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長畑 正道
1993 年 25 巻 3 号 p.
206
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
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正常児との比較
本郷 和久, 小西 徹, 長沼 賢寛, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
1993 年 25 巻 3 号 p.
207-214
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
てんかん児150例 (特発性全般てんかん;IGE 27例, 特発性部分てんかんIPE 30例, 症候性部分てんかん;SPE 60例, 潜因性部分てんかん;CPE 33例) の覚醒閉眼時脳波 (01導出) をパワースペクトル分析し, 脳波基礎波活動の年齢的発達特徴を正常児48例を対照に比較検討した.正常児では, 年長になるにつれて徐波成分の減少, α2, β2の増加を認めた.一方てんかん児では, 正常児に比較して徐波成分が多く, α2成分が少ない傾向を認めた.また, 各てんかん症候群により異なった発達を示し, IGE, IPE, CPE, SPEの順に正常児に近い年齢的発達を示した.また, てんかん児の脳波基礎活動に影響を及ぼす因子としては, 年齢, 発作予後, 抗痙攣剤が重要であると考えられた.
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投与量の検討
羽賀 淑子, 渡辺 一功, 根来 民子, 麻生 幸三郎, 鬼頭 正夫, 前田 規秀, 大木 隆史
1993 年 25 巻 3 号 p.
215-220
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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ACTH療法を施行したWest症候群50例において, ACTHの短期効果を, 通常投与量群 (0.025mg/kg/day) と少量投与群 (0.015mg/kg/day) に分類し, さらに投与量と推定成因から通常量投与潜因性群, 通常量投与症候性群, 少量投与潜因性群, 少量投与症候性群の4群に分類して検討した.臨床発作に対する効果は, 潜因性群では差を認めなかったが, 症候性群では少量投与群の方が有効率が高かった.また潜因性群では, 全例において発作の再発は認めなかったが, 症候性群では通常量投与群の方が再発率が高く, 副作用も多く認められた.通常量投与症候群で短期効果が悪い傾向が見られたのは, 出生前要因が基礎疾患となっている症例が多かったためと推測される.
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永井 秀之, 池野 知康
1993 年 25 巻 3 号 p.
221-226
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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寝ぼけとみられる睡眠障害の5例を既往歴, 発作歴, 発作型, 頭皮脳波, 臨床経過について検討した.3例はてんかん性, 2例は非てんかん性と診断した.非てんかん性の2例はともにてんかんと診断されていた.発作型は両群とも身振り自動症と考えられるものであり, 臨床発作のみの観察では鑑別は困難と考えられた.覚醒時の発作はてんかん群のみにみられたが, 睡眠時発作より遅れて出現しているため早期診断の参考にならないと考えられた.最終診断は発作時脳波であった.非てんかん患児は, 覚醒反応と考えられるものであり, てんかん患児は前頭限局性棘波律動と前頭部優位の速波で起始した.
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長沼 賢寛, 小西 徹, 本郷 和久, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
1993 年 25 巻 3 号 p.
227-232
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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4~20歳のてんかん131例を対象に聴覚事象関連電位P300を測定し, 臨床症状および経過, 脳波, CT所見などの各種要因がP300潜時にどのように影響しているかを, 重回帰分析を用いて検討した.
P300潜時に影響を与えるものとして, 1) 検査時年齢: 年齢とともに短縮する. 2) 治療経過: 抗けいれん剤中止後に対して持続投与中, 未治療時では延長する. 3) てんかん症候群: 症候性部分てんかんでは延長する. 4) 脳波基礎波活動: α2出現量が多いと短縮する. 5) 罹病期間: 長いものほど延長する. の5つの要因が示唆された.
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佐藤 博司, 杉江 秀夫, 杉江 陽子, 伊藤 政孝, 鶴井 聡, 五十嵐 良雄, 石川 丹
1993 年 25 巻 3 号 p.
233-236
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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ミオグロビン尿症を来した3例の重症心身障害児の筋カルニチンを測定した.筋カルニチンは3例とも低値であり, 1例で著明に低値であった.また, 比較のため22例の重症心身障害児・者の血清カルニチンを測定した.血清カルニチンは全体に低値であり, 経管栄養児で特に低下していた.筋肉中, 血清中のカルニチンの低下は, 発熱などのストレスの際に起こるミオグロビン尿症の誘因となりうるため, 矯正すべき病態と考えられた.
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町田 裕一, 矢野 ヨシ, 鈴木 文晴, 平山 義人, 新井 幸男
1993 年 25 巻 3 号 p.
237-239
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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平成3年9月現在, 群馬県内に保護者が在住する小・中学校在籍児童生徒およびその相当年齢児の重症心身障害児の実態調査を行った.調査には, 県教育委員会, 重症心身障害児施設, 肢体不自由児施設, 国立療養所, 県中央児童相談所の協力を得た.
大島の分類1~4に該当する重障児の総数は133名であり, このうち4名が県外施設入所児であった.保護者, 対象児とも県内在住に限ると129名となり, この年齢層の有病率は, 1,000: 0.55となった.
男59名, 女70名, 施設入所児 (国立療養所を含む) 53名, 在宅療養児76名, また, 6~7歳が34名で全体の26.4%に当たり最も多かった.重症度では大島の分類1が94名と多数を占めた.
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板東 邦秋, 和智 明彦, 佐藤 潔
1993 年 25 巻 3 号 p.
240-247
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
フリー
未治療および短絡管機能不全にある乳児水頭症例の髄液圧, 頭蓋内圧容積関係 (PVI), 髄液吸収抵抗 (Ro), 並びに髄液吸収圧 (Abs) 等を測定し, これらが, 治療の前後で如何に変化するかを患児の臨床像や脳室拡大の変化と併せて対比検討した.その結果, 術前にRoおよびAbsが高値を呈した症例では, 脳室腹腔短絡術 (V-P shunt) 後に神経症状と脳室拡大が改善すると共に, これらの指標の値は正常値に近づいた.この知見よりRoとAbsの測定はV-Pshuntの効果を予測する上で有効であると考えられた.一方, V-P shunt有効例のうち, 術前のみならず術後のPVI値もpredicted PVI value (PVIの予測正常値) より高い値を呈した3例では, 術前に頭蓋内圧容積関係が非可逆的状況にあったものと考えられた.しかし, この様な症例でも, 脳室腹腔短絡術の適応がないと断定することは出来ないことを論じた.
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診断におけるMRIの有用性
高梨 潤一, 杉田 克生, 石井 光子, 井合 瑞江, 後藤 実千代, 田辺 雄三, 新美 仁男
1993 年 25 巻 3 号 p.
248-252
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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モヤモヤ病, および環軸椎不安定性による脊髄圧迫症状を合併したDown症候群の第1例を報告した.頭部MRIでは梗塞像, 内頸動脈, 中大脳動脈の閉塞, 基底核周辺のモヤモヤ血管が描出され, モヤモヤ病を疑う有力な根拠となり得た.脊髄MRIでは矢状断に加え水平断を撮像することにより, 単純写真では判明しない頸髄の圧迫の程度や左右差を明瞭に描出し得た.
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鬼頭 正夫, 麻生 幸三郎, 大木 隆史, 前田 規秀, 羽賀 淑子, 根来 民子, 渡辺 一功
1993 年 25 巻 3 号 p.
254-258
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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シリーズ形成を伴うtonicspasmsを示し, 脳波上suppression-burst patternが持続してみられた症例を報告した.ビデオー脳波同時記録では, 発作に一致して多棘波, 鋭波が先行する全般性高振幅徐波を認めた.てんかんの発症は生後1カ月8日であり, 経過中ミオクロニー発作を含めて他の発作型は全く認められなかった.経時的に記録された発作問欠時脳波で認められたsuppression-burstは, てんかん発症前には, てんかん放電が乏しい部分もみられ, てんかん発症後も, suppression部分が1~120秒と長く, 不規則であった.本症例はsuppression-burstを伴う早期乳児てんかん性脳症の非定型例と思われた.
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井合 瑞江, 田辺 雄三, 堀江 弘, 鈴木 新, 高嶋 幸男
1993 年 25 巻 3 号 p.
259-262
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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23週, 700gで出生した超未熟児で10カ月時に心停止のエピソードを有する4歳6カ月男児の脳病理所見とMRI所見について検討した.病理では未熟児に特徴的な脳室周囲白質軟化症と心停止脳症によると思われる皮質をも含む広汎なグリオーシス, 基底核, 小脳, 海馬病変および瘢痕脳回形成などが同一症例に認められた.MRIではT1とT2強調像はそれぞれ髄鞘とグリオーシスの所見と一致し, 白質軟化, 瘢痕脳回および線条体病変をよく反映していた.
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石川 丹, 田中 志保子, 福島 直樹, 高瀬 愛子, 我妻 義則, 菊田 英明, 東 寛
1993 年 25 巻 3 号 p.
263-266
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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Guillain-Barr6症候群の2歳男児にγ-グロブリン19/kg/dayを2日間投与し著効した.投与開始後6時間で下顎呼吸消失, 翌日は握力が回復し, 終了後3日で坐位が, 9日でつたい歩きが, 25日で独歩が可能となった.投与直前48μg/m
lと軽度上昇していた血中免疫複合体 (抗Clq抗体法) は投与後10日で95μg/m
lと著しく上昇した後, 徐々に低下し37日で正常化した.
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井口 敏之, 伊藤 康彦, 浅井 雅美, 伊藤 仁, 岡田 暹, 村上 真由美
1993 年 25 巻 3 号 p.
267-270
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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特発性脊髄硬膜外血腫はまれな疾患であるが, その診断にMRIは重要な役割を果たす.今回我々は1歳2カ月の当該疾患女児例を経験した.歩行障害を主訴に来院し, 髄液中の蛋白増加と脊髄MRIT
1強調画像にて胸髄 (Th3-Th6) を後方から圧迫する髄外高信号域を認め, 脊髄硬膜外血腫の疑いにて緊急手術を行った.基礎疾患や外傷の既往はなく, 術中所見, 病理組織学的検索より特発性脊髄硬膜外血腫と診断した.予後は良好であった.MRIは本例の病態とその病巣局在を決定するに当り非常に有用であった.
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市場 尚文, 瀧川 弘敏
1993 年 25 巻 3 号 p.
271-276
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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感染などを契機に発作が突然消失した続発全汎てんかんの2症例を報告した.
症例1はWest症候群後遺状態の4歳児で, ウイルス肺炎を契機に3年以上, 点頭・失立発作が消失したのみならず, 脳波上のてんかん波も消失したままである.症例2は急性脳症後のLennox-Gastaut症候群の6歳児で, 不眠, 食欲低下, 昏迷状態が3日間続いた後, tonicspasmsなどの発作が消失し, 脳波上のてんかん波も著減した.ただし, 9カ月後, phenytoinの減量を契機に発作は再発した.
感染などを契機に発作が消失した報告症例をもとに, 急激に発作が消失した機序を考察した.症例2では, ケトン食療法類似の機序とphenytoinの薬物動態の変化が主要な要因と考えられたが, 3年以上発作.脳波が抑制されたままの症例1の要因は不明で, 同様の症例を集積した上での検討が必要であると考えられた.
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臨床的特徴ならびにCT経過
前垣 義弘, 小枝 達也, 河原 仁志, 竹下 研三
1993 年 25 巻 3 号 p.
277-282
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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Theophyllineによる喘息治療中にけいれん重積, 意識障害をきたし, 重度の神経学的後遺症を残した2小児例を経験した.症例は2歳と4歳の男児でいずれも熱性けいれんの既往があり, 1例は発症前に軽度発達の遅れが認められた.1例はtheophyllineのround the clock療法中に, 1例は喘息発作にて持続静注中にけいれんが出現した.けいれん発生から数時間後のtheophylline血中濃度はいずれも治療域以下であった.CT大脳皮質は瀰漫性に低吸収となり1例は第10病日, もう1例は第19病日にピークに達し, 低吸収所見が遷延した.これらのCTの変化はその他の急性脳症のCT経過と異なっておりtheophyllineに関連した脳症の特徴と思われた.
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吉村 加与子, 浜田 文彦, 森田 英雄, 倉繁 隆信
1993 年 25 巻 3 号 p.
283-288
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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著者らは, 一卵性双生児の双方で非定型欠神発作と夜間の部分発作を併わせ持つ症例を経験した.双方とも, 覚醒時発作時脳波で, 頭頂部, 側頭部優位の全般性棘徐波複合が認められ, 覚醒時の発作問欠期脳波では, 頭頂部および側頭部に焦点性棘波がみられた.睡眠時の発作間欠期脳波では, 同部位優位であるが時に全般化する棘徐波複合が持続性に認められた.臨床像, 脳波所見から本症例は, atypical benign partial epilepsy (ABPE) であると考えられた.一卵性双生児の双方にABPEが発症したという報告は著者らが検索した範囲ではなく, 本症候群の遺伝素因発生機序を考えるうえで重要な症例と考えられた.
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尿中カルシウム/クレアチニン比と粗大運動能力の関係について
小林 治, 花岡 繁, 須貝 研司
1993 年 25 巻 3 号 p.
289-291
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
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残存運動機能の異なる重症心身障害児28例の尿中カルシウム (Ca), 尿中クレアチニン (Cr) を測定し, 早朝尿の尿中Ca/Cr (U-Ca/Cr) と粗大運動能力との関係を検討した.U-Ca/Crは寝たきり群で対照群に比べ有意に高値を示した (
p<0.05).またU-Ca/Crが全群中の最高値である0.638であった寝たきり群の一例では左腎に結石と尿管結石がみられ, 水腎症による腎機能低下をきたした.寝たきりの重度障害児は高Ca尿症が潜在的に存在し, 尿路結石の素因となり得るため注意が必要と思われた.
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伊勢 桂子, 楢崎 修, 花井 敏男
1993 年 25 巻 3 号 p.
291-293
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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症例は5歳の女児.右半身の舞踏病と不全麻痺を発症し, 9病日より発熱と耳下腺腫脹, 嘔吐が出現.14病日頃から失語症が明らかとなった.頭部CTで左基底核, 左側頭葉に多発性の低吸収域を認め, MRI上も脳梗塞と考えられたが, モヤモヤ血管はみられず大血管の描出も良好で, 凝固異常, 心疾患も否定された.解熱とともに舞踏病と片麻痺は改善, 1カ月後には軽度の喚語障害と保続を残すのみとなった.その密接な時間的関係から, 脳梗塞の発症にムンプスに伴う脳の血管炎が関与したことが疑われる.
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石津 棟暎, 加来 真理子, 近澤 章二, 甲斐 由美子
1993 年 25 巻 3 号 p.
293-295
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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Zonisamideの薬物動態と年齢との関連性を検討した.血中濃度と体重で補正した投与量の比 (L/D) は年齢と共に増加した.その要因を検討する目的でzonisamideの薬物動態値を求めて年齢との関連性を比較検討した.これらの結果, その違いの起因する要因を明らかには出来なかった.
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石崎 朝世, 奥村 彰久
1993 年 25 巻 3 号 p.
296
発行日: 1993/05/01
公開日: 2011/08/10
ジャーナル
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