脳と発達
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24 巻 , 1 号
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  • 阿部 敏明
    1992 年 24 巻 1 号 p. 2
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 沖 潤一, 宮本 晶恵, 伊藤 淳一, 楠 祐一, 長 和彦
    1992 年 24 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    3歳の時点で言語表出の発達が2歳のレベルに達しなかった幼児108例中, 小学校入学後も経過観察できた94例 (男83例, 女11例) の疾病分類, 知能・言語発達検査, および就学状況について検討した.言語表出のみの遅れだった30例では, 15例 (50%) が発達性言語障害であり, IQ71以上の例は64%だった.これに対し, 言語理解も遅れていた64例では, 57例 (89%) が情緒障害学級や養護学校などの特殊教育を要し, 52例 (85%) でIQが70以下だった.言語表出・理解とも遅れていた64例のうち, 3歳の時点で対人関係の障害もあった41例中30例 (73%) が自閉症だった.言葉の発達の遅れた幼児の予後を推測するには, 表出性言語や言語理解はもちろん, 対人関係についても評価することが必要である.
  • 鈴木 文晴, 平野 悟, 黒川 徹
    1992 年 24 巻 1 号 p. 9-13
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    心身障害児の発生原因における中枢神経系形成異常の意義を知るために,(1) 重症心身障害児施設 (231名),(2) 肢体不自由児施設 (129名),(3) 在宅児 (203名), において頭部CT所見の検討を行った.明らかな中枢神経系形成異常が認められたのは各群で14例, 12例, 19例であり, 頻度は各々6.1%, 9.3%, 9.4%であった.中枢神経系形成異常の認められた重症心身障害児収容児の全例, および1例を除く在宅児は大島の分類1または2に相当する重度障害児であった.肢体不自由児施設収容児は臨床的に軽症で, 身辺自立が可能であった.中枢神経系形成異常は小児神経科の診療と特殊教育の対象となる心身障害児の病因の6~10%を占め重要な病因であるとともに, 児の障害が重度かつ重複であるため療育の現場にとって重大な問題
  • 山崎 徹夫
    1992 年 24 巻 1 号 p. 14-19
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    chenne型筋ジストロフィー (DMD) の生検筋で, 内側と外側に分割された筋線維を認め, その一部では内外のタイプが異なる筋線維が存在することを見いだした.現在までにこの種の筋線維についての報告はみられず, 著者はこの内外に分割された筋線維を“boiled-eggfiber”と仮に名付けることを提唱した.各種の神経筋疾患生検筋でboiled-egg fiberの出現率を調べ, ATPase染色でその内外のタイプ分類を行った. (1) Boiled-egg fiberはDMDの60例中17例 (28.3%) に認められ, DMD以外の筋ジストロフィーや筋炎にも出現していたが, 筋線維の壊死再生を認めない疾患群では全く存在しなかった. (2) Boiled-egg fiberの内側ではタイプ2C線維が56.6%と多くを占めていた.以上からboiled-egg fiberは筋線維の異常な再生の一過程を反映する所見と考えられる.
  • 東條 恵, 小川 直子, 竹内 衛, 遠山 潤, 鳥越 克己, 佐藤 誠一, 高橋 亮一, 古賀 靖敏, 埜中 征哉
    1992 年 24 巻 1 号 p. 20-26
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    複合体I欠損症を強く示唆する1家系について, 症状の多様性, 筋病理, 酵素活性, エルゴメーター (以下エルゴ) 負荷, 遺伝形式を検討した.本家系は筋型家系で, 母子例が3組あり, 3人の母は姉妹で, 母性遺伝が示唆された.児は確定診断した筋力低下を示す8歳女児, 5歳男児の2例と, 酵素分析, 酸素消費の検討で正常だが, ragged-red fiberがあり, エルゴ負荷でも乳酸 (L), ピルビン酸 (P) の高値, 易疲労性を示す15歳男児であった.母の1人は易疲労性, 高L, P血症を示す発症例で, 他の2人の母は無症状だが, エルゴ負荷でL, Pの異常高値を示した.そのうち1人の母はL/P比は正常であった.ミトコンドリア異常の検索にエルゴ負荷が有用だが, 確定診断には筋病理, 酵素活性, 酸素消費の総合的検討が必要であった.
  • 平山 義人, 鈴木 文晴, 有馬 正高
    1992 年 24 巻 1 号 p. 27-31
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都における学齢期 (6~14歳) の福山型先天性筋ジストロフィーに関する実態調査を2度にわたり行い, 1988年4月1日時点で26名を確認した.この年齢における本症の有病率は10万人あたり2.1であった.患児数は年齢により異なったが, 男女数は完全に一致した.粗大運動機能は同年齢でも個人差が認められた.上肢機能の低下は6歳までに始まり, 6~7歳以後の運動機能向上は難しいものと予想された.15名は会話可能であった.10名が抗てんかん剤を服用中であった.全例が肢体不自由児養護学校に在籍し, 22名は通学, 3名は訪問教育を受け, 1名は入院中であった.年間6名, 延べ12名が入院しており, 在宅通学児の年間平均欠席日数は33.9日であった.
  • 前垣 義弘, 木村 正彦, 吉野 邦夫
    1992 年 24 巻 1 号 p. 32-36
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) 25例について安静臥位時における血漿レニン活性 (PRA), 血清アルドステロン濃度 (Ald) を測定した.25例中16例にPRA, Aldのいずれかあるいはその両方に分泌亢進がみられた.Acetazolamide内服患者は4例であり, そのうち3例はacetazolamideが原因で高PRAあるいは高Aldであると考えられた.食餌についてみると低塩食群 (1日のNa摂取総量が2mEq/kg未満) は正塩食群 (同2mEq以上) に比べ有意にPRAが高値であり, 尿Na, Cl値は低値であった.このことから重症心身障害児 (者) における高PRA高Aldの主な原因は塩分摂取不足であると考えられた.また移動能力別ではPRA, Aldに差はみられなかった.
  • 浦上 裕子, 岡田 滋子, 加藤 知子, 辻 昌宏, 井上 令一
    1992 年 24 巻 1 号 p. 37-43
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    今回われわれは, ローランド領野に出現する7~13Hzのアーチ状波形 (μ 律動) を示した241例を, その出現条件によって2群に分類した.I群 (定型群) は, 開眼による影響を受けず四肢の運動や体知覚刺激によって消失する171例, II群 (非定型群) は, 傾眠, 光刺激, 過呼吸によって増強される70例である.I群は, 年齢6~15歳にピークがあり, 経過良好のてんかん, 精神疾患, 頭痛等にみられた.II群は, 年齢11~15歳にピークがあるが, 各年齢層にほぼ均一に分布し, 難治てんかんや器質的脳疾患にみられ, てんかんにおいて, 突発性異常波を合併する頻度がより高い.II群のような出現条件を示すμ 律動が認められた場合, 経過観察と器質的脳疾患の探索に注意が必要である
  • 宮崎 雅仁, 橋本 俊顕
    1992 年 24 巻 1 号 p. 44-49
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頭部MRIのT, 強調画像で後頭葉深部白質に高信号域を認めた小児27例をその信号強度により2群に分類した.灰白質の信号強度より高く, 側脳室の髄液の信号強度より低い高信号域を呈する19例は, 3歳以下に多く, 中枢神経系での髄鞘化の遅延に基づくことが考えられた.しかし側脳室の髄液と同程度あるいはそれ以上の高信号域を呈する8例では年齢依存性はみられず, 重度精神遅滞を伴う傾向が認められた.本研究結果より, 後頭葉深部自質の髄液と同程度あるいはそれ以上の高信号域は頭部MRI上の異常所見であり, 精神遅滞児の客観的指標になりうる可能性が示唆された.
  • 宮川 田鶴子, 松井 潔, 田中 文雅, 山下 純正, 三宅 捷太, 山田 美智子, 岩本 弘子, 横田 国臣
    1992 年 24 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    横浜市における重症心身障害児の有病率および障害の実態を検討した.重症心身障害児の定義は大島分類1~4に属する児とし, 1988年5月1日現在, 横浜市に在住する就学児童 (小学校1年生~中学校3年生) を調査対象とした.神奈川県内および近都県の重症心身障害児施設, 肢体不自由児施設, 養護学校に, 電話および直接訪問し, 主に聞き取り・書面により調査した.該当する重症心身障害児は, 直接診察により57名, 聞き取り・書面により135名, 合計192名確認され, その有病率は該当人口1,000人当たり0.51であった.大島分類別では, 分類1が75.5%と大部分を占めていた.在宅が約95%と高率を占めていることと, 重度例が高率に通学していることが, 横浜市における特徴であった.
  • 西村 正明, 西村 悟子
    1992 年 24 巻 1 号 p. 54-59
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) における体温調節障害について検討した.第1報では, 体温調節障害の中枢性および末稍性機序について検討し, 出生前原因による症例と周産期, 出生後の原因による症例で体温調節障害の病態には差異がみられることを報告したが, 今回の検討では, 直腸温連続モニターでも両者には差異がみられ, 日内最低温が出生前原因による症例では低く, 周産期, 出生後の原因による症例では高い傾向があった.
    また, 体温調節障害と視床下部, 下垂体内分泌系との関連では, 体温調節障害例で, 早朝尿浸透圧が低く, 女性例に月経異常が多い傾向がみられ, これも視床下部障害の一面を示していると考えられた.
  • 福家 浩, 大府 正治, 友田 靖子, 丹生 恵子, 一木 貞徳, 満留 昭久
    1992 年 24 巻 1 号 p. 60-64
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は麻疹ウイルスの持続感染により起こる予後不良の進行性変性疾患である.今回, 急性リンパ性白血病 (ALL) の治療終了後8年を経過して非定型欠神発作で発症したSSPEを経験した.本例は, immune suppressive measles encephalopathyとSSPEとの発症のメカニズムを考える上で興味ある症例と思われた.また非定型欠神発作で発症したSSPEは, 自験例も含めて5例と極めて稀であった.
  • 前田 治子, 藤枝 幹也, 森田 英雄, 倉繁 隆信
    1992 年 24 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Wyburn-Mason症候群の5歳女児例を経験した.右頬部の血管性母斑, 右網膜の動静脈奇形 (以下AVM) が認められ, 造影CT, MRI, 脳血管撮影で, 右神経周囲から視床下部付近に至るAVMが認められ, Wyburn-Mason症候群と診断した.本邦報告例は, 検索し得た範囲では4例であり, 極めてまれな疾患と思われ報告した.
  • 港 敏則, 植村 幹二郎, 田中 一宏, 西村 範行, 森 裕美子, 前原 幸治, 石田 明人, 黒田 英造
    1992 年 24 巻 1 号 p. 71-77
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例1は10カ月の男児, 症例2は1歳11カ月の男児.ともに発熱, 水様性下痢, 痙攣を主訴に当科に入院した.入院時, 意識なく四肢硬直していた.検査所見では, GOT, GPTが著明に上昇し, また血小板の減少, fibrinogen degradation products (FDP) の上昇, アンチトロンビンIIIの低下を認めた.血液ガス分析で代謝性アシドーシスを呈した.頭部CTにて症例1では広範囲にわたって低吸収領域を, 症例2では大脳基底核, 脳幹部を中心に低吸収領域を認めた.症例2の糞便検査にてロタウイルスを証明した.この臨床像は, 1983年にLevinらが提唱したhemorrhagic shock and encephalopathy (HSE) と酷似した.現在のところ原因不明であり予後不良の疾患であるがロタウイルスとの関係について今後検討を重ねていく必要があると考えられた.
  • 杉江 秀夫, 杉江 陽子, 鶴井 聡, 伊藤 政孝, 宮本 礼子, 松田 二三子
    1992 年 24 巻 1 号 p. 79-80
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Pivalic acidを側鎖にもつプロドラッグ服用による2次性低カルニチン血症について報告した.病態として尿中へのpivaloyl carnitineとしてのカルニチンの体外喪失によるものと考えられた.今後同様のプロドラッグが開発されつつあるが, 特に小児においては使用する際に注意が必要である.
  • 中澤 良樹, 小池 健一, 金子 和可子, 花岡 康彦, 坂井 昭彦, 八木 芳雄, 林 和子, 小宮山 淳
    1992 年 24 巻 1 号 p. 81-82
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺炎に罹患後, 呼吸不全, 心不全をきたして死亡したマルチコア病の10歳男児例を経験した.症例は乳幼児期より筋力低下, 登攀性起立を認めていたが, 非進行性の経過をとっていた.10歳時に施行した筋生検で, 光顕的, 電顕的所見より, マルチコア病と診断し, 外来にて経過観察を行っていた.非進行性, 良性の経過をとるといわれているマルチコア病においても, 心合併症に対する精査と呼吸器感染症時における厳重な管理の必要性が示唆された.
  • 西村 正明, 西村 悟子
    1992 年 24 巻 1 号 p. 83-85
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    常染色体性優性遺伝のFrledreich病と考えられた1家系において, その発症様式が一卵性双生児を含む4症例において異なっていた.一卵性双生児の一方 (症例1) は, 比較的典型的な発症であったが, 他方 (症例2) では症例1に比し, 発症も遅く, 症状, 所見も軽度で感染による急性増悪が特徴的であった.このような同一遺伝個体での発症様式の相違には, 種々の要因が考え得るが, 確定的とはいえず, 今後の症例の集積, 検討が必要である.
  • 宮崎 雅仁, 橋本 俊顕, 村川 和義, 田山 正伸, 伊藤 道徳, 黒田 泰弘
    1992 年 24 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高乳酸血症を伴わない症候性点頭てんかん6例中1例で髄液中乳酸, ピルビン酸およびアラニンすべてが異常高値を呈し, 中枢神経系に限定された乳酸・ピルビン酸代謝異常, すなわちcerebral lactic acidosisを認めた.また合成ACTH 1-24を投与した3症例において髄液中乳酸は投与前の約2倍に上昇し, 中枢神経系での乳酸性アシドーシスの増強が示唆された.本研究結果から点頭てんかんの病態には中枢神経系の乳酸.ピルビン酸代謝異常も関与しているものと思われた.
  • 福山 幸夫
    1992 年 24 巻 1 号 p. 89-92
    発行日: 1992/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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