重症心身障害児・者 (重障児) おける嚥下障害に対する評価法として眼輪筋反射 (blink reflex) の有用性につき検討した.対象は当園に入院中の27名で, 経口, 経口と経管の混合, 経管栄養群の3群に分類し, 正常対照7名についても実施した.また同群で聴性脳幹反応 (ABR), 頭部CT検査も実施した.
後期成分であるR2成分は, 経口群と経管群で異なり, 経管群で潜時が有意に延長していた.R1成分, R2'成分とも, 経管栄養が必要な群ほど, 潜時の延長する傾向がみられた.ABRでは3群間に有意な差はみられなかった.
重障児の嚥下障害は下部脳幹機能と深く関わっていることが示唆され, 眼輪筋反射は嚥下機能の評価に有用であると思われた.
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