我々はWest症候群に対して, vitaminB
6大量療法と抗てんかん薬療法 (valproate sodium, clonazepam) をACTH療法前に試みてきた. 本研究では初発のWest症候群25例を対象にvitamin B
6大量療法あるいは抗てんかん薬療法にて発作が消失した有効例 (潜因性5例, 症候性4例) と発作が消失しなかった無効例 (潜因性4例, 症候性12例) に分けて臨床像と予後を後方視的に比較検討した.発作の消失に有効であった薬剤はvitaminB
62例, valproate sodium2例, clonazepam5例であった. 潜因性では性, 発症年齢, 発作型, 初診時脳波所見, 発症から治療開始までの期間は有効例と無効例との間には差がなく, 臨床像から有効性は予測できなかった. 一方, 症候性では先行発作のある症例 (4例), 重度新生児仮死のある症例 (4例) は全例無効例であったのに対し, 神経皮膚症候群 (結節性硬化症, 神経線維腫症1型) の3例はすべて有効例であった。追跡調査時 (平均年齢5歳8カ月) には, 有効例では全例発作が消失しており, 精神運動発達正常あるいは軽度遅滞の症例 (DQ>70) も半数に認め, 予後は良好であった. West症候群におけるvitaminB
6大量療法, 抗てんかん薬療法の適応について述べた.
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