脳と発達
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22 巻 , 1 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 黒川 徹
    1990 年 22 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 遠藤 秀樹, 小林 繁一, 中三川 晃利, 下泉 秀夫, 宮尾 益知, 山本 佳史, 柳沢 正義
    1990 年 22 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高ナトリウム血症を呈した水頭無脳症を2例経験し, 内分泌学的検討を加えたので報告した. 2症例とも生後約1週間は血清ナトリウムは正常であったが, それ以降は150~160mEq/Lを示した. 高血漿浸透圧であるにもかかわらず, 哺泣など渇きを訴える行動は見られなかった. 水分制限試験では血漿浸透圧が上昇しても尿浸透圧は低値で, 抗利尿ホルモン (ADH) の分泌は見られなかったが, ADH負荷試験では, 尿浸透圧の上昇が認められた. したがって, 渇機構とADH分泌の両方が障害された潜在性尿崩症と考えられた. ADH分泌細胞, 渇中枢, 浸透圧受容器は, すべて視床下部に存在するが, 2症例とも視床下部の形成異常があったため潜在性尿崩症を呈したと思われた.
  • 吉川 秀人, 桜川 宣男, 新田 初美
    1990 年 22 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Congenital cerebellar ataxia 9例について, 周産期障害の有無, 臨床症状および小脳, 脳幹部のCT, MRI所見について検討した. CT, MRI所見は計測値を用いてより客観的に評価した. 今回の9例については, 周産期障害の認められなかったものでは小脳正中部を中心とした病変の程度が強く, 一方新生児仮死を認めたものでは小脳病変はないか, あっても極軽度のものだった. しかし, 小脳病変の有無および周産期障害の有無による臨床症状の違いは認められなかった. 原因として胎生期のものと, 周産期障害の関与するものとが考えられ, それぞれで小脳病変の程度が異なることが示唆された.
  • 藤野 佳世, 橋本 俊顕
    1990 年 22 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Rett症候群3例に終夜睡眠ポリグラムを施行し, 脳内モノアミン系と密接な関係にある睡眠諸要素の検討および神経内分泌学的検討を行い, 以下の結果を得た. (1) 睡眠要素の解離 (stage1-REM, stage2-REM). (2) REMsの加齢による増加現象 (一). (3) 各睡眠段階別BMs, TMsの頻度のパターンの異常. (4) TRH負荷テストにおけるGH奇異反応とprolactin過剰反応, 睡眠中のGH増強効果不良. (5) 睡眠中の自律神経2機能障害の進行性.
    以上の結果より, Rett症候群における脳幹, 視床下部の広範な機能障害, および脳内モノアミン系が病態に強く関与していることが示唆された.
  • 竹谷 俊樹, 浜野 建三, 川嶋 浩一郎, 岩崎 信明, 大橋 徹, 佐藤 猛
    1990 年 22 巻 1 号 p. 24-29
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    幼児期および学童期に発症した難聴を伴う顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー (FSH) の2例を経験し, 蝸電図を含む聴力検査で以下の知見を得た.
    1.両例とも純音聴力検査で高音性感音難聴が認められたが, 聴性脳幹反応の波形には異常は認められず, tympanogramはA型で, 耳小骨筋反射は正常に誘発された.
    2.語音聴力検査で幼児期発症例の最高明瞭度は100%と正常であった.
    3.幼児期発症例では, 蝸電図の聴神経複合活動電位の入出力曲線にL曲線の消失とH曲線化が認められた.学童期発症例では正常であった.
    4.上記幼児期発症例の蝸電図の変化から外有毛細胞の障害が考えられた. 外有毛細胞には筋組織と同様にactinとtubulinの存在することが知られており, 難聴とFSHの病因を一元的に解明する上で興味ある知見と思われた.
  • 香坂 忍, 香坂 雅子, 福田 紀子, 後藤 雄一, 植竹 公明, 寺内 昇, 梶井 直文
    1990 年 22 巻 1 号 p. 30-37
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    独自に開発された携帯型脳波記録システムを用い, その有効性を検討するため16名のてんかん患児に発作時脳波記録を試み, 13名に発作時脳波が得られた. 臨床症状との対応と発作時脳波の解析により, この13名に正確な発作型の分類が可能であった. 本システムの特徴と具体的な解析方法について3症例を例にとり解説した. 本システムは発作時脳波記録・解析に非常に有効であった.
  • 下村 千枝子, 舟橋 満寿子, 長 博雪, 鈴木 康之, 松井 農, 小野 靖彦
    1990 年 22 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重度重複障害児5例の睡眠時呼吸状態の評価のため, 睡眠時に連続的な酸素飽和度測定を行い, 同時にポリグラフ的観察も行った. その結果, 4例は主として閉塞性呼吸障害, 1例は中枢性呼吸障害を呈した. 睡眠経過と呼吸障害の程度とは, 一定の関係が認められなかった. 閉塞性の1例, 中枢性の1例に対して, 睡眠時の酸素療法を行い, 低酸素状態の改善とともに, 運動機能の改善, 易感染性の改善, 体重増加, 睡眠経過の変化などが見られた. 重度重複障害児における睡眠時呼吸障害の診断, およびその治療評価として, 酸素飽和度を含めたポリグラフ的検討が必要と考えられる.
  • 鈴木 文晴
    1990 年 22 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都における重症心身障害児 (重障児) の有病率調査を行った. 重障児の定義は大島の分類の1~4に属する児とし, 1988年4月1日現在東京都 (島しょ部を除く) に在住する6~14歳の総人口122万7千人を調査対象とした. 都内の全重障児施設・病棟, 肢体不自由児施設, 肢体不自由児・盲・聾養護学校, 近県の重障児施設・病棟, および東京都教育庁, 合計60カ所を直接訪問して患児を診察して調査, 一部は聞き取り・書面によって調査した.確認された重障児は直接診察によるもの620名, 聞き取り・書面調査によるもの210名, 合計830名に達し, その有病率は0.68/1,000であった.今回の得られた有病率は過去の報告よりやや低く, 医療や社会の変化が重障児の有病率の減少に関与している可能性が考えられた.
  • 鈴木 文晴
    1990 年 22 巻 1 号 p. 50-54
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都において地域に基づいて把握された重症心身障害児830例を対象に, その障害の実態を調査した. 大島分類では分類1該当児が全体の64%を占め, 分類2該当児が32%, 分類3該当児が3%, 分類4該当児が1%であった. てんかんは全体の84%, 視力障害は40%, 呼吸障害は30%, 摂食障害は46%に合併していた. 特に経管栄養児は全体の10%, 気管切開あるいはレスピレーター使用中の児は全体の3%であった. 保護者とともに在宅している児は全体の84%で, 残る16%は措置入院中であった. 大島分類1該当児が多数を占めたことは, 障害の重症度の2分極化を示すものであり, また多数を占める在宅児のため一層の医療・福祉の充実が必要であることが示唆された.
  • 新井 ゆみ, 炭田 沢子, 大沢 真木子, 平沢 恭子, 岡田 典子, 川井 未加子, 宍倉 啓子, 鈴木 陽子, 平山 義人, 斎藤 加代 ...
    1990 年 22 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳と5歳のセントラルコア病姉弟の骨格筋CTおよび超音波断層を施行し, 以下の結果を得た.
    1) 第3腰椎, 大腿中央, 下腿最大周径の各スライスに著明な筋肉の低吸収域変化を認めた.
    2) 変化は腰椎, 大腿が下腿より強く, 特に傍脊柱筋, 広筋, 縫工筋, 薄筋に強い傾向があった. 下腿筋は全体によく保たれていたが, ひらめ筋に最も変化を認めた.
    3) 大腿部超音波画像では, CT上よく保たれてみえた大腿直筋を含め, 全般的に筋エコーが増強し, 筋膜・骨像の不鮮明化が認められていた.
  • 児玉 美穂子, 甲斐 由美子, 杉野 茂人, 猪口 成美, 三池 輝久
    1990 年 22 巻 1 号 p. 61-65
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は, 重度の精神運動発達遅滞と小頭症を有する姉妹に, 14q-の核型を認めたので報告する. ringformationを伴わない14q-の報告は現在まで5例あるが, 46XX, del (14) (q12q13.3) の核型の報告は本例が初例である. 報告例と本2症例を比較検討した結果, 多くの共通するphenotypeを有していた. 患児らの染色体異常は, 家族全員の高精度分染法による染色体検索により明らかになり, 母親に由来する異常と判明した.
  • 三浦 洋, 水田 俊, 八木 信一, 小林 嘉一郎, 片岡 直樹, 守田 哲朗
    1990 年 22 巻 1 号 p. 66-70
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    瞬間的な左足の脱力性部分発作と随伴症状としての立位障害が見られた4歳女児例を報告した. 左足の脱力は, 臨床症状, 理学所見, 発作時脳波所見よりてんかん発作と診断し抗痙攣剤の増量を行った. これによりすべての症状は完全に消失した. 脱力性部分発作の報告は非常に少ない. 本症例はこれに加えて大脳皮質機能障害によると思われる非てんかん性の立位障害も伴った, 極めてまれな症例である.
  • 長沼 賢寛, 小西 徹, 本郷 和久, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
    1990 年 22 巻 1 号 p. 71-76
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳で右片麻痺が出現し, その後TIA様発作を繰り返したprogeriaの1例を経験した.
    X線CTで多発性の低吸収域を, 脳血管造影で左内頸動脈の進行性の狭窄と側副血行路の発達を認め, 虚血性脳梗塞の合併と診断した. 123I-IMPSPECTでは左大脳半球の広範な集積低下と, delayed scanで再集積像を認めた. 症状はその後回復が認められ, 123I-IMPSPECT所見と良く一致しており, 123I-IMPSPECT法は脳血流動態の診断のみならず予後の判定にも良い指標となると考えられた. さらに脳波での徐波化も臨床症状の変化と良く相関した.
  • 山内 秀雄, 柳沢 孝之, 高橋 理子, 清水 信三, 畠山 信逸
    1990 年 22 巻 1 号 p. 77-81
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は12カ月の女児. 全身の筋緊張低下で発症し, 甲高い泣き声, 原因不明の発熱, 易刺激性, 痙攣, 嚥下困難をきたした. 酵素測定を行い, galactocerebrosidaseが著明に低下しており, Krabbe病と診断した. CT上, 両側淡蒼球および視床に高吸収域を認め, その後白質の低吸収域, 脳萎縮がみられ, また白質の低吸収域は他の1eukodystrphyに比較し軽度であるといった所見は, 本症に特徴的であると思われた.
  • 野田 泰子, 坂井 香織, 東條 恵, 桜川 宣男, 有馬 正高
    1990 年 22 巻 1 号 p. 82-85
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    典型的な重症型ネマリンミオパチーで, 9歳の現在まで生存している女児例を報告した. 筋症状は重度で, 抗重力運動はほとんどみられない. これら非進行性の筋症状にもかかわらず, 肺性心は徐々に進行している.乳児期より発症する重症型ネマリンミオパチーは, 予後不良な疾患で, 多くは2歳までに呼吸不全のため死亡する. この型のネマリンミオパチーとして, 本症例は, 調べ得た範囲では, 世界最年長である.
    重度の障害にもかかわらず, 言語指導, 電動車椅子の導入により, 患児の生活範囲は, 拡大しつつある.
  • 深沢 博史
    1990 年 22 巻 1 号 p. 86-87
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    バルプロ酸 (VPA) 投与後に, 酵素法の自動分析による血中クレアチニン (Cre) が高値を示した4歳男児を報告した. 児のCreはJaffe法による測定では正常であった. 酵素法の欠点として検体に大量のプロリンが含まれている場合には, 前処理で排除しきれなくなり, 残ったプロリンが構造式の似ているCreとして測定されてしまい, Cre値が高値になってしまうことが知られている. 本症例のアミノ酸分析でも, 血中プロリンの上昇が確認された. したがって本症例でも, VPA投与による血中プロリンの上昇のために, 酵素法の血中Cre値が高値を示したものと考えられた.
  • 野田 泰子, 青木 裕, 石北 隆, 多田 博史, 諸岡 啓一, 佐地 勉, 松尾 準雄
    1990 年 22 巻 1 号 p. 88-90
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Congenital fiber type disproportionに大動脈縮窄複合を合併した1歳11カ月の症例を報告した. 患児は新生児期より重症の心不全症状を呈し, 高度の精神運動発達遅滞および発育障害がみられた. 当初, 運動発達の遅れも心不全による二次的症状と考えられたが, 心疾患根治術後も発達は緩徐で筋緊張, 筋力低下が持続したため, 筋生検を行った結果CFTDと診断しえた. 荻野らによれば, 先天性心疾患の約1%に先天性ミオパチーの合併がみられたと報告している. 心不全を伴う先天性心疾患児には発達遅延, 筋力低下を呈する者が多く, 今後筋症状に注目することによりこれらの合併例は増加するものと思われる. CFTDの成因を知る上でも, 高口蓋や股関節脱臼等の骨格の異常に加えて, 心奇形に注目する事が重要と考えられた.
  • 堀川 瑞穂, 山下 裕史朗, 河野 洋子, 浦部 富士子, 片渕 幸彦, 松石 豊次郎
    1990 年 22 巻 1 号 p. 90-92
    発行日: 1990/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    二分脊椎に伴う水頭症1例につき, 前大脳動脈のPulsatility Index (以下PIと略す) の変化をV-Pシャント (以下シャントと略す) の前後で経時的に測定し, 次の結果を得た. PIは水頭症の進行とともに上昇し0.80を超え, シャント後6時間で急激に低下しdipを認めた後, 0.70前後におちついた. 次にPIの変化と血流速度との関連を知る目的で, 滑脳症を伴う先天性水頭症の1例につき, 前大脳動脈 (ACA), 中大脳動脈 (MCA) の収縮期血流速度 (S), 拡張期血流速度 (D), 平均血流速度 (M) を測定した. 測定はカラードプラ血流計を用い脳血流を可視化することにより, 超音波の血管に対する入射角を0度とし, PIが急激に変化するシャント前, およびシャント後6時間で行った.その結果, シャント後6時間ではシャント前に比しS, D, Mとも増加した.またSよりDの増加が大きかった. このことはPIの急激な変動時には, SよりDの変化が大きいこと, PIの急激な低下は, 血流量そのものの増加を意味することが推測された.
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