脳と発達
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25 巻 , 1 号
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  • 小西 行郎, Giovanni Cioni, Heinz F.R. Prechtl
    1993 年 25 巻 1 号 p. 3-8
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Low-riskの未熟児と器質的脳障害の明らかな未熟児を在胎週数と観察日を合わせた12対のペアーをつくり, 出生から出産予定日までの期間その姿勢をビデオ記録によって観察し検討を加えた.一つの姿勢の持続時間, 1時間あたりに姿勢を変えた回数などについては両群問に差はなかった.また年齢に応じてこれらのことが変化することもなかった.最も頻回に見られた姿勢については個人差が大きく, 年齢に特異な姿勢は見られなかった.頭の向きについては両群ともに在胎31週以降右向きが多くなった.非対称性緊張性頸反射 (ATN) 様姿勢や左右対称の姿勢などの特異な姿勢についてはその頻度に両群間で差を認めなかった.その他, 脳障害を持った群に特異的な異常姿勢と呼べるような姿勢は見当たらなかった.
  • 石井 光子, 高梨 潤一, 杉田 克生, 鈴木 新, 後藤 実千代, 田辺 雄三, 玉井 和人, 新美 仁男
    1993 年 25 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    臨床所見, 電気生理学的検査およびMRI検査からPelizaeus-Merzbacher病 (以下PM病) が疑われた4症例について経時的に頭部MRI検査を行った.MRI上推測される髄鞘化の範囲は, 症例1では脳幹・小脳・内包・視放線・放線冠の近位部まで認めたが, 症例2~4では髄鞘形成はほとんど認められなかった.脳内髄鞘化の範囲は経時的MRI検査において変化がなく, 症例1では髄鞘化が生後まもなく停止し, 症例2~4では髄鞘化が出生以前からほとんど起こらないと推測された.症例1と症例2~4のMRI所見は, 従来報告されてきたclassical formとconnatal formの脳病理像に一致すると考えられた.
  • 鈴木 文晴, 礒 文子, 石川 充
    1993 年 25 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都国分寺市 (人口約10万人) において, 1985~89年の5年間の出生5,475名を対象に脳性麻痺, 重症心身障害, Down症候群の発生率の調査を行った.保健所を中心に, 通園施設, 市役所保健課, 医療機関などを調査し, 症例の確認を行った.3疾患の確認症例数と出生千あたりの発生率とは以下のようであった.脳性麻痺11例, 2.01, 重症心身障害 (全例脳性麻痺と重複) 6例, 1.10, Down症候群11例, 2。01.脳性麻痺の原因の半数は出生前にあった.Down症候群の母親の出産時の平均年齢は33歳7月であった.今回の調査結果の3疾患の発生率はいずれも本邦で過去において報告された率よりも高く, 今後一層の発生予防策の検討が必要である.
  • 安元 佐和, 満留 昭久, 緒方 博子, 大府 正治
    1993 年 25 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児の特発性末梢性顔面神経麻痺 (ベル麻痺) 患者28例に顔面神経伝導検査および17例に眼輪筋反射を施行した.顔面神経伝導検査では, 直接反応電位の健側でのM波振幅を100%とし患側の健側に対するM波振幅比率を検討した.0%3例, 25%以下9例, 26~50%7例, 51%~75%5例, 76%以上4例で患側における振幅の低下が特徴であり, 予後良好な例ではM波振幅比率が早期に改善する傾向があった.眼輪筋反射では患側刺激における反応のタイプをType I (患側R1R2健側R2が出現) 6例, Type I (患側R2が出現しない) 2例, Type III (患側健側R2が出現しない) 2例, Type IV (健側のR・のみが出現) 3例, Type V (両側無反応) 4例に分類した.Type Iでは2カ月未満で治癒する例が多く予後良好であった.顔面神経伝導検査および眼輪筋反射は小児の特発性末梢性顔面神経麻痺において病初期より経時的に施行すればその予後判定に応用しうると考えられる.
  • 石崎 朝世, 久保田 雅也, 笛木 昇, 篠崎 昌子, 倉田 清子, 武井 満, 坂本 皓哉
    1993 年 25 巻 1 号 p. 26-32
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期無酸素性脳症が明らかな重度重複障害児・者58例 (男30例, 女28例, 8カ月~65歳) につき, 運動および知的能力の変化, 全身状態の変化および死亡とこれらへの影響因子を検討した.運動能力低下は11例 (歩行→ ねたきり3, 歩行→ 坐位1, 支持立位→ 坐位2, 坐位→ ねたきり2, ねたきりで移動可→ 移動不可3), 年長での能力向上が4例, 知的能力低下は運動能力低下例のうち4例, 向上は全身状態改善の1例に認めた.坐位以上レベルからの退行ではてんかんと抗痙攣剤, 坐位不可レベルの更なる退行では全身緊張・変形の関与が疑われた.全身状態が悪化する時期を15例に認め, 全例呼吸障害が前景に立った.死亡例は状態悪化時期死亡6例を含む12例.全身状態悪化と死亡は, 特にねたきりで移動不可の例に起き, 重症度の高い順に乳幼児期, 思春期, 青年期に起こった.
  • 根岸 宏邦, 李 容桂, 西野 昌光, 伊東 恭子, 河合 伸二, 高田 哲, 横山 直樹
    1993 年 25 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    成熟新生児頭蓋内出血41例を神経学的予後良好群と不良群に分け, それらの新生児期に記録した聴性脳幹反応 (ABR) を正常成熟新生児のものと比較検討した.
    各波潜時の平均値は, I波では, 正常群, 予後良好群, 不良群となるに従い有意に延長しており, III波, V波では, 正常群と頭蓋内出血群では後者が有意に延長していたが, 予後良好群と不良群の間に有意差は無かった.
    I-V波間潜時は各群間に有意差は無かった.V/I波振幅比が1.0未満を示す症例の頻度は, 予後不良群で10例中9例 (90%) であり, 予後良好群 (22.6%) に比し, 有意に高頻度で, 各波潜時よりも予後の判定により有用と考えられた.しかし新生児期に異常を呈したABRが日時の経過と共に正常化することがあり, 予後の判定には新生児期早期のABRが有用である.
  • 山本 仁, 江川 文誠, 堀口 久美子, 加久 晶子, 山田 兼雄
    1993 年 25 巻 1 号 p. 40-44
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児から7歳までの神経学的に正常な32人の児より脳脊髄液 (CSF) を採取し, CSF内の主要な神経伝達物質およびその代謝産物濃度をHPLCにて測定した.またそれを成人のCSFより得られた結果とも比較した.加齢に伴う有意な濃度の変化が, CSF内tryptophan (TRP), 5-hydroxyindoleacetic acid (5-HIAA), kynurenine (KYN), tyrosine (TYR), L-dihydroxyphenylalanine (L-DOPA), dopamine (DA), homovanillic acid (HVA) および3-methoxy-4-hydroxyphenylglycol (MHPG) において認められた.CSF内serotoin (5-HT) および3-hydroxykynurenine (3-OHKY) 濃度については加齢による変化は認められなかった.
    CSF内の主要な神経伝達物質およびその代謝産物濃度が加齢に伴い特徴的に変化することがわかった.
  • 前垣 義弘, 前岡 幸憲, 木村 正彦, 吉野 邦夫
    1993 年 25 巻 1 号 p. 45-51
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) 20例を感染頻度で2群に分け, それぞれのNK細胞活性 (NK) を測定した.頻回感染群ではNKは有意に低値であった.頻回感染群は%摂取カロリー (摂取カロリー/エネルギー所要量×100,%Ca1) が低く, Rohrer指数が低い傾向にあった.血清アルブミン (Alb) と鉄 (Fe) は頻回感染群で有意に低値であり, ヘモグロビン (Hb), 血清亜鉛 (Zn) は有意差はないものの低い傾向にあった.NKは%Cal, Alb, Zn, Hbと正相関がみられた.NK低値であった6例に栄養補充を行い4例にNKの改善がみられた.以上より頻回に感染症に罹患する重症心身障害児 (者) は栄養障害が強く, NKも低値を呈する症例が多かった.NK低下の原因に栄養障害の存在が示唆された.
  • 林 雅晴, 長谷川 毅, 早川 恵子, 岩川 善英
    1993 年 25 巻 1 号 p. 53-58
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    突発性発疹症で熱性けいれんが初発し抗けいれん剤の持続投与を受けた12例の長期的予後を検討した.熱性けいれんまたは無熱性けいれんの家族歴は半数が陽性で, 1例では同胞も突発性発疹症罹患時に無熱性けいれんが重積し麻痺を残していた.12例は臨床経過より・解熱後無熱性けいれんが頻発した2例, 突発性発疹症後熱性けいれんが頻発し脳波異常を高率に示した6例, 突発性発疹症後数年してからてんかんに移行した1例, 突発性発疹症時のみてんかん移行の危険因子を3つ以上有する熱性けいれんがみられ脳波異常を示さなかった3例の4群に分けられた.1例で後遺症として片麻痺がみられたが他の11例は突発性発疹症後の発達は正常であり, また12例中5例で休薬が可能であったことより, 重篤な合併症が生じない限り突発性発疹症時に発症する熱性けいれんの長期の神経学的予後は悪くないものと考えられた.
  • 宮嶋 智子, 栗原 栄二, 水野 美彦, 玉川 公子, 小宮 和彦
    1993 年 25 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発症時に神経精神医学的に異常のないてんかんの小児175人を対象とし, てんかんの種類および発作の好発時間でグループに分け, 予後について検討した.その結果, 部分てんかん (107人) の方が全般てんかん (56人) よりも発作の予後がよく, 睡眠てんかん (62人) の方が覚醒てんかん (101人) よりも予後がよかった.睡眠てんかんの大部分 (95%) は部分てんかんで, それらは中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BECT) の36人およびそれ以外の23人とも予後が良好であった.反対に小児欠神てんかん以外の覚醒時の全般てんかんは予後が不良であった.最終追跡時に知能障害がみられたものは11人で, 発症が3歳以下で, 非定型欠神発作および/またはミオクロニー発作をもつものが多かった.てんかんの予後を考える上で, てんかん類型およびてんかん症候群の診断は当然のこととして, 臨床発作の好発時間帯を把握することは重要と考えられた.
  • 須永 康夫, 大塚 隆幸, 藤永 隆
    1993 年 25 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は環軸椎亜脱臼により, 高位頸髄圧迫症状を呈し, MRIにより確定診断出来たDown症候群の3歳女児の症例を経験した.
    症例は, 呼吸困難と四肢の筋緊張低下を主訴に, 小児科入院となった.蛙肢位を呈し, 呼吸は浅く, 血液ガスでは, pH7.371, PO274.6mmHg, PCO252.6mmHg, BE3.5と呼吸性アシドーシスの所見を認めた.前屈位, 後屈位の頸椎側面レントゲン写真より, 環軸椎の前方亜脱臼を認めたため, 四肢の筋緊張低下および呼吸困難は, 高位頸髄圧迫症状によるものと推察した.頸髄MRIを施行したところ, C1からC2にかけての頸髄の著明な圧迫所見を認めた.環軸椎の亜脱臼をきたし脊髄の圧迫症状を呈したとする報告は, 幼小児期ではまれである.
    Down症候群に環軸椎不安定性が高率に合併することは, 文献的にも知られた事実である.したがって, Down症候群の患児を扱う場合, このような潜在的な危険性を, 有している事実を常に考慮すべきであると考える.
  • 渡辺 幸恵, 石川 幸辰, 若井 周治, 舘 延忠, 千葉 峻三
    1993 年 25 巻 1 号 p. 70-75
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期に発症した多発性硬化症で, 発病後2年目から慢性脱髄性多発根神経炎を合併した症例を報告した.患者は9歳時Devic病の徴候をもって発症し, 10歳時に片麻痺・小脳失調症状が出現し, 多発性硬化症と診断された.11歳時には上下肢の筋力低下と知覚障害, および四肢の腱反射の消失が認められるようになり, 神経伝導速度と神経生検の結果, 脱髄性末梢神経障害が明らかになった.以後中枢神経症状と末梢神経症状は再燃を繰り返し, 多発性硬化症に慢性脱髄性多発根神経炎を合併した症例と診断した.多発性硬化症に脱髄性末梢神経障害を合併する例は極めて少なく, 脱髄病変発現機序を明らかにする上で興味深い症例と考えられた.
  • 鍋谷 まこと, 常石 秀市, 久呉 真章, 小西 英己, 山崎 武美
    1993 年 25 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    生後2カ月時にてんかん発作にて発症した後天性サイトメガロウイルス (以下CMV) 感染症の一女児例を経験した.後天性CMV感染症は母親よりの移行抗体を持つ新生児の場合, 一般に不顕性である.本症例は母親よりの移行抗体を持っていたにもかかわらず脳梗塞を呈し痙攣重積を伴った.しかもその後数年にわたり徐々に著明な脳萎縮が進行した.また生後9カ月時CMV感染の再活性化を認めた.後天性CMV感染症でこのように長期にわたり進行する著明な脳萎縮を伴った脳炎の報告例は本邦ではなく貴重な症例と考えられたので報告する.
  • 舘野 昭彦, 森澤 啓一郎, 小屋 二六, 藤岡 芳美, 池田 憲
    1993 年 25 巻 1 号 p. 81-86
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Action myoclonus, dystonia, 精神遅滞を主症状とし, 変性疾患が疑われた19歳女性例を経験した.歯状核赤核系, 基底核, 脊髄前角細胞~ 前根等の障害が推定され, 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症や変性型ミオクローヌスてんかんとの異同を中心に検討を加えた.画像診断においても有意な所見はえられず, 現時点ではaction myoclonusを伴い, 巨大SEPを持ち, 臨床的に今までの疾患概念にあてはまりにくい変性疾患による進行性ミオクローヌスてんかんと診断した.
  • 堀田 秀樹, 前川 喜平
    1993 年 25 巻 1 号 p. 88-90
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Down症候群の男児が13歳の時視力低下を主訴に来院, 頭部CTで両側側脳室後角周囲の白質が広範囲に低吸収域を呈し, 点状の石灰化も認めた.頭部MRIではT1強調画像で同部位の低信号域, T2強調画像で高信号域を認めた.全身の色素沈着はみられなかったが, 副腎機能不全の徴候を認めた.血清の極長鎖飽和脂肪酸は高値を示し, adolescent adrenoleukodystrophy (ALD) と診断しえた.患児の染色体は21トリソミーを示す以外問題なく, かつALDの家族歴があることから, Down症候群に偶然ALDが併発したと考えられた.
  • 長浦 智明, 隅 清臣
    1993 年 25 巻 1 号 p. 90-92
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    左右の視神経炎をくりかえし, 多発性硬化症と思われる10歳女児例を経験した.MRIでは異常を認めなかったが, 誘発電位検査で異常を認めた.本症例において, 経時的なVEP (visual evoked potential) 検査は治療効果や再発の評価に有用であり, 治療計画をたてる上で参考になると考えられた.
  • 小坂 仁, 木村 清次, 根津 敦夫, 山崎 伸, 大西 秀樹, 井上 健, 小林 拓也, 佐野 正
    1993 年 25 巻 1 号 p. 92-94
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳幹および小脳症状にて発症したミトコンドリア脳筋症の8歳男児例を報告した.全方向性眼球運動制限, 眼瞼下垂, 網膜色素変性, Wolf-Parkinson-White症候群を呈した.MRIで小脳萎縮を, 筋生検にてragged red fiberと, cytochrome c oxidase部分欠損を認めた.Coenzyme Q10による治療後, 易疲労性が改善し, 心電図上のデルタ波が不明瞭化した.本症例は, 臨床的にはKearns-Sayre症候群に類似したが, 早期より小脳萎縮を認め, 筋ミトコンドリアDNAの欠失を認めなかった.
  • 鈴木 文晴, 松井 潔
    1993 年 25 巻 1 号 p. 95
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 野村 芳子, 冨井 直樹
    1993 年 25 巻 1 号 p. 97-98
    発行日: 1993/01/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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