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は睡眠中に高度の呼吸不全を呈した7歳女児のネマリンミオパチー例を経験した. 本児は5歳前後から呼吸器系の易感染性と感染時の呼吸不全のため, 気管内挿管による呼吸管理を必要として, 入院をくりかえしていたが, 7歳すぎから, 非感染時にも睡眠中に換気不全が出現し, 日常的に人工呼吸器を必要とする状態になった. この例に対し, 米国で市販されている陰圧型人工呼吸器 (Emerson社ChestRespirator) を使用したところ, 換気不全の著明な改善が得られ, 自宅療養が可能となった. 現在, 患児は自宅で夜間のみ同呼吸器を使用し, 日中は元気に普通学級に通学している.
  • 橋本 和広, 安藤 幸典, 中野 千鶴子
    1988 年 20 巻 5 号 p. 429-432
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    精神運動発達遅滞を伴うシスチン尿症の1例を経験し, 患児および両親に施行したシスチン, リジン負荷試験の結果より患児はI-III型ダブルヘテロと推定された.シスチン尿症と精神運動発達遅滞との関係は明らかではないが, シスチン尿症がシスチンおよび二塩基アミノ酸の能動輸送障害であることより考えると腎や腸管と同様の転送障害が胎盤や脳内でも認められ, 必須アミノ酸の不足を生じ, 知能障害を生じてくるのではないかと考えた.
  • 布施 孝久, 高木 卓爾, 大野 正弘, 永井 肇
    1988 年 20 巻 5 号 p. 433-435
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    著者らは圧可変式バルブが組み込まれたSOPHY社製シャントを新生児水頭症2症例 (未熟児例, 成熟児例) と, 小脳腫瘍に合併した幼児水頭症1症例に使用する機会があったので報告した. 新生児ではいずれもバルブ圧は低圧としたが, 未熟児例においてはシャントのoverdrainageによる急激な頭囲縮小をバルブ圧を低圧から中圧に変更することにより回避することができた.幼児例ではバルブ圧は中圧としたが, 後頭下開頭により腫瘍 (astrocytoma grade3) の亜全摘を行い, 放射線治療後は高圧として経過観察中である. バルブが従来のものよりやや大型なので術後の縫合不全や皮膚の壊死が心配されたが, 著者らの経験した3症例では問題はなかった.
    今後の問題としては, 磁石が装着されているため術後のMRI検査ができなくなる可能性があるが, この点については現在検討中である.
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