脳と発達
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21 巻 , 5 号
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  • 前川 喜平
    1989 年 21 巻 5 号 p. 416
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 小川 昭之, 園田 浩富, 鈴木 正義, 石和 俊, 後藤 一也, 沢口 博人, 若山 幸一
    1989 年 21 巻 5 号 p. 417-423
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳より12歳にいたる正常健康小児1,340名を対象として, 閉眼時に左前頭, 中心, 後頭より脳波を単極導出, 磁気記録し自己回帰・要素波解析を施し, α波の減衰周波数, パワー, 減衰時間の発達に伴う変化を追跡した.ついで, パターン識別によって各年齢群間の脳波特性の統計的検定を行った.その結果,(1) α波は3つの帯域に分けられ,(2) パワーは前頭, 中心では, α1波が優位であったが, 後頭では10歳でα2波が優位となった. (3) 減衰時間は発達とともにα1波は減じ, α2波は増加し, 7歳でα2波>α1波>α3波の順となった. (4) パターン識別法を用いると, α1波は3~6歳と, α2波は3~6歳および10歳と, 各年齢間とで有意の発達がみられた.α3波には有意の年齢発達はみられなかった.
  • 小川 昭之, 園田 浩富, 石和 俊, 後藤 一也, 古城 昌展, 沢口 博人, 若山 幸一, 鈴木 正義
    1989 年 21 巻 5 号 p. 424-429
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳より12歳にいたる正常健康小児1,340名を対象として, 閉眼時に左前頭, 中心, 後頭より脳波を単極導出, 磁気記録し自己回帰・要素波解析を施し, β波の減衰周波数, パワー, 減衰時間の発達に伴う変化を追跡した.ついで, パターン識別によって各年齢群間の脳波特性の統計的検定を行った.その結果,(1) β波は3つの帯域に分けられ,(2) 出現率はβ2波>β1波>β3波で, 4歳で最大であった. (3) パワーはβ1波>β2波>β3波の順に年齢とともに漸増し, β1波は7~8歳で最高値を, β2波は12歳に至るもなお増加した. (4) 減衰時間は年齢に伴う発達はみられなかった. (4) パターン識別の結果から, β波は前頭部で4歳時に, 中心部で10歳時に, 後頭部で3歳ないし7歳時に発達の臨界期が存在する事が推定された.
  • 鈴木 文晴, 平山 義人, 有馬 正高
    1989 年 21 巻 5 号 p. 430-433
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都内の全肢体不自由児および知恵遅れ児養護学校 (合計44校) の小・中学部を訪問してRett症候群の有病率調査を行った.直接診察した女児は1,311例であり, そのなかから確実なRett症候群患児24例, Rett症候群の疑いが強い患児6例, 合計30例が確認された.東京都の昭和63年4月1日現在の女児人口は59万8千人であり, Rett症候群の有病率は0.50/6~14歳女児1万名であった.本邦のRett症候群の有病率は報告のあるヨーロッパよりやや低い傾向にあると考えられたものの, 統計学的な差は認めなかった.本症の有病率はフェニルケトン尿症の2倍前後に相当し, まれな疾患でないことが明らかになった.
  • 中江 陽一郎, 後藤 昇, 奈良 隆寛
    1989 年 21 巻 5 号 p. 434-439
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    週齢の異なるヒト胎児脳の各構造別の体積値を求め, その発達の様相について検討した.対象は胎週齢16~27のヒト胎児脳5例, および成人脳2例である.各例毎に連続水平断切片を作成し, 画像解析装置を用いて大脳の各構造の面積を測定し, 体積を算出した.大脳の中では間脳が最も早い時期に体積の増加を示し, 大脳髄質, 大脳基底核がこれに続き, 大脳皮質の発達が最も遅かった.連続切片を作成し, 画像解析装置を用いて脳の体積を算出する方法は, 数値の正確性などの面ですぐれているだけでなく, 発達を数量的に評価する点で客観性があり, また, 得られたデータは今後の細胞レベルでの研究の基礎となるものである.
  • 伊藤 正利, 奥野 武彦, 三河 春樹
    1989 年 21 巻 5 号 p. 440-444
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小頭症児58例にCTスキャンを施行し, その成因について検討した.また, 小頭症の臨床像と頭囲およびCT所見との関連についても検討した.CTは検査前に予想できなかった病変の発見に役立ち, 小頭症の基礎疾患の診断の確立に有用であった.頭囲とCT所見の異常の有無, 精神遅滞の程度, 運動障害またはてんかんの合併の有無とは相関せず, 小頭の程度だけでは小頭症の予後を判定することはできないと思われた.一方, CT所見の異常の有無と精神遅滞の程度, 運動障害またはてんかんの合併の有無とは, 有意の相関を示し, CTは小頭症の予後の判定に有用な検査と思われた.
  • 清水 晃, 関 亨, 大山 建司, 高橋 孝雄, 詫間 由一, 平井 克明, 相原 正男, 畠山 和男
    1989 年 21 巻 5 号 p. 445-452
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    点頭てんかん5例, その他の続発全般てんかん (ミオクロニー発作) 1例に計8回のACTH-Z療法 (投与量: 0.01mg/kg/日, 1~2週間連日筋注) を行い, 全例発作の消失, 脳波所見の改善を認めた.そして連日投与前後において血清コルチゾール (F), プロラクチン (PRL), TSH, GH, LH, FSHを測定し, また, TRH, LH-RH, インスリン同時負荷試験も行った.その結果, 連日投与終了直後にはFのみ有意に増加し, 他は全て投与前に比し有意に低下した.負荷試験では連日投与後のPRL, LH, FSHの頂値, 増加量が投与前に比し有意に低下し, TSHも低下傾向を認めた.GHは, 連日投与前後のインスリン負荷で同等に血糖低下を認めた1例で投与後の反応が不良であった.以上よりACTH-Z連日投与により, 一過性下垂体前葉機能低下をきたす事が示唆された.
  • 奈良 隆寛, 後藤 昇, 野崎 秀次, 前川 喜平
    1989 年 21 巻 5 号 p. 453-459
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒト胎児の胎生中期から後期にかけての顔面神経核の発達をクロム酸二次固定を行ったセロイジン連続切片, 画像解析装置, コンピュータを用いて定性的ならびに定量的に評価した.その結果は以下の3点に要約できる. (1) 神経細胞の面積, Nissl顆粒の量, 突起の成熟度とneuropilは胎生30週齢以降に少しずつ増大した. (2) 21週齢ではすでに6つの亜核に分類できた.なかでも内側亜核の細胞は, 他の動物と比べて全顔面神経細胞の中で占める割合が少なく, 他の亜核の細胞よりも胎生期から小さかった. (3) 神経細胞数は21週齢から成人までほぼ一定で, 23週齢と30週齢に総細胞数の約10%に変性細胞がみられた.
  • 石田 千佳子, 梅本 英彦, 藤田 正文, 鈴木 伸治
    1989 年 21 巻 5 号 p. 460-464
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳性麻痺児の水中歩行を運動生理学的に評価する目的で, 独立歩行可能な脳性麻痺児10名に対しプール内および陸上歩行を3分間行い酸素消費量の測定を行い, 以下の結果をえた.
    1) 痙直型 (7名) ではプール内歩行時酸素消費量は陸上歩行に比し有意に低かった (p<0.05) が, アテトーゼ型 (3名) では差がなかった.
    2) 立位時前屈姿勢をとるもの (5名) ではプール内歩行時酸素消費量は陸上歩行に比し低い傾向があった (0.05<p<0.1) が, 前屈姿勢をとらないもの (5名) は差がなかった.
    以上から痙直型や立位時前屈姿勢をとるものではプール内で長時間の歩行が可能であると考えられた.
  • 片渕 幸彦, 間 克麿, 塩月 由子, 山下 裕史朗, 堀川 瑞穂, 安藤 寛
    1989 年 21 巻 5 号 p. 465-469
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    DPT三種混合ワクチン (以下DPTワクチン) 第1期1回目接種5時間後より, 急性小脳失調, 顔面神経麻痺を呈した1歳11カ月女児例を報告した.
    患児は歩行時のふらつきを主訴に入院, 水平性眼振, 小脳性失調歩行, および右の末梢性顔面神経麻痺を認めた.CTで, 右の小脳橋角部に不規則な低吸収域を認め, 著明な増強効果を呈した.MRIでは左右の小脳脚にも異常を認めた.
    神経症状は10病日より徐々に改善し, 20病日には消失した.また, CT所見も神経症状に平行して正常化した.DPTワクチン接種後の急性小脳失調はこれまでに数例の報告がみられるが, CT, MRIで異常を認めた症例はなく, 自験例はDPTワクチン接種後に起こったまれな中枢神経障害と考えられたので報告する
  • 金澤 治, 鳴戸 敏幸, 入江 紀夫, 河合 逸雄, 高木 隆郎
    1989 年 21 巻 5 号 p. 470-474
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    てんかん発作の重延状態を呈した18q-症候群の15歳男児例を報告した.患児は約半年前に大発作があり, 種々の検査所見からてんかんと診断されていた.ビデオ・脳波同時記録で捕らえられた発作は, 右方への水平性眼振と, 右上肢に強い右半身の間代性痙攣とを数分毎に交互に繰り返す, 一側性間代発作の重延状態であった.染色体検査で18番長腕の部分欠失が認められ, また重度の精神発達遅滞, 顔面中央部のへこみを特徴とする特異な顔貌, 低身長, 全指の渦状紋などを伴っていた.
  • 橋本 和広, 宝道 定孝, 安藤 幸典, 岡空 輝男
    1989 年 21 巻 5 号 p. 475-480
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    B群溶連菌による化膿性髄膜炎に硬膜下液貯留を合併した一例を超音波断層法と脳動脈血流速度検査とにより経過観察した.
    Waterbag付き7.5MHzプローブを用いることで脳表間隙の拡大と膜様物が観察できた.中大脳動脈血流速度は急性期に著明に増大したが, 炎症反応の改善とともに正常化した.頭皮から25mmの深さの血流は脳表間隙拡大の著明な時期には検出不能であった.
    両者を併用することにより化膿性髄膜炎の合併症としての硬膜下液貯留の進行とその頭蓋内循環への影響が観察でき, 治療の適応を考えるうえで有用であると思われた.
  • 橋本 昌典, 横田 晃, 松岡 成明, 島 史雄
    1989 年 21 巻 5 号 p. 481-485
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    これまで内服および外科的治療が無効であったchorea-ballism様不随意運動重積状態の9歳女児に対し, 経静脈的に3週間, 最大量533mg/kg/日のGABAを投与して不随意運動を完全に消失させることができた.choreaやballismは大脳基底核GABAニューロンの機能低下が原因と考えられているが, GABA自体は血液脳関門 (BBB) を通過しにくいことからこれらの不随意運動には無効であると言われる.本例の場合, どのような機序でBBBを通過したのかは明らかではないが, GABAの大量静脈内投与はGABAニューロンの機能低下に基づく不随意運動に有効である可能性を示唆している.
  • 堀川 瑞穂, 二宮 正幸, 西 昭徳, 安藤 寛, 山下 裕史朗, 寺澤 健二郎, 片渕 幸彦
    1989 年 21 巻 5 号 p. 486-490
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    向精神薬投与後に悪性症候群を呈した10歳自閉症女児例を経験した.患児は興奮, 徘徊のためフェノチアジン系やブチルフェノン系の向精神薬の投与を受け, その後, 発熱, 筋強剛, 振戦, 発汗, 流涎, 無動緘黙状態を呈し, 検査所見では血清CK値の上昇を示した.症状は約3カ月間遷延したが, 塩酸アマンタジン使用後, 急速な症状の改善を示し約1カ月でほぼ完全に回復した.
    本症候群の発生機序の一つとして脳内ドーパミン伝達系の遮断が関与していると推定されている.自験例では, 治療に使用した薬剤の反応などにより, 前シナプスからのドーパミンの遊離に何らかの障害があった可能性が示唆された.
  • 後藤 一也, 小川 昭之
    1989 年 21 巻 5 号 p. 491-494
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Cockayne症候群の2歳男児例を経験した.患児は新生児期より哺乳不良, 体重増加不良を認め, 生後4カ月より発達遅滞が明らかとなった.小人症, 小頭症, 特異顔貌に加え, 生後11カ月時に頭部CTで頭蓋内石灰化と網膜色素変性, 末梢神経障害を認め, 本症と診断した.生後1歳10カ月時の頭部CTでは脳萎縮は著明となり, 石灰化は広汎化した.
    従来の報告と比較して新生児期に発症し, 乳児期より著しい発達・発育遅滞と末梢神経障害を認め, 頭部CT上著しい脳萎縮と広汎な石灰化がみられた点で, 本症例は特徴的であった.
  • 石川 幸辰, 今井 富裕, 岡部 稔, 亀田 桂司, 永岡 正人, 南 良二, 皆川 公夫
    1989 年 21 巻 5 号 p. 495-497
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児交互性片麻痺 (AHI) の4歳女児例を報告した.AHIの麻痺時に, ジアゼパム静注が有効なことより, AHI発作時, ジアゼパム静注前・後で経時的にSSEP (短潜時体性感覚誘発電位) を測定した.その結果, C7, ErbレベルでSSEPは正常範囲内であったが, C4レベルにおいて, SSEP波形・潜時の回復過程が認められた.以上の所見から, AHIの麻痺は脳幹部より中枢側の一過性機能障害によることが, 示唆された.SSEPは非侵襲的検査であることより, AHIの補助検査法として試みられるべきと思われた.
  • 吉村 和江, 林 良寛, 中江 陽一郎, 奈良 隆寛, 浜田 朗生, 前川 喜平
    1989 年 21 巻 5 号 p. 497-499
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期に痙攣で発症し, 頭部CTで腫瘍性病変を認めた結節性硬化症の一女児例を経験した.結節性硬化症は幼児期以降に脳室周囲の石灰化がみられることにより診断されることが多く, 本症例のように新生児期より腫瘍性病変で気づかれることは, きわめてまれである.
  • 折口 美弘
    1989 年 21 巻 5 号 p. 499-501
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    West症候群で発症した現在9歳のFahr病の女児例とその弟および父親の頭部CT所見について報告した.姉は生後6カ月, 弟は8カ月の時の頭部CTですでに石灰化が認められた.このようにFahr病では頭部CTでの石灰化は結節性硬化症のそれと比べてより早期から認められ, 皮膚に白斑が認められないという相異点があるが, 乳幼児期ではFahr病と結節性硬化症とは鑑別し難く, 結節性硬化症の鑑別診断の一つとしてFahr病を考慮する必要がある.
  • 奈良 隆寛, 野崎 秀次, 佐久間 秀哉, 前川 喜平
    1989 年 21 巻 5 号 p. 501-503
    発行日: 1989/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    偽性末梢神経型尺骨神経麻痺をきたした10歳男児を経験した.反対側の頭頭葉から後頭葉にかけて孔脳症が認められた.偽性末梢神経型麻痺の局在的価値をふまえ報告した.
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