脳と発達
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28 巻, 6 号
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  • 三牧 孝至
    1996 年 28 巻 6 号 p. 474
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 免疫グロブリンスーパーファミリーの構造・機能と病態
    矢崎 貴仁, 韓 春錫, 植村 慶一
    1996 年 28 巻 6 号 p. 475-483
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    精密な神経回路網の形成は高次神経機能の基盤として必須である. 細胞接着蛋白群は細胞情報伝達機構の一つとして, 神経系の形態形成や再生の諸過程において重要な役割を担っている. これらの細胞接着蛋白群の異常が, 種々の神経疾患の発症と密接な関係を持つことも次第に明らかになりつつある. 本稿では, 神経組織の細胞接着蛋白群, 特に免疫グロブリンスーパーファミリーの構造・機能と, 現在までに明らかにされている神経疾患との関わりについて解説する.
  • 動睡眠中の相動性要素に注目して
    荒木 聡, 豊浦 多喜雄, 神山 潤, 下平 雅之, 岩川 善英
    1996 年 28 巻 6 号 p. 484-489
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児マススクリーニングで発見された先天性甲状腺機能低下症7例で治療開始前に睡眠ポリグラフを施行し, 発達早期 (胎児期を含めて) の甲状腺機能低下が脳幹部神経系におよぼす影響について検討した. 動睡眠中の筋活動について分析し, 動睡眠中のそれぞれ持続性, 相動性の筋活動抑制機構を反映すると考えられるdissociation index (DI) と,%body movement in REMs burst (%BM) を算出し, 正常対照例と比較した. DIは7例中5例で低値を示し, 持続性抑制機構の未熟性が示唆された.%BMは対照例と同等で, 相動性抑制機構は成熟していると考えられた. 発達早期の甲状腺機能低下が脳幹部神経系の機能的異常を惹起させた可能性が示唆された.
  • 小林 恵子, 渡辺 徹, 佐藤 雅久
    1996 年 28 巻 6 号 p. 490-494
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    通常の抗けいれん剤に不応のけいれん重積症に対してpentobarbital (PTB) 療法を施行し, その効果に影響を及ぼす因子を後方視的に検討した. 対象はけいれん重積症で当科に入院しPTB療法を施行した14例で, 年齢は4カ月から11歳, 原因疾患は脳炎・脳症 (A群) 9例, てんかん (B群) 5例であった. A群におけるPTBの効果は, 著効例でけいれん重積症発症からPTB療法開始までの時間が短い傾向があった. B群では4例で回復を認め比較的予後良好であったが, 持続投与量の多いものほど投与時間が長く治療に反応が悪かった. 以上より, 通常の抗けいれん剤に不応のけいれん重積症を示す脳炎・脳症においては, 早期にPTB療法を施行することが重要と思われた.
  • 内藤 悦雄, 伊藤 道徳, 横田 一郎, 西條 隆彦, 松田 純子, 小坂 仁, 木村 清次, 黒田 泰弘
    1996 年 28 巻 6 号 p. 495-500
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Leigh脳症20例の培養リンパ球を用いて, ピルビン酸脱水素酵素複合体 (PDHC) 活性およびミトコンドリア電子伝達系酵素 (複合体I+III, 複合体II+III, 複合体IV) 活性を測定した. その結果, PDHC異常症3例およびミトコンドリア電子伝達系酵素異常症5例 (複合体1欠損症2例, 複合体IV欠損症3例) を酵素診断しえた. PDHC異常症3例中2例はビタミンB1反応性PDHC異常症であった. またミトコンドリアDNA分析により塩基番号8993T→G変異を有する1例が見出された. 本研究ではLeigh脳症20例中9例 (45%) において病因が判明した. Leigh脳症患児のピルビン酸代謝異常等の病因検索には, 末梢血から樹立した培養リンパ球が有用である.
  • 年齢に伴う変化について
    小林 綾女, 伊藤 正利, 白石 英幸, 岸 和子, 瀬島 斉, 羽根田 紀幸, 内田 伸恵, 杉村 和朗
    1996 年 28 巻 6 号 p. 501-507
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    0歳から19歳までの26例を対象としてN-isopropyl-p-[123I] iodoamphetamine (23I-IMP) を用いたsingle photonemission computed tomography (SPECT) 検査を施行し, 局所脳血流量を定量的に求め, その年齢に伴う変化について検討した. 局所脳血流量は乳児期早期には低値を示し, 乳児期後期から幼児期にかけて上昇, その後低下していき, 思春期以降ほぼ一定の値をとるようになった. 大脳皮質の年齢に伴う血流量の変化の幅は視床, 小脳の場合と比べて大きかった. 乳児期早期例では前頭葉の血流量が最も小さく, 後頭葉の血流量が最も大きかった. 1歳以降, 大脳皮質の血流量は視床の血流量より大きかった. 学童期には症例問のばらつきが大きかった.
  • 特に障害の推定原因について
    宮城 清美, 落合 靖男, 仲田 行克, 平安 京美, 高江洲 悦子
    1996 年 28 巻 6 号 p. 508-513
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    沖縄県に在住する3歳から5歳まで (1987年4月3日~1990年4月2日出生) の大島分類1~4に相当する重症心身障害児63人について障害の推定原因, 障害の程度について調査した. 有病率は1.12/1,000であった. 障害の程度は大島分類の1に相当する者が28人 (44.4%有病率0.50/1,000) と最も多かった. 障害の推定原因は, 先天性要因20人 (31.7%), 周生期要因24人 (38.1%), 後天性要因9人 (14.3%), 時期不明10人 (15.9%) と周生期要因の占める割合が高かった.
  • 藤野 修, 橋本 清, 榎戸 久, 小松崎 英樹, 藤田 武久, 高石 康子, 平山 恒憲
    1996 年 28 巻 6 号 p. 515-519
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児ではまれであるてんかん性の回転性めまい発作を呈した8歳1カ月男子例を報告した. 回転性のめまいを主訴に受診. 眼振, 小脳症状など神経学的に異常所見はなかった. めまい発作は連日10~20回以上おこり, 数十秒続いた. 発作中は視線は合わなかったが, 反応がみられ周囲の声は聞こえているといった. 発作時に右手のしびれと発作後の違和感をともなうことがあった. 神経耳科学的検査, 聴性脳幹反応, 眼科学的検査, 頭部CT, MRIに異常はなかった. 発作時脳波で, めまいの訴えに引き続いて, 左中心部より出現し, 振幅を漸増しながら, 中心から前頭および後頭部に左右対称性に広がる棘波を認めた. 左頭頂葉に起源するてんかん部分発作と診断, carbamazepineにより発作は消失した.
  • 田辺 卓也, 森本 高広, 川崎 康寛, 余田 篤, 吉川 賢二, 小國 龍也, 山城 國暉, 三牧 孝至, 美濃 真
    1996 年 28 巻 6 号 p. 520-524
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    肺炎球菌による化膿性髄膜炎の乳児にmagnetic resonance image (以下MRIと略す) およびmagnetic resonance angiography (以下MRAと略す) を経時的に施行した. MRIのT2強調像にて左中大脳動脈および両側前大脳動脈の支配領域に一致した広範囲の高信号域が認められ, MRAで左中大脳動脈および両側前大脳動脈の信号が消失しており脳梗塞と診断した.その後, MRAにて同動脈の再疎通するのが認められ閉塞性血管病変は可逆的であることがわかった. 脳梗塞は化膿性髄膜炎に合併する重要な予後因子なので, けいれんなど重篤な中枢神経症状を伴った本症の経過中に非侵襲的なMRAによる脳血管病変の把握は重要であると思われた.
  • 山本 俊至, 小枝 達也
    1996 年 28 巻 6 号 p. 525-527
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳腫瘍に対する放射線療法による中枢神経系の晩発性後障害については, 知能障害などがよく知られているが, 血管障害については小児神経学領域では余り注目されていなかったように思われる. 斜台部脊索腫に対する部分摘出術, および放射線療法を施行した1男児において, 治療6年後, 過呼吸による意識混濁にて発症し, 血管撮影にて一側中大脳動脈の狭少化を認め, 放射線療法による類もやもや病と診断した. 小児の頭蓋内腫瘍に対する放射線療法後においては, このような稀ではあるが重篤な血管障害が起こる可能性を考慮し, 治療後長期間経過観察する必要があると考えられた.
  • 神山 潤, 吉村 加与子
    1996 年 28 巻 6 号 p. 529
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 神谷 保彦
    1996 年 28 巻 6 号 p. 531
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 根来 民子
    1996 年 28 巻 6 号 p. 532
    発行日: 1996/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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