脳と発達
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21 巻 , 2 号
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  • 渡辺 一功
    1989 年 21 巻 2 号 p. 96
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 金澤 一郎
    1989 年 21 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ニューロン同士の情報伝達にかかわる化学物質である神経伝達物質の概念そのものが近年大きな変革をせまられている.かつてのように局在, 作用, 放出といった性質の他に最近では特異的レセプターの存在も重視されてきている.さらに, 同一ニューロンに二種類あるいはそれ以上の神経伝達物質が局在していることも明らかになっていることなどを概説した.さらに, このような神経伝達物質の基礎的知識の臨床応用として, ヒト神経疾患脳で測定されているが, その変動のパタンが単にニューロン変性の二次的現象としての減少, 形態変化を伴わない機能低下を反映した減少の他, 代償的増加など三つの基本的パタンがあることを述べた.
  • 吉川 宏起, 塩野 孝博, 町田 徹, 飯尾 正宏
    1989 年 21 巻 2 号 p. 104-112
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, 急速な発展を遂げている非侵襲的な画像診断法であるMRIについて, その特徴とX線CTとの比較を行う.MRIの利点は任意の断層像が得られることとコントラスト分解能が高いことである.しかし小児を対象とする場合の大きな問題点は検査時間が長いことで, 慎重な前処置が必要である.小児神経疾患におけるMRIの役割はCTでは検出しにくい髄靴の異常や骨によるアーチファクトが問題となる領域の病巣の検出などにある.後者では脊柱管内の病巣の検出能でMRIの有用性は特に高い.
  • 橋本 俊顕, Hans Lüders
    1989 年 21 巻 2 号 p. 113-114
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The aim of this symposium was to discuss recent advances of evoked potentials in child neurological disorders. Five topics, including visual evoked potentials, brainstem auditory evoked potentials, short latency somatosensory evoked potentials to median nerve and lower extremity peripheral nerve stimulation, and motor and somatosensory evoked potentials to magnetic stimulation were discussed. Each speaker reviewed the usefulness and limitations of each type of evoked potentials as it applies to pediatric cases.
  • 大久保 修
    1989 年 21 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成人では一般にPattern-reversal VEPが使われるが, 小児ではFlash VEPを検討せざるを得ない-今までの研究より, 急性片麻痺では振幅増大や潜時の延長がみられた.West症候群では, 約45%が異常であり, 特に波形の異常が多い.症候性でVEPが異常であれば予後が悪い.新生児仮死, 呼吸窮迫症候群, 精神発達遅滞では潜時の延長, 低カルシウム血症, 低血糖症では潜時の短縮, 自閉症とてんかんでは潜時の短縮や延長がみられた.また, 後放電の臨床応用として, 脳炎では予後がよければ, 年齢相当の周波数までもどる.片麻痺症例では, 左右差がみられることが多く, この場合spindleの左右差がみられた.P-VEPでは, 脳炎で潜時延長を示すことが多かった.
  • 望月 康弘
    1989 年 21 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    聴性脳幹反応 (ABR) は検査に協力できない患者の聴力障害の早期発見や, 脳幹部の神経学的異常の発見などの課題に対して有力な検査法である.各波潜時や振幅は, 年齢, 性別によって異なるので, 各検査室において, 正常値を作成して基準とする事が望ましい.ABRの聴覚検査への応用と, 各種神経疾患におけるABRについて述べた.蝸牛や聴神経の機能が廃絶しているdeafnessの場合はABRによる情報は得られない.また聴覚路の, 脳幹より高位レベルの電気生理学的状態や, 被検者が聴覚情報を理解出来るか否かについての情報も得られない.ABR上認められる異常は, 個々の疾患と特異的に対応しているものではない.診断は臨床的状態や, その他の検査結果を総合して注意深く行う必要がある.
  • 田山 正伸, 橋本 俊顕
    1989 年 21 巻 2 号 p. 128-137
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    正常小児における正中神経刺激による短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) の発達に伴う変化および種々の小児神経疾患の診断におけるSSEPの有用性ならびにその限界について検討した;正常小児のSSEPの波形は成人のものとほぼ同様であったが, 発達により頂点潜時および頂点間潜時が変化し, 頂点潜時は身長や上肢長との間に正の相関を示した.各頂点潜時および各頂点間潜時の身長1mあたりの換算値は加齢とともに減少した.神経疾患患児でのSSEPは, 体性感覚路に障害がおよんでいる症例に異常がみられた.しかし, SSEPは病変部位の下限を推定することが可能であるが, 病変部位の正確な範囲を診断することが困難である.
  • 冨田 豊, 七田 謙一, 神村 直久
    1989 年 21 巻 2 号 p. 138-144
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    腓骨, 後脛骨神経刺激による脊髄および大脳誘発電位を, 正常小児と成人27名について検討し, 次に腓骨神経刺激にて各種神経疾患患児6名に応用した.正常小児腓骨神経刺激時の誘発波は成人と基本的に類似しているが, 小児の特徴は, 誘発波の出現頻度が明らかに高く, また下部胸椎で“standing potential”が認められたことである.脊髄伝導速度は3~4歳で最大値となった.
    小児神経領域での臨床応用として, 下肢刺激による体性感覚誘発電位は病巣の高位診断, 脊髄病変の広がりと病態解明, そして病態進行の把握に有用である.
  • 辻 貞俊, 魚住 武則
    1989 年 21 巻 2 号 p. 145-151
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    磁気刺激によるMEP, 皮質性SEPを正常者および臨床症例について検討した.大脳運動野, 第7頸椎部を磁気刺激して, 短母指外転筋, 足母指外転筋より筋活動電位を記録し, 錐体路および下位運動ニューロンの機能を客観的に評価した.錐体路病変を有する症例でMEPの異常がみられた.第10, 12胸椎, 第5腰椎, 臀部, 内果部を磁気刺激して皮質性SEPを記録した.正常者ではP2, N2の皮質成分を明瞭にみとめた.胸髄障害例では各部位刺激ともにP2, N2に異常をみとめ, 腰部神経根障害例では胸椎刺激では正常P2, N2であり, 腰椎刺激にてSEPは異常をみとめた.ニューロパチー例では内果部刺激のみに異常をみとめた.本法は非侵襲的に脊椎各部位の刺激が可能である.
  • 長畑 正道
    1989 年 21 巻 2 号 p. 152-153
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    This symposium was aimed to present recent advances of child neurological researches on infantile autism in Japan. Four topics were included: neuroendocrinological studies, neurophysiological investigations, neurological model, and a new drug (RTHBP) of infantile autism. These topics were also discussed by two discussants, a pediatrican and a child psychiatrist. Each speaker presented and discussed the problems of infantile autism on the basis of the findings of their own research.
  • 粟飯原 良造, 橋本 俊顕
    1989 年 21 巻 2 号 p. 154-162
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自閉症児30例, 注意欠陥障害児 (ADD) 16例, 生理学的精神遅滞児 (MR) 18例に対して, インスリン, TRH, LH-RHの各負荷試験を行い比較検討した.さらに14例の自閉症では, ホルモン分泌日内リズムについても検討した.インスリン負荷GHの反応でMRがADDより, TRH負荷TSHの反応で自閉症がMRより, それぞれピーク値, ピーク値と基礎値との差において有意に低値を示した.ホルモン分泌日内リズムでは, 自閉症14例中11例が異常を呈した・自閉症, ADD, MRにおける神経内分泌学的異常は多様であるが, 自閉症とADD, MRとは異なった視床下部一下垂体系の機能異常が示唆された.
  • 小川 昭之
    1989 年 21 巻 2 号 p. 163-169
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自閉症が「脳障害を基盤とした発達障害」とする考え方が以下の神経生理学的研究によって裏づけられつつある.すなわち, 1) 大脳皮質誘発電位では感覚, 特に聴覚情報処理障害がみられ, 2) 脳波定量解析では (a) 側性分化の低下,(b) 前頭葉α2波の活動性増加,(c) 2次元脳電図で正常群に比較して前頭部α2波活動の有意な分布がみられ, 3) 脳幹機能障害が,(a) ABRのI-V潜時の延長 (75%) (b) 前庭反射の低下,(c) SSEPの潜時延長としてみられ, 4) 認知機能障害としてP300の出現と振幅の低下 (反論あり) があるが, CNVには変化がないとされている。以上の研究成果から自閉症の責任病巣として脳幹機能障害が想定されている (Ornitz EM, 1985).
  • 瀬川 昌也
    1989 年 21 巻 2 号 p. 170-180
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    自閉症の睡眠・覚醒リズム障害の特徴から, 縫線核群の早期の障害が自閉症の主病因と考え神経回路を検索した.縫線核 (Rph) 群は脳幹, 橋の背側正中部に位置し, やや外側に位置する青斑核 (LC) 群とともに, 上位中枢に広汎かつ並列的に軸索を送り, おのおのの機能の制御に重要な役割をもつ.また, 黒質線条体および背側被蓋ドーパミン (DA) 神経系に抑制性支配をなし, また下行枝は脊髄運動系, 感覚系の調整に重要な役割を有している.Rph, LCとも乳児期早期に発達の臨界齢をもち, また, Rphは男性に易障害性が高い.Rphの早期障害は, LCの障害を伴い, 社会性の欠如, 同一性の保持, 優れた機械的記憶, 睡眠・覚醒リズム障害を, DA系の障害は幼児期初期より出現する多動, 常同運動をもたらし, パニックには, RphとLCに加えDA系神経系の異常が加わった状態として説明できる.反響言語は右半球優位の表現であり, これも早期のRph, LCの障害に起因する左右大脳半球の機能分化障害によると考えられる.利き手決定の遅れ, 人称の逆転も同様の機序による.乳児期の筋緊張低下, 這行障害はRphとLC下行枝の異常によるlocomotionの障害, 幼児期の上下肢協調運動障害は前頭葉徴候の存在とともにこれら神経核障害による前頭葉の機能障害が関与すると考えられる.この考えはこれらの症状に, 5-hydroxytryptophanおよび微量のL-dopaがそれぞれ奏効することから支持される.前者は幼児期早期でより有効, 後者は0.5mg/kg/dayの少量投与が有効であったことは, Rphの障害は早期に治療する必要性が, DA系障害は後シナプス過敏症による可能性が示唆された.
  • 成瀬 浩, 林 時司, 武貞 昌志, 中根 允文, 山崎 晃資
    1989 年 21 巻 2 号 p. 181-189
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    われわれは, 安定同位体 (重水素, 13C) 標識のアミノ酸を用い, in vivoでの代謝回転を分析する方法を確立した.これを小児自閉症患者に応用し, 興味ある所見を得た.
    2.それに基づいて, 小児自閉症患者の一部で, 脳内カテコールアミン, セロトニンの代謝の低下があるという仮説を樹立した.
    3.この代謝変化を是正する方法として, 微量のL-DOPA・5HTPを使用し, 一部患者で著効を得た.しかし妥当な量の決定が困難な例も少なくなかった.そこでR-テトラハイドロバイオプテリンの試用が行われた.偽薬との二重盲検法による効果判定で, 有意にすぐれており, ことに5歳以下の幼児で有効であることが証明された.
  • 山崎 晃資
    1989 年 21 巻 2 号 p. 190-192
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Biological studies on autism have become popular from the 1970s, and theories founded upon some forms of dysfunction of the CNS are coming to be accepted world wide. However, despite the voluminous studies undertaken to present, the biological markers of the disorder are as yet unknown, and there are many problems remaining in the present state wherein we are dependent upon diagnoses made on the behavior level. The behavior characteristics of autism and the problems in extracting its early signs, methods of evaluating behavior changes in pharmacotherapy and determination of its safety were discussed.
  • 高木 俊一郎
    1989 年 21 巻 2 号 p. 193-195
    発行日: 1989/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Since Leo Kanner reported 11 cases of “early infantile autism” in 1943, various kinds of studies and researches have been made. At present, we generally understand the “autism” is a behavioral syndrome of multiple etiologies. I would like to stress that we pediatricians, meeting the patients first, must play the roles of the specialists in diagnosis, treatment, prophylaxis, and of the advisers in guiding mothers, teachers and the others. The purpose of medicine and education is to help the handicapped to draw as much satisfaction and enjoyment from life as possible.
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