Lowe症候群では筋緊張低下がほぼ全例に認められ, また高頻度に筋力低下を伴うことが報告されている.しかし, 筋症状に関する病態については一定の見解を得ていない.
今回, 22歳と14歳のLowe症候群の生検筋組織を検索する機会を得たので報告した.
全てのタイプの筋線維が著明に細く, 正常人の約1/3で, 前者ではタイプ1線維の平均径17.0μm, 2A18.1μm, 2B16.8μm, 後者でタイプ1線維19.5μm, 2A21.3μm, 2B21.0μmであった.しかし, 両者とも群萎縮等の神経原性変化は認められず, 中心核, タイプ2C線維の増加, 筋線維タイプの優位や選択的萎縮等もみられなかった.全ての筋線維タイプが小径であることより廃用性萎縮の可能性も否定された.以上より, 何らかの先天的要因による筋線維の成熟障害が示唆された.
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