MRIによって診断された大脳皮質形成異常9症例のてんかんの臨床像を, 神経学的所見, 発作間欠期脳波所見, 発作間欠期SPECT所見とあわせて検討した.
MRI画像上, 形成異常が高度なものほど精神運動発達遅滞は重度であった.病変の広がりの程度, つまり病変が1葉のみにとどまるか, または一側大脳半球全体に広がるか, さらに両側半球にまで広がるかで, てんかんの発作予後が左右されることが示された.
しかし病変の広がりと発作予後とが一致しない症例が一部存在し, 発作波は認めてもけいれん発作を認めない症例が確認された.これはMRIのみでは'てんかん原性領域の質的描出には不十分であり, 機能的検査も合わせた総合的な判断が必要と考えられる.
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