脳と発達
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27 巻 , 2 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 小川 昭之
    1995 年 27 巻 2 号 p. 88
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 義之
    1995 年 27 巻 2 号 p. 89-95
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    分子遺伝学的手法は, 小児神経学の領域にも急速に取り込まれつつある.その主な対象は, 感染症と遺伝性疾患である.この講演では, 後者をとりあげ, 特に我々の研究室で解析しているβ-ガラクトシダーゼ欠損症の成果をまとめ, 小児神経学とのかかわりを考察した.このグループの病気として, 古典的な脳の病気であるGMI-ガングリオシドーシスと骨系統疾患としてのMorquio B病とが知られるが, ともに同じ遺伝子の欠損症であることが確認された.その病像には, 一部の特殊な変異遺伝子との相関があり, これらが病変部位の重症度と分布を規定しているものと予想された.実際発現蛋白質の細胞内動態にもそれぞれに特異性が認められた.これらのデータをもとに, β-ガラクトシドーシスという新しい疾患概念と, その統一的病型分類を提唱した.
  • 有馬 正高
    1995 年 27 巻 2 号 p. 96-103
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Wilson病の概念が確立して40年後の1952年にセルロプラスミン欠損が発見された.以来40年間に進展した医療の変遷を日本に重点を置いて回顧した.診断面では, 早期診断が可能となり, GPT上昇が先行する肝病変やKayser-Fleischer輪の進展状況が明らかになるとともに, 多彩な初発症状で診断されるようになった.
    治療面ではペニシラミン導入による発症予防の有効性が確立したが, 長期服薬による副作用, 断薬による肝不全や精神症状の発症が問題となり, トリエンの承認に至った.さらに予後を改善するには, マススクリーニングを含む早期診断の普及と, 長期の治療継続を確実なものにするための医師相互の緊密な連絡が不可欠であろう.
  • 篠崎 温彦
    1995 年 27 巻 2 号 p. 104-112
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    カイニン酸はラットに激しいlimbic motor seizuresを誘発し, 大脳皮質, 海馬CA1, 扁桃核などのlimbic systemに神経細胞死を起こす.一方, 同じカイノイドのアクロメリン酸は脊髄下部に選択的な神経細胞死を起こすが, limbicsystemには障害を起こし難い.我々が最近開発した代謝調節型アゴニストDCG-IVをラット側脳室内投与すると鎮静効果が発現し, キンドリングてんかんを抑制する.極めて低い用量を側脳室に長時間注入した後に, カイニン酸を適用すると, カイニン酸による痙攣は明らかに軽減される.Limbic systemにおける神経細胞死の発現頻度も有意に減少していた.
  • 飯沼 一宇, 吉岡 博
    1995 年 27 巻 2 号 p. 113-114
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Recently medical imaging technique has greatly progressed. During these years, this technique became available not only for detection of morphological information but also for evaluation of function of variable organs. In this symposium, we focused the main topics on functional imaging techniques, and planned that the results would be presented by visually impressive methods as much as possible. This symposium consisted of 5 topics:(1) two-dimentional analysis of neural activity by intracellular calcium fluorometry, (2) photometric analysis of functional structure in the brain, (3) magnetoencephalography, (4) chemical shift imaging and functional magnetic resonance imaging, and (5) neurotransmitter and receptor mapping by positron emission tomography.
  • 工藤 佳久
    1995 年 27 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在のCa測定基盤を築いたのは螢光Ca指示薬である.その種類も数も多く, 様々な特性を持った試薬が用意されている.さらに, この10年間はコンピュータ技術の著しい発達の時期でもあり, 画像処理という単純であるが膨大な情報処理を必要とする測定装置が格段に進歩し, 容易に入手できるようになってきた.この技術が歓迎された大きな理由は細胞内カルシウム濃度の変動の部位差や時間経過を画像として表すことができることであろう.まさに,“Seeingis believing”であり, その説得力は数値の羅列やグラフなどとは比べものにもならない.さらに, これまでの方法では切り込めなかった生物現象の解析への手がかりを与えてくれる.
  • 飯島 敏夫
    1995 年 27 巻 2 号 p. 123-131
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    高次脳機能の解明にあたって, 従来の電気生理学的手段と相補的に, 2次元, 3次元空間における神経活動計測が併用されることが研究を大きく推進させるものと期待される.すなわち, 空間的広がりをもった神経活動には, それに対処した計測手段の導入が必要である.光計測法はその1手段となろう.本項では神経活動そのものを捉える外因性光シグナル計測, および神経活動上昇に起因した代謝変動を捉える内因性光シグナル計測について体性感覚野における記録をもとに紹介する.後者についてはシグナル源がpositron emission tomography (PET), functional magnetic resonance imaging (fMRI) などとも共通すると考えられ, 内因性, 外因性光シグナルの対比は, それら手法の適用にあたっても有用と思われる.
  • 南 武嗣
    1995 年 27 巻 2 号 p. 132-137
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    電気が発生するとき, Biot-Savartの法則により同時に磁気も発生している.脳内で神経細胞が電気的に興奮すると, 電流が発生すると同時に磁気が発生する.この磁気を計測する装置がmagnetoencephalography (MEG;脳磁図) である.脳磁図は磁気発生源すなわち電流源の位置を脳の深部方向に正確に推定することができる.本稿では, 脳磁図の原理, 実際の記録方法, および中心・側頭部に棘波をともなう良性小児てんかんのローランド発射の電流源推定について述べる.
  • 成瀬 昭二, 高屋 和志, 吉岡 博
    1995 年 27 巻 2 号 p. 138-145
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    磁気共鳴法には, 代謝物質の分布画像が得られる化学シフト画像法 (chemical shift imaging;CSI) や脳機能画像法 (functional MRI; FMRI) など, 有用な技法が多くある.CSI法は, 現在31Pと1Hについて臨床測定が可能である.1H-CSIでは正常小児において, 乳児期以降にcholineの低下とN-acetylaspartate (NAA) の増加を認めたが, 脳の部位毎に異なる発達変化を示した.神経疾患では脳実質の障害, 未熟性を反映してNAAの低下がみられた.FMRIは脳の機能活性による局所微小血管中のoxy-Hemoglobin (Hb) とdeoxy-Hbの配分変化によって生じる信号強度変化を画像化する方法である.原理と自験例を概説した.
  • 伊藤 正敏, 谷内 一彦, 山口 智, 藤原 竹彦, 長沢 治夫, 横山 浩之, 飯沼 一宇, 井戸 達雄
    1995 年 27 巻 2 号 p. 146-151
    発行日: 1995/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Positron emission tomography (PET) では, 個々の神経伝達系の機能レベルをin vivoで評価できる.我々は, ドーパミン, アセチルコリン, ヒスタミン系をターゲットとしてポジトロン放出核種である18F, 11Cを用いて標識し, その臨床利用を行っている.本手技がドーパミン系の節前, 節後線維の双方を評価できることに注目し痴呆疾患でのその変貌を検討したところ, 痴呆の進行と対応するドーパミン生合成の低下, 更には, D2受容体のup regulationの存在を確認した.ヒスタミン受容体に関しては, 11C-doxepinを開発し, てんかん病巣でのヒスタミン受容体の増加が示唆される知見を得ている.その他, 我々の経験を中心に, PETによる脳神経伝達機能研究の現況を紹介する.
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