小児難治性てんかん3症例 (0歳5カ月, 0歳9カ月, 5歳10カ月) に持続型ACTH (ACTH-Zn) とバルプロ酸 (VPA) を併用したところ, ACTH-Znを併用しないVPA投与時よりもさらに血中フィブリノーゲン (Fbg) 値の低下を認めた.
ACTH-ZnとVPA併用時, 3症例の血中Fbg最低値はそれぞれ, 22, 51, 64mg/dlであった.との時, ACTH-Zn投与量は0.03~0.04mg/kg/day (平均0.033mg/kg/day), VPA投与量は12.5~67mg/kg/day (平均31.5mg/kg/day), VPA血中濃度は39.5~88.6μg/ml (平均59.7μg/ml) であった.ACTH-Znを併用しないVPA投与時の血中Fbg最低値はそれぞれ232,108,170mg/dlであり, この時VPA投与量は30~67mg/kg/day (平均51mg/kg/day), VPA血中濃度は80.9~130μg/ml (平均109.0μg/ml) であった.一方, VPAを併用しないACTH-Zn投与例は1例のみであったが, この時の血中Fbg最低値は277mg/d1であった.
ACTH-ZnとVPA併用時には低Fbg血症に留意すべきと考えられたため報告した.
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