脳と発達
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25 巻 , 6 号
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  • 粟屋 豊
    1993 年 25 巻 6 号 p. 500
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 斉藤 伸治
    1993 年 25 巻 6 号 p. 501-507
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Angelman症候群 (AS) 61例と, Prader-Willi症候群 (PWS) 14例に対して分子遺伝学的解析を行った. 15q11-q13領域のDNA欠失はAS患者の66.7%, PWS患者の42.8%に認め, 欠失の親起源は例外なくASでは母由来, PWSでは父由来であった. DNA欠失と染色体分析で検出した欠失との不一致はAS患者の24.5%, PWS患者の42.8%にみられた.
    次に, 放射性同位元素 (RI) 標識による二塩基反復多型 (DNRP) および非RI-DNRPを用いた簡便なPCR診断法の有用性をAS患者37名とPWS患者14名とで検討した. 結果は両法間に大差を認めず, 89.2%のAS患者と85.7%のPWSの患者で有用な遺伝的情報を得た. DNRP診断法は両疾患の診断法として有用であると結論した.
  • 田中 茂樹
    1993 年 25 巻 6 号 p. 508-514
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発作間欠期脳波で多焦点性, 領域性または両側性てんかん波を示すてんかん患者17例において1次焦点を推定する目的でてんかん波の16チャンネル同時加算平均を行った. 同時にてんかん波出現部位間の連結双極変換を行い, 位相逆転部位から焦点を推定し加算平均法の結果と比較した. 両方法による焦点推定部位は高い一致率を示した. 加算平均法により17例中16例において, てんかん波出現部位を絞り込むことができ, 6例において単一焦点を明確にできた. さらに頭部・眼球偏位など側方徴候を有する8例中3例において加算平均における焦点側と側方徴候から推定される焦点側とが一致した. 他の5例では両側性焦点となり, そのうちの1例は一側の焦点切除後に他側の焦点が残存した. 以上の結果から, 加算平均法は多焦点性または同期性てんかん波の一次焦点を推定するのに有用であることが示唆された.
  • 長沼 賢寛, 小西 徹, 松井 三枝, 本郷 和久, 村上 美也子, 山谷 美和, 岡田 敏夫
    1993 年 25 巻 6 号 p. 515-520
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    13歳の小児てんかん35例を対象に, 聴覚事象関連電位P300を測定し, 既存の認知機能検査と比較検討した。
    補正P300潜時は, WISC-RのIQおよびWechsler memory scale (WMS) の合計点数と有意の負の相関を示した. WISC-Rの下位項目で補正P300潜時と有意の負の相関を認めたのは, 理解, 絵画完成, 符号の3項目だけであった. WMSでは, 対連合, 数唱, 視覚再生, 精神統制, 見当識, 自己および最近の知識で補正P300潜時と有意の負の相関を認めた.
    これらの所見は, 小児てんかんにおいて, P300潜時の延長が認知機能障害と関連することを示していた. そしてP300潜時は, 単純な課題認知, 短時間の記憶, 簡単な判断の様な, 特徴的な認知機能と相関を認めた.
  • 佐藤 雅久, 渡辺 徹
    1993 年 25 巻 6 号 p. 521-526
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神経学的異常を認めない小児の, 初回特発性痙攣重積症25例の予後を検討した. 初発年齢は3カ月より5歳2カ月, 中央値1歳9カ月, 経過観察期間は3年より15年2カ月, 中央値8年7カ月. 有熱性痙攣重積症18例, 無熱性痙攣重積症7例. 最終診断はてんかん7例, てんかん境界11例, 熱性痙攣7例であった. 1例に著明な学習障害を認めているが, 精神運動発達遅滞を生じた例はなかった. 25例中24例に抗痙攣剤が投与されているが, 全例コントロール良好で, 17例で断薬が可能であった. 粟屋の因子の検討では, 熱性痙攣は全例1項目以下であり, 有熱性痙攣重積症の予後を判定する上に有用と思われた.
  • 奥村 知子, 宮田 広善, 上谷 良行, 中村 肇
    1993 年 25 巻 6 号 p. 527-531
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    姫路市総合福祉通園センターに通園する3歳~6歳までの児 (1984年1月~1987年12月に出生) で大島分類1~4に相当する重症心身障害児68例について発症要因としての周生期異常と新生児医療との関連性を調査した. 有病率は該当人口1,000人当たり1.7人と高率であった. 発症要因の時期を分類すると先天性25%, 周生期40%, 後天性21%, 時期不明15%と, 周生期要因の占める比率が高率であった. 後天性要因を除く54例中36例 (67%) が, NICU (neonatalintensive care unit) に収容された後, 直接当センターに紹介されており, 当センターが地域NICUと極めて密接な連携を持ち, 在宅児, 死亡例なども調査対象に含まれたことが従来の調査と異なる結果になった原因と考えられた。
  • 奥村 知子, 宮田 広善, 上谷 良行, 中村 肇
    1993 年 25 巻 6 号 p. 532-536
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    姫路市総合福祉通園センターで療育中の3歳~6歳までの児 (1984年1月~1986年12月出生) のうち, 厚生省脳性麻痺研究班の定義 (1968年) に基づき脳性麻痺と診断した76例につき, 重症度別に大島分類1~4に相当するものを (重症群), 大島分類1~4を除く精神遅滞を合併したCPを (CP+MR群), MRの合併のないCPを (CP単独群) の3群に分類し, 発症要因としての周生期異常と新生児医療との関連性を調査した. 発症要因として周生期異常の占める割合は, 重症群68%, CP+MR群75%, CP単独群60%と各群ともに高率であった.早期産児の95%, 満期産児の47%がNICU (neonatal intensive care unit) に収容されていた. 満期産児は早期産児に比べ重症群, CP+MR群が多かった. NICUに収容されていた早期産児の周生期異常としては, 仮死, 人工換気療法を要する呼吸障害, 遷延性無呼吸発作, 高ビリルビン血症が多く, 満期産児では全例仮死出生児でうち43%に頭蓋内出血を伴っていた. 周生期医療が進歩し, 新生児死亡率は低下したとはいえ, 今回の調査より大半がNICUに収容された児であり, 療育施設と地域NICUとの密接な連携が障害児発生防止, 児のトータルケア, 病因究明には不可欠と考えられた.
  • 田山 正伸, 橋本 俊顕, 宮崎 雅仁, 村川 和義, 黒田 泰弘
    1993 年 25 巻 6 号 p. 537-542
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々はcarbohydrate-deficient glycoprotein症候群 (CDGS) の2兄弟例と, またいとこにあたる1疑診男児例を対象として神経放射線学的および神経生理学的検討を行った.
    1) 症例1と2において脳波はてんかん性異常波を認めた. 2) 末梢神経伝導速度は症例1で正常下限であった. 3) 短潜時体性感覚誘発電位 (SSEP) では症例1に巨大SEPを認め, 症例3でP14の低振幅を認めた. 4) 聴性脳幹反応 (ABR) では症例1でV波の低振幅, 症例3で一側のV波の低振幅と他側の無反応を認めた. 5) 視覚誘発電位 (VEP) と磁気による運動誘発電位 (MEP) には全例に異常はみられなかった. 6) MRIでは全例小脳の低形成と種々の程度の橋の低形成を認めた. 7) SPECTは3例中1例に施行し, 症例1で小脳, 脳幹および左側前中心部の低還流域を認めた. 以上の結果よりCDGSは形態的には小脳および橋の低形成が共通した所見であるが, 機能的には種々の異常を示し, その病態生理の多様性を示唆するものと思われた.
  • 氏家 武
    1993 年 25 巻 6 号 p. 543-547
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    最近のより重度の心身障害児の発生原因や障害の程度を分析し早期療育の手がかりを得る目的で, 札幌市内外の一般病院で将来重症心身障害児になることが予見されたり, すでに重症心身障害児として長期間入院治療を受けている小児 (以下長期入院心身障害児と略す) の医療の実態調査を行った.
    この調査では2段階方式により一定の地域で50例の医学的データを収集した。その結果, 長期入院心身障害児は特定の大学病院や総合病院に集中し, 重症児のハイリスクグループである乳幼児群と障害が固定した最重度の年長児群に大別できた. 障害の発生時期は先天性の病因が38%, 後天性の病因が36%, 周生期障害が26%であった。脳波異常や頭部CTスキャン像の異常が高率に認められ視聴覚障害も少なくなく, 半数以上が呼吸障害や摂食障害を有すると推察された. 以上から, 長期入院心身障害児は高度の医療技術と多様な医療スタッフによる長期入院治療を要するより重度の心身障害を有すると考えられた.
    このような障害児に対しより望ましい療育環境を整えることは一般病院だけでは不可能であり, 重症心身障害児施設との連携による早期の療育的介入によって包括的な障害児医療が実現されることが望まれた.
  • 興梠 知子, 満留 昭久
    1993 年 25 巻 6 号 p. 548-553
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BCECT) と側頭葉てんかん (TLE) の海馬について, MRI画像から体積を計測して検討した。BCECT 27例, TLE22例と正常対照17例の海馬の値および左右差をt検定を用いて検討した結果, 3群間に有意差はなかった. Jackらの海馬萎縮の基準に従うと, TLEの3例に右萎縮が認められたが, BCECTには萎縮例はなかった。この3例は脳波, 発作型に一定の左右差はなかった. しかし, TLEにおいては海馬の萎縮に熱性けいれんの既往歴や罹患期間が関与している可能性が示唆された. 一方, BCECTではMRI画像上, 海馬とその周囲に器質的病変を示唆する所見はなかった。
  • 下泉 秀夫, 岡部 一郎, 児玉 浩子, 柳沢 正義
    1993 年 25 巻 6 号 p. 554-557
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳児期からケトアシドーシス発作を繰り返しているビタミンB12不応性メチルマロン酸血症の10歳女児例を経験した. 患児は2歳時のアシドーシス発作後, 下肢に強いジストニア姿勢と体幹および下肢の筋力低下, 痙性麻痺を認め, 立位保持が困難になった. 画像診断上, 8歳時の頭部MRI, T2強調像にて, 両側淡蒼球に明瞭な高信号域を認め, ジストニア姿勢の責任病巣を示していた. 淡蒼球の障害に対しL-dopa投与を行い, ジストニア姿勢が改善し, 松葉杖による歩行が可能になった. 従来, メチルマロン酸血症における頭部MRIの報告はほとんどなく, メチルマロン酸血症における頭部MRIの重要性と神経学的合併症としての淡蒼球障害を強調した.
  • 加藤 光広, 鈴木 典子, 小枝 達也
    1993 年 25 巻 6 号 p. 558-562
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    手掌足底の過角化と角膜の浸潤混濁を呈し, 肝の酵素活性測定によりチロシン血症H型と確定診断した10歳男児例を報告した. 中枢神経症状として, 精神発達は正常下限であり, 頻回の有熱時痙攣と脳波異常が認められた. フェニールアラニン・チロシン制限食療法後, 皮膚症状と眼症状は消失した. 痙攣も治療後に認められなくなったが, 脳波異常は変化はなかった. チロシン血症における中枢神経症状はIII型に特徴的とされるが, II型においても認められることがあり, 注意する必要がある.
  • 堀田 秀樹, 前川 喜平
    1993 年 25 巻 6 号 p. 563-568
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ポリソムノグラフィ検査時9歳11カ月の健常男児. 病歴から9歳2カ月発症の睡眠中の大発作が疑われ, 脳波では右側中心-頭頂部を中心とした広範性鋭波が頻発していた. ポリソムノグラフィ所見として, 諸種の睡眠変数は正常範囲で, 鋭波はstage3 (S3)・S4で最も出現頻度が高く, SREM, SWで減少していた. 午前5時頃S2から左側顔面の部分発作が出現, 発作放電は最初右側前頭優位に出現し, 臨床発作とともに広範化した. 発作は検査後1カ月以内に消失, 鋭波も中心-中側頭部, 中側頭部に移動したりしたが, 15歳9カ月から消失し, 現在19歳5カ月である. 本症例は脳波所見, 病歴での発作像が典型的とはいえなかったが, ポリソムノグラフィ, その後の経過から中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BECT) と診断しえた.
  • 沼田 和子, 長田 伸夫, 若井 周治, 舘 延忠, 千葉 峻三
    1993 年 25 巻 6 号 p. 569-571
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Myoclonic encephalopathy of infancyの女児例を報告する.本例の症状の主体はミオクローヌスであり, predonineが奏効した. 経過中, PCR法にて患児の髄液よりサイトメガロウイルス (CMV) ゲノムが検出され, それとともに血清CMV抗体価の上昇が認められたことより, 病態にCMV感染が何らかの形で関与している可能性が考えられた.
  • 中川 栄二, 石川 充, 山内 秀雄, 花岡 繁, 須貝 研司
    1993 年 25 巻 6 号 p. 571-573
    発行日: 1993/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    経管栄養を受け血清亜鉛値が低値であった重症心身障害児 (者) 8名に亜鉛欠乏症の治療を目的とし, 硫酸亜鉛, きなこ, ココアを投与してそれぞれの投与前後の血清亜鉛値の変化を検討した. 投与量は, 硫酸亜鉛は金属亜鉛として1~2mg/kg/日, きなこは15~259/日 (亜鉛としては0, 7~hng/日), ココアは6~129/日 (亜鉛としては0.7~1mg/日) とした. 投与前後の血清亜鉛値は, 硫酸亜鉛では45.5μ9/dl±8.1から76.5μ9/dl±4, 5に, きなこでは53.5μ9/dl±6.4から67.6μ9/dl±9.4に, ココアでは53.7μg/dl±7.2から66.4μg/dl±59にそれぞれ変化し, 硫酸亜鉛, きなこ, ココアのいずれも投与後に, より有意に亜鉛値を改善維持した. また, きなこおよびココアは硫酸亜鉛より少ない亜鉛投与量で同等の効果が認められた。さらにココアはきなこより少ないカロリーと投与回数で亜鉛値を改善維持することができた. 以上の点からこの三者の中では, ココアが亜鉛欠乏症改善剤として最も優れていると考えられた.
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