脳と発達
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23 巻 , 3 号
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  • 佐藤 潔
    1991 年 23 巻 3 号 p. 226
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 浅野 純一, 家島 厚, 木佐 俊郎, 大谷 恭一
    1991 年 23 巻 3 号 p. 227-233
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    10分以上の心停止ののち蘇生しえた11例の溺水児を対象とし経時的なCTスキャンと予後の関係を検討した. 1) 2週以内に視床, 基底核, 大脳白質の著明な低吸収域を認めた3例は, 1例死亡, 2例は植物状態で最も予後が悪かった. 2) 3週~1カ月に第3脳室の拡大を認め, 2カ月以後のCTで, 基底核, 視床, 橋の萎縮を認めた3例は, 重度の四肢麻痺と重度知能障害を残した. 3) 3週~1カ月に, 第3脳室の拡大を認めるも, 2カ月以後のCTで橋の萎縮を認めない3例は, 全例軽度の知能障害を認めた. 4) 3週~1カ月に, 一過性に大脳脳溝, 側脳室の拡大を認めるも第3脳室の拡大を認めなかった2例は, 1例にてんかんを認めるも, 麻痺, 知能障害を認めなかった.
  • 木村 正彦, 加藤 雅子, 吉野 邦夫
    1991 年 23 巻 3 号 p. 234-239
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    摂食障害は重症心身障害児 (者) の日常生活や生命的予後においてきわめて重大な問題である.今回我々は摂食困難をもつ14例を対象にビデオレントゲン検査で嚥下機能を評価した.食物ではミキサー食より水分, 体位では仰臥位より座位の方が誤嚥が多かった.誤嚥は喉頭挙上期に多く, 病態では, 舌での食塊形成が悪く, 嚥下反射の遅れ, 咽頭内圧の低下がみられた.また, 摂食中に空気の嚥下が多く, そのため胃内圧が上昇し胃食道逆流がみられた.また, 経管栄養者において造影剤滴下法を使い唾液の誤嚥の可能性を示した.経管栄養者の残存する嚥下機能の簡易なスクリーニングになることを示した.造影剤には非イオン性低浸透造影剤を用いた.
  • 西村 正明, 西村 悟子
    1991 年 23 巻 3 号 p. 240-246
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重度重複障害児 (者) 45例における体温調節障害について検討した.体温調節障害例はCT上第3脳室, 側脳室の著明な拡大を認め, 視床下部の障害が推定されたが, 加えて周生期, 出生後群では, 前頭葉を含む (時には全実質の) 広範な低吸収域がみられるものが多く, 内側前脳束の関与も考察し得ると考えられた.またこの群では, 体表面積および血清クレアチニン値が低く, 体表からの熱放散困難および重度の麻痺による皮膚血管反応性の不良に起因する熱出力系の障害も併合していると推測された.病巣に関する電気生理学的検討では, 脳幹および上部頸髄の異常を示唆する所見はあるものの, 体温調節非障害例との間に差異はみられず, 断定はできなかった.
  • 西巻 滋, 川上 義, 赤松 洋, 岩崎 康夫
    1991 年 23 巻 3 号 p. 247-251
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成熟新生児, 乳児の延べ69人で日齢1, 5, 10, 15, 20, 30, 60に前大脳動脈 (ACA) のPourcelot's index of resistance (RI-ACA) と脳底動脈 (BA) のRI (RI-BA), RI ratio (=RI-ACA/RI-BA) を超音波パルスドプラ法を用い測定し, 以下の結果を得た.
    (1) 92.8%でRI-ACA< RI-BAの関係であった.両者の平均値の差を検定するとRI-ACA (=: 0.723±0.038)< RI-BA (=0.750±0.041) で, 有意差が認められた (p<0.001).
    (2) RI-ACAと RI-BAともに日齢1~5にかけて減少し日齢5で最低になり, 次に増加し日齢15を最高にした後, また緩やかに減少した.
    (3) RI ratioの平均値は0.963±0.029で, 各測定日においても0.96から0.97で一定であった.
  • 石和 俊, 小川 昭之, 園田 浩富, 澤口 博人
    1991 年 23 巻 3 号 p. 252-258
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    健康早産児の静・動睡眠期脳波に対して脳波のトータルパワーの二次元脳電図を検討するとともに, 両睡眠期の二次元脳電図間のパターン識別を行い, 発達特性について検討を行った.受胎後34~40週までの23名の健康早産児を対象とした.静・動睡眠期それぞれ10.24秒間の脳波を1区間として, 1区間および10区間の平均二次元脳電図を求めた.両睡眠期ともに前頭部に小さな, 後頭部に大きなトータルパワーのピークがみられ, 静睡眠期により大きなトータルパワーがみられ, そして受胎後週数がすすむにつれてトータルパワーは低下した.パターン識別では主に前頭部と後頭部に有意差部分が示された.
  • 長沼 賢寛, 小西 徹, 本郷 和久, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
    1991 年 23 巻 3 号 p. 259-264
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5~20歳のてんかん児129例を対象に聴覚事象関連電位 (ERP) を測定しP300潜時のてんかん症候群別差異について検討した.その結果,(1) てんかん児では,P300を同定できないことがある. (2) てんかん児のP300潜時は,正常児に比べて延長していることが多い.'(3) 症候性部分てんかん群は,P300潜時が延長し年齢による変動が少ない. (4) 特発性部分てんかん児では,明らかなP300潜時の延長を示す症例はなく, 12歳までは正常児とほぼ同じP300潜時を示したが, 13~15歳では正常児に比べ有意に延長し,他のてんかん症候群との差がなくなった. (5) 特発性全般てんかんは,症候性部分てんかんと特発性部分てんかんの中間的な傾向を示した.
    P300潜時は,てんかん症候群により異なり,認知機能の発達および障害がてんかん症候群により異なることが推察できた.
  • 木村 晶子
    1991 年 23 巻 3 号 p. 265-272
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    A total of 152 severely mentally and physically handicapped children were studied with regard to severity of bone atrophy assessed by microdensitometry (MD) and serum levels of calcium (Ca), phosphorus (P), alkaline-phosphatase (Al-P) and Vitamin D metabolites in an intra-group comparative manner. They were divided into four groups; MA: mobile and anticonvulsant-receiving (58 cases), MN: mobile and anticonvulsant-non-receiving (48 cases), NA: immobile and anticonvulsant-receiving (27 cases), and NN: immobile and anticonvulsant-non-receiving (17 cases).
    Microdensitometric (MD) abnormalities were noted in about 80% of patients. MD parameters were worse in the immobile groups than in the mobile groups. Serum levels of Ca were significantly lower, and those of Al-P were significantly higher in the anticonvulsant-receiving groups than the anticonvulsant nonreceiving groups. The serum level of 25-hydroxyvitamin D (25-0H-D) was low in all groups.
    Fifty-eight children with MD abnormalities were treated with 1 α-OH-D3, and MD and hematological findings were improved specially in the mobile groups. This means that mobility plays an important role in the progress of osteopathy and treatment of severely mentally and physically handicapped children.
  • 福田 雅通, 市山 高志, 林 隆
    1991 年 23 巻 3 号 p. 273-277
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    左前頭蓋底から発生した硬膜下膿瘍を認めた13歳男児例を経験した.経過中に左中大脳動脈支配領域の広範な脳梗塞を認めた.頭部CT上, 左前頭部および左側頭部に硬膜下膿瘍を認め次第に増大し被膜をもつ膿瘍を形成した.第17病日頃から右片麻痺, 錐体路徴候, 失語症が出現した.頭部CT, 血管撮影から左内頸動脈狭窄による脳梗塞と診断した.膿瘍と梗塞との因果関係は明らかではないが, 硬膜下膿瘍または膿瘍形成前の髄膜炎からの炎症の波及による動脈炎の存在, 病初期から認めた血小板数の増多, 凝固能亢進, ステロイド製剤の使用が梗塞を起こした原因と推測した.
  • 佐々木 征行, 花岡 繁, 鈴木 文晴, 高嶋 幸男, 有馬 正高
    1991 年 23 巻 3 号 p. 278-283
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本例は, 出生時の特徴的皮膚所見と皮膚生検で色素失調症と診断されていた。生後1カ月で全身痙攣, 7カ月で点頭てんかんが発症したが, 他院での治療で改善した。その後軽度の精神遅滞, 左片麻痺がみられ, 意識消失発作と部分発作を主訴に, 9歳で当科を受診した.この時点でのMRIで, 右側脳室後角周囲の白質量が減少し, 右側脳室が開大していた.また側脳室前角前方の脳室周囲白質から白質中央部にかけて, T, 強調画像で低信号域, T, 強調画像でその周辺を含めて高信号域となっていた.色素失調症に高頻度に合併する中枢神経症状の病態生理はまだよく知られていないが, 本症では大脳白質病変をきたしやすい素因があるのではないかと考察した.
  • 奈良 隆寛, 三島 美喜子, 野崎 秀次, 浜野 晋一郎, 前川 喜平
    1991 年 23 巻 3 号 p. 284-288
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    カ月にわたる経過で再発した急性多発性神経根炎の11歳の症例を経験した.一回目は内眼筋麻痺 (縮瞳障害) を伴った動眼神経麻痺が弛緩性の四肢麻痺と三叉神経・顔面神経と舌下神経の麻痺に先行した.再発時には片側の散瞳障害を伴った四肢麻痺がみられた.散瞳障害はパピログラフィにより診断した.
  • 後藤 敦子, 石田 明, 小林 康子, 高田 五郎
    1991 年 23 巻 3 号 p. 289-293
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    筋生検にて筋ジストロフィー所見が優位であったUllrich病の一例を報告した.生後まもなくより斜頸, 筋緊張低下に気付かれ, 知的発達は良好であったが運動発達の遅れあり.3歳で数歩の独歩が可能となったが, 近位関節の拘縮が進行し4歳時には独歩不能になった.遠位関節は過伸展を示し, 皮下出血斑を生じ易く, コラーゲンの異常が疑われた.筋組織所見では, 筋線維の大小不同, 結合織の増生, 脂肪浸潤があり, 壊死・再生線維を認め, 筋ジストロフィー所見が優位であった.コラーゲン異常が疑われたが, 皮膚線維芽細胞のコラーゲンの構造, 性質に異常を認めなかった.
  • 荒木 敦, 黒川 徹, 桜川 宣男, 埜中 征哉
    1991 年 23 巻 3 号 p. 295-298
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児期早期からの筋力低下・筋緊張低下・精神運動発達遅滞を主症状とし, 先天性ミオパチーを疑われた3歳男児に筋生検を施行しタイプ2A・2B線維の完全欠損を認めた.筋線維内に特異な構造 (ネマリン小体, コア, 中心核など) を認めず, その臨床像・病理所見よりcongenital neuromuscular disease with uniformtypelfiberと診断した.本症は, 臨床像・病理所見の共通性などから先天性ミオパチーの中の一疾患単位として評価されうるものと考えられた.また本例では精神発達遅滞を伴った点が従来の報告と比較し特異的であった.
  • 山内 秀雄, 黒川 徹, 有馬 正高
    1991 年 23 巻 3 号 p. 299-302
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床観察上, 不随意運動の一種であるnegative myoclonusが脳波筋電図同時記録により単純部分発作であることを経験したので報告した。症例は4歳男児で, 周産期障害による左側片麻痺があり, 他型の部分発作を合併していた.右上肢挙上保持, 座位, 立位等, 抗重力的に姿勢を保持する際あるいは上肢の随意運動をする際に不規則な1~2Hzのミオクローヌスを認めた.臥位安静時にはそれらは認められなかった.それらは姿勢保持や随意運動のために収縮している作動筋群が繰り返し弛緩し再びそれに引き続く筋収縮の回復によりもたらされることが, 筋電図上で作動筋の筋放電の中断を間激的に認めたことにより証明された.加えて筋放電の中断に一致して脳波上左中心部に連続した陰性棘波を認めた.したがって脱力を呈する部分発作は臨床観察上negative myoclonusとして捉えられることがあり, 鑑別診断上念頭におくべきであろう.
  • 杉本 健郎, 太田 亨, 鈴川 純子, 西田 直樹, 安原 昭博
    1991 年 23 巻 3 号 p. 303-305
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    周期性傾眠症は過度の傾眠を主徴とする一群の疾患で, 過食を伴わず無月経の女子の本症は極めてまれである.その本症に当帰芍薬散を投与し軽快した13歳女児例を経験した.月1回約7日間傾眠症が続き, 初潮がまだの患児には月経の代理症状と思われ, 傾眠症が視床下部の機能障害と考えられる点から本薬が有効性を示したと考察した.
  • 長村 敏生, 梅原 桂, 末廣 晃子, 藤田 裕美, 越智 雅晴, 吉岡 博
    1991 年 23 巻 3 号 p. 305-308
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    出生時には低出生体重とSFDであったこと以外に特に異常を認めなかった先天性サイトメガロウイルス感染症の一乳児例において頭部CTとMRIを検討した結果, 脳室拡大を伴う脳萎縮と側脳室周囲白質の髄鞘化障害は両者に共通の所見として認められた.一方, CTでは脳内点状石灰化像が, MRIでは側脳室後角後方のparaventricular cystがそれぞれの検査に特徴的な所見として認められた.
    本症の確定診断には出生直後のウイルス培養か血清学的 検査が必要とされるが, 出生時の検査成績が不明で乳児期以降に本症の存在が疑われるような発達障害児においては, CTでの脳内石灰化像とMRIでのparaventricular cystが伴って認められる場合に本症の可能性が強く示唆されると考えられた.
  • 高野 知行, 大野 雅樹, 山野 恒一, 島田 司巳
    1991 年 23 巻 3 号 p. 308-310
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ムンプスウイルスによるArnold-Chiari I型奇形に類似した小脳奇形発症の臨界期の特定を試み, かつその発生病理を考察した.
    ムンプスウイルスのハムスター脳内接種により, 生後2, 10, 30および50日目の接種群のいずれにも脳室拡大が認められた.しかし, Arnold-Chiari I型奇形に類似した小脳病変は, 生後2日目の接種群においてのみ著明であった.
    本実験モデルにおいて認められたArnold-Chiari I型奇形に類似した小脳奇形は, 拡大した大脳半球が, 組織発生の完了していない小脳を圧迫することが成因のひとつと考えられた.
  • 林 隆, 市山 高志, 田中 晴美, 古賀 まゆみ, 沖野 文子
    1991 年 23 巻 3 号 p. 310-312
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    遺糞を主訴とした筋緊張性筋ジストロフィー症の男児を経験した.クラス1bに分類される抗不整脈剤に属すメキシレチン (メキシチール (R) ) の経口投与により, ミオトニア現象の軽度改善とともに遺糞症が消失した.直腸肛門内圧検査でメキシレチン投与前には認めなかった直腸肛門反射を認め, 外肛門括約筋の収縮力も増加した.
  • 田中 晴美, 林 隆, 市山 高志, 柏木 史郎, 土田 英司
    1991 年 23 巻 3 号 p. 312-315
    発行日: 1991/05/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    もやもや病を疑った3歳男児にMRIとMR angiographyを行った.MRIT1強調画像でもやもや血管と思われる低信号域を認めた.MR angiographyで左前大脳動脈は狭窄し, 左中大脳動脈の閉塞とその末梢の異常血管網を認めた.右前大脳動脈は閉塞し, 右中大脳動脈の起始部に狭窄を認めた.脳血管造影を行い同様の所見を得た.MRangiographyは造影剤なしで脳血管像を得ることができること, 水平断の血管像が得られることから, もやもや病のスクリーニング検査として有用と考えた.
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