重症心身障害児 (者) (以下, 重障児 (者)) 42人 (女性22人, 男性20人) に対し, 二重エネルギーX線吸収測定法 (dual X-ray absorptiometry, 以下DEXA) を用いて全身骨骨塩量と女性の下肢骨骨塩量を測定, 検討した.
全身骨骨塩量は重障児 (者) の運動能力, 療育歴の差異にかかわらず, 女性20人, 男性18人中, 女性の2例を除き男女ともに低く, その2例を除く全例 (全体の94.7%) に骨萎縮の状態が見られた. その骨萎縮の程度は個人の病態に依存しており, その病態に即した適切な運動療法等, 若年期からの予防, 早期治療が必要である. さらに下肢骨骨塩量は女性のみについて調べたが, 21人測定中, 全例正常値の一3SD以下であり, 大腿骨骨折に十分注意する必要がある.
DEXAは侵襲が少なく, 重障児 (者) の骨低形成および骨萎縮の状態を知る上で有用な検査と思われる.
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