小児ではまれであるてんかん性の回転性めまい発作を呈した8歳1カ月男子例を報告した. 回転性のめまいを主訴に受診. 眼振, 小脳症状など神経学的に異常所見はなかった. めまい発作は連日10~20回以上おこり, 数十秒続いた. 発作中は視線は合わなかったが, 反応がみられ周囲の声は聞こえているといった. 発作時に右手のしびれと発作後の違和感をともなうことがあった. 神経耳科学的検査, 聴性脳幹反応, 眼科学的検査, 頭部CT, MRIに異常はなかった. 発作時脳波で, めまいの訴えに引き続いて, 左中心部より出現し, 振幅を漸増しながら, 中心から前頭および後頭部に左右対称性に広がる棘波を認めた. 左頭頂葉に起源するてんかん部分発作と診断, carbamazepineにより発作は消失した.
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