脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
25 巻 , 2 号
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 福山 幸夫
    1993 年 25 巻 2 号 p. 106
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 有泉 基水
    1993 年 25 巻 2 号 p. 107-113
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    免疫グロブリンの中枢神経組織に対する親和性はすでに証明されている.本研究はヒト発達剖検脳におけるIgG, IgG subclass, IgAおよびIgMの生理的な脳組織内局在を年齢別, 脳の領域別に示した.IgG染色陽性神経細胞は1歳未満の乳児では大部分に認められたが, 1歳代で減少し, 3歳以降では小脳Purkinje細胞以外の領域ではほとんど陰性を示した.乳児期においてIgG subclassおよびIgAは全ての領域で認められたが, IgMは小脳, 脳幹および基底核を除き大脳皮質領域ではほとんど陰性であった.これらの所見は免疫グロブリンが未成熟な血液脳関門を通り, 神経細胞やグリア細胞内に生理的に取り込まれることを示唆し, 脳の発達過程にらかの影響を及ぼしていると考えられる.
  • 横山 三男
    1993 年 25 巻 2 号 p. 114-121
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神経系と免疫系とは, これまで独立した機能系として解析されていたが, 最近になって, これら2つの系では, 相互に情報の交換が行われていることが明らかにされた.
    神経系からの神経伝達物質には, 免疫系の機能を調節する作用のあることが判明し, 反対に, 免疫系からの免疫調節物質には, 神経系の機能を調節する作用のあることが判明した
    すなわち, 神経系と免疫系とには, 二方向性の対話が行われ, 相互に機能を調節している.
  • 大塚 親哉, 阿部 敏明
    1993 年 25 巻 2 号 p. 122-123
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    The analytical methods of nucleic acids are excellent tools to find virus antigens in various tissues, such as CSF, blood and brain ; polymerase chain reaction (PCR), restriction fragment length polymorphisms (RFLP) and hybridization techniques. Antigens can be isolated from cellular and/or supernatant fractions of the CSF of patients with common viral infections. The latter means the possible infection of virus in the nervous system, however, the former depends on the species of isolated cells. If the infected cells are the brain cells and/or endothelial cells of the ventricular system, viral infection in the nervous system is inferred. On the contrary, if they are blood cells, macrophages or monocytes, further studies of EGG, cytokine assay and other clinical and laboratory tests are necessary for the diagnosis of the nervous system infections.
  • 森島 恒雄
    1993 年 25 巻 2 号 p. 124-127
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本邦における単純ヘルペス脳炎の現況を述べた.本症は致命率10~20%と高く, 生存例も重い神経後遺症を残す.また, 頻度も急性ウイルス性脳炎の中で第3位を占め, 年間100~200例発症すると考えられる.早期診断としては, 髄液中のHSV DNAのPCR法による検出が最も有用と考えられた.現在, ほぼ全例で抗ウイルス剤が使用されているが, このPCR法は定量的に治療効果の判定にも役立つことが示唆された.
  • 椎原 弘章
    1993 年 25 巻 2 号 p. 128-134
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    水痘・帯状疱疹ウイルスによる神経合併症について臨床的に検討し, その発症機序について考察を加えた.水痘による神経合併症はまれであるが, 中には重篤なものもあり予後は必ずしも良くない.急性期, 遅発性の合併症ともにウイルスの直接的な侵襲による可能性があるとする報告が最近多くみられる.帯状疱疹髄膜炎においては, 中枢神経系内での著明な特異抗体産生がみられる.帯状疱疹による神経合併症では髄液や神経組織からウイルスや抗原が検出された例が多く報告され, 発症機序としてウイルスの直接侵襲が示唆される.治療にはacyclovirなどの抗ウイルス剤が必要であり有効である.合併症, 帯状疱疹を減少させるためにも, 予防接種の普及が望まれる.
  • 堤 裕幸
    1993 年 25 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    札幌医科大学小児科において過去7年間で42例のEpstein-Barrウイルス (EBV) 感染症を経験したが, そのうちの8例, 19%に神経症状の合併をみた.それらのうち, 神経症状の急性期における髄液が保存されていた5例について, 髄液中のEBVゲノムの検出を高感度PCR法によって試みたところ, 全例に検出できた.また, 髄液中にEBV関連抗体が存在することも確認できた.これらのことは, EBV感染症における神経症状の発現が, EBVの中枢神経組織に対する直接侵襲, あるいは抗体を巻き込んだアレルギー反応など, EBV自体が深く関わったものであることを強く示唆しており, 今後EBVの中枢神経系に対する病原性に注目する必要があると考えられた.
  • 平岩 幹男
    1993 年 25 巻 2 号 p. 141-145
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    omegalovirus (CMV) 感染症の診断・治療は大きく進歩してきた.ウイルス学的診断は血清抗体価の測定からウイルス分離, PCRの応用によるCMV・DNAの検出と進歩し, 治療面でもgancyclovirが市場に供されるようになった.先天性CMV感染症は古くから知られている疾患で, 現在でもわが国で毎年300~500人の症候性感染児が出生していると考えられるが, 有効な治療法はなく予防策も確立していない.その他の神経疾患としては点頭てんかんが病因, 治療を巡ってCMVとの関連を取り上げられており, 最近髄液からPCR法の応用によりCMV・DNAを検出したと報告が出た.またRasmussen症候群についてもCMVの関与が疑われている.
  • 山西 弘一
    1993 年 25 巻 2 号 p. 146-150
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6) は1986年に初めて発見され, 1988年に突発性発疹 (ES) 患者の急性期末梢血より高率にウイルスが分離されること, 抗HHV-6抗体が回復期に上昇することよりESの原因ウイルスであることが判明した.このウイルスは生後早い時期に主として唾液を介して母から子供へ水平感染が考えられる.またES時に大泉門の膨隆や熱性痙攣が見受けられた患者の脳脊髄液 (CSF) より高率にHHV-6DNAが検出され, 更にそれ以後たびたび熱性痙攣を経験した患者CSFよりHHV-6DNAが検出されたことより, HHV-6の神経臓器親和性が示唆される.HHV-6はES等の初感染の後にマクロファージに潜伏感染し, 後に再燃することが考えられる.
  • 金子 堅一郎, 金沢 千佳子, 井上 成彰
    1993 年 25 巻 2 号 p. 151-155
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中枢神経ウイルス感染症の原因では現今, ポリオ以外のエンテロウイルス (EV) 属が主要であり, 特に無菌性髄膜炎では大部分を占める. このEV髄膜炎の臨床上の問題点を経験例を中心に検討した結果, 1) 髄膜炎三徴候を全て呈するのは年長児でも50%程度であり, 新生児では発熱のみが主症状であった. 2) 髄液増多細胞は, 第3病日までは多核球優位が半数以上であった. 3) 原因ウイルスは髄液から高率 (70%) に分離された. 4) 1歳以上の発症例では臨床的・検査上とも後遺症を認めなかった. 新生児・乳児早期発症例では一過性脳CT異常が約40%にみられ, 言語発達の遅れが約30%にあり, 中枢神経発達期の発症例の予後はさらに検討を要する.
  • 牛島 廣治, 渋谷 温
    1993 年 25 巻 2 号 p. 156-162
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    acute progressive encephalopathyの小児の一例を提示し, AIDSの神経病理, および生物学的メカニズムについて考察した.脳でのウイルスの直接証明はmacrophage, microglia, astrocyteで見出されているが, 神経細胞では間接的にgp120によるapoptosisがencephalopathy の原因の一つと推測された.
    母児感染の疫学, 診断, 予防およびその問題点について触れた.AIDS胎芽病については今後, 症例を増やし検討する必要が考えられた
  • 今村 重孝, 坂井 多恵子
    1993 年 25 巻 2 号 p. 163-168
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    急性散在性脳脊髄炎の1歳2カ月の女児の1例を経験した.上気道炎症状に続いて運動障害, 知的低下が発現した.ステロイド投与により症状の改善がみられたが, ステロイド減量中の9週後に髄膜刺激症状を伴って神経, 精神症状が再燃した.再度のステロイド投与と理学療法により, 1年6カ月後には, 知的には全く正常で, 左下肢の筋力低下による軽度の跛行が残っているだけの良好な回復を示した.画像診断で両側の大脳白質およびその周辺に広範な対称性病変が見られたこと, 2歳以前の発症 (本邦最年少) であったことが注目される.
  • 東條 恵, 新田 初美, 松井 俊晴, 中野 徳, 渡辺 渡
    1993 年 25 巻 2 号 p. 169-174
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    空腸膜様狭窄による巨大十二指腸に伴い極めて重篤な神経症状を呈した4歳6カ月の男児を報告する.乳児期より反復性嘔吐を繰り返し, 2歳過ぎより神経症状は寛解, 増悪を繰り返していた.4歳6カ月で歩行不能となり入院.血液検査にてmultiple vitamin deficiency (B1, B2, B6, E) を示した.少量のビタミンB1投与で筋力低下, 眼振, 仮面様顔貌などはすみやかに改善.治療経過よりビタミンB1欠乏による神経症状と考えられた.頭部CTでは一過性の被殻の低吸収域を入院半年前に示し, その後軽快していた.ビタミン欠乏の原因として食物の停滞とビタン吸収障害の関連が考えられたが最終的には不明であった.
  • 和田 博子, 劉 亜梅, 木藤 嘉彦, 成田 奈緒子, 西尾 久英, 松尾 雅文, 中村 肇, 伊東 宏
    1993 年 25 巻 2 号 p. 175-178
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    多発性関節拘縮を示した児の筋について組織学的検討を加え, 大群萎縮のWerdnig-Hoffmann病様の神経原性筋萎縮所見を認めた.しかし非萎縮筋・萎縮筋ともに筋線維のタイプ分類では, 大部分の筋束でタイプ2A線維優位と幼若なタイプ2C線維の異常な増加を認めた.本例は, 胎児期早期に生じた筋の神経支配の脱落あるいは異常による筋の分化・成熟の異常が, 伸筋.屈筋群の筋緊張の不均衡をもたらし, 多発性関節拘縮を惹起したものと思われた.
  • 伊東 茂子, 下泉 秀夫, 宮尾 益知, 柳澤 正義
    1993 年 25 巻 2 号 p. 178-180
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重度の中枢神経症候を呈し, 特徴的な画像所見を示した先天性サイトメガロウイルス感染症の小児を経験した.症例は頭部超音波検査および頭部CTで石灰化像を認め診断に至った.MRIでは脳回異常, 脱髄, 髄鞘化遅延などの脳実質病変が明瞭に認められ, これらの所見は, 組織破壊と形成異常によると考えられた.また, 今までに本症の脳血管造影の報告はないが, MR angiographyにて血管異常を認め, ウイルスの神経細胞への直接浸潤のみならず, 脳血流障害と脳形成異常との関連が疑われた.
  • 大平 貴彦, 東 明正, 松田 一郎
    1993 年 25 巻 2 号 p. 180-183
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5例の年齢依存性てんかん性脳症に新しいベンゾジアゼピン系薬剤であるロフラゼプ酸エチルの使用を試み, 全ての症例において発作抑制の著明改善を認めた.1例は易興奮性, 不機嫌などの行動異常が出現したため, 2カ月で投与を中止した.全例, 投与開始時より眠気, ふらつきなどの副反応は見られず, また生化学的異常も認めなかった.ロフラゼプ酸エチルは, 他のベンゾジアゼピン系薬剤が無効かまたは有効であっても副反応の強い症例に対し副反応軽減を目的として使用してみる価値のある薬剤と考えられる.
  • 布施 孝久, 高木 卓爾
    1993 年 25 巻 2 号 p. 183-185
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    モヤモヤ病が疑われた9歳の女児に123I-amphetamineによる, acetazolamide (AZA) 負荷SPECTを施行し, 脳血管の機能異常がより明確になった.虚血発作を主体とするモヤモヤ病では循環予備能をみる本検査法は, 本疾患の診断や手術適応を決める上でも有用であると考えられた.
  • 小西 行郎
    1993 年 25 巻 2 号 p. 186-187
    発行日: 1993/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top