脳と発達
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29 巻, 4 号
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  • 二瓶 健次
    1997 年 29 巻 4 号 p. 272
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 施設入院と在宅の比較検討
    高野 信彦, 蓮井 正樹, 本家 一也, 京谷 征三, 林 律子
    1997 年 29 巻 4 号 p. 273-277
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    施設入院している重症心身障害児・者 (重症者) のHelicobacter pylori (HP) 感染状況について, ELISA法を用いた血清抗HP抗体価を測定し, 加齢に応じて年代別 (10歳毎) に抗体陽性率を示し検討を行った. 入院重症者では, 入院筋ジストロフィー患者 (筋ジス者) および対照者と比較して, 病棟間および施設問に関係なく抗体陽性率は10歳代と早期より上昇していた. また, 在宅重症者の陽性率は対照者と入院重症者との中間の値を示した. 重症者においては筋ジス者と異なり, 施設入院がHP感染の危険因子のひとつであると考えられた.
  • 島崎 信次郎, 呉本 慶子, 大山 昇一
    1997 年 29 巻 4 号 p. 278-284
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    熱性けいれん再発予防としてのジアゼパム坐剤と抱水クロラール坐剤の有効性の比較と再発症例の検討を行った. 対象は, 1993年から1995年までに, 6カ月以上経過が追えた熱性けいれん患児113例で, ジアゼパム群 (D群) 72例, 抱水クロラール群 (C群) 41例である. 坐剤使用開始年齢, 単純型および複合型の比率, 既往けいれん回数などは両群間で有意差はなかった. その結果, 1. 全症例の総発熱回数に対する再発率は, D群3.8%, C群20.4%で, 有意にC群に高かった. 2. 各症例についての有効率は, D群849%, C群52.0%で有意にD群に高かった. 3.副作用はD群に眠気, ふらつきがみられたが, C群では特筆すべき副作用はなかった.
  • 特にsurface anatomy scanによる脳表画像を中心に
    大沼 晃, 小林 康子, 飯沼 一宇
    1997 年 29 巻 4 号 p. 285-290
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発達障害941例のMRI中39例に神経細胞遊走障害の所見を認め, 特にsurfaceanatomy scanによる脳溝形成の状態と臨床症状との相関について検討した. 39例中痙性麻痺は25例, 筋緊張低下は6例, 運動麻痺を伴わない知的障害は8例に認められた. 完全ないし不完全な無脳回症7例では全例が痙性四肢麻痺を示したが, 厚脳回症例では8例中7例に運動障害を認めなかった. 典型的FCMD5例では全例に大脳縦裂に沿う幅広い脳回がみられ, 特徴的であった. 知的障害については, 脳回の形成障害が全般性の例ではほとんどが重度であったが, 半球性ないし局所性の例では様々であった. てんかんは21例に認められ, 11例が難治であった.
  • 高柳 勝, 山本 克哉, 中川 洋, 飯沼 一宇
    1997 年 29 巻 4 号 p. 291-297
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1985年1月から1994年12月に仙台市立病院小児科に入院した細菌性髄膜炎51例を対象に予後関連因子を中心とした検討を加えた. 死亡率は3.9%と低かったが, 神経学的後遺症を認めたものは31.4%であった. 後遺症を認めない予後良好群と死亡を含む予後不良群の問には入院時髄液細胞数・多核球数・糖値と血清CRPおよび全有熱日数において有意差を認めた. また, 予後不良因子として病初期からの頭部画像異常所見, 10日以上の発熱, 16mg/dl以上の血清CRP値, 12mg/dl未満の髄液糖値, 220IU/l以上の髄液LDH値が統計学的に有意であった. 肺炎球菌が2例の死亡例を含む重症例に多く検出される一方, 従来予後不良とされていたB群溶連菌 (GBS) 例にむしろ予後不良例が少ない傾向が見られた.
  • 臨床像, triplet repeat, 並びにMRIの関連
    藤井 克則, 高梨 潤一, 斉藤 能厚, 玉井 和人, 近藤 郁子, 杉田 克生, 新美 仁男
    1997 年 29 巻 4 号 p. 298-302
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    母親と姉, 弟間で表現促進現象を認めた歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) の1家系例を報告した. 母親は35歳時に小脳失調で発症し, また姉は幼児期より軽度精神発達遅滞を呈し10歳時にてんかんを発症した. 弟は14歳でてんかんを発症したが精神発達遅滞は認めていない. 遺伝子診断により3例ともDRPLA遺伝子のCAGrepeat数の増加を認め, かつ母子間にてそれぞれ4あるいは2回の伸長を認めた.この1家系3症例に対し磁気共鳴画像 (MRI) を検討し, T2強調画像上, 姉に軽度の, また, 母親に高度の赤核低信号の消失 (restoration) を認めた. 症状が軽度な弟ではこの赤核低信号は保たれており, 本疾患の小脳症状の出現に伴ってrestorationを来すことが示唆された. MRIはDRPLAの病状把握に有用と思われた.
  • 小沢 浩, 武田 麻千子, 佐々木 征行, 須貝 研司, 橋本 俊顕, 本間 哲夫
    1997 年 29 巻 4 号 p. 303-309
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ジストニアと精神退行を主症状とし, 尾状核の著明な萎縮を認め遺伝子診断で確定したHuntington病の13歳男児例を報告した. 家族歴で父および父方家系に自殺者が多いがHuntington病と診断されたものはいなかった. 乳幼児期は異常なく, 6歳からジストニアによる構語障害が始まり, 7歳から書字障害, 計算ができなくなるなどの知的退行および歩行障害が出現, 徐々に進行し, 12歳のとき全身性強直間代けいれんをおこした. 神経学的には, 寡動で頸部, 上肢にジストニアが前景に立ち, 下肢の錐体路徴候陽性であった. 頭部MRIでは, 尾状核の高度萎縮と, 被殻外側にT1強調画像で低信号, T2強調画像およびプロトン強調画像で高信号の領域を認め, 大脳萎縮がみられた. 遺伝子解析で4番染色体のCAG (cytosine-adenineguanine) 反復配列の延長 (81回) を認めた. 小児のジストニアの鑑別で'精神退行があり, 尾状核と被殻の萎縮を認める例では若年型Huntington病の可能性も考慮すべきである.
  • 森 庸祐, 金子 衣野, 中山 豊明, 伊達 正恒, 仲本 なつ恵, 小林 正明, 杉浦 正俊, 柱 新太郎, 阿部 敏明, 広川 秀明, ...
    1997 年 29 巻 4 号 p. 310-314
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症型ミオチュブラーミオパチーは稀な疾患であり, 本邦での報告は3家系にすぎない. 我々は, 本疾患の従兄弟例を経験したので報告した.
    症例1: 2歳, 男児.胎児仮死で出生後, 筋緊張の低下からミオパチーを疑われて筋生検を施行した. 中心核, peripheral halo等の特徴的な病理所見より本疾患と診断した.
    症例2: 先天性ミオパチーと診断され3ヵ月時に死亡.症例1の診断より生検筋を見直したところ本疾患と診断された. 本症例1, 2は母親が双生児でありX連鎖性劣性遺伝と考えられた.
    本疾患は出生時の状況から新生児仮死として取り扱われることが多く, 重症低酸素性虚血性脳症と誤認される危険性があり, 鑑別に充分な注意が必要であると考えられた.
  • 認知神経心理学的および局所脳血流解析
    宇野 彰, 加我 牧子, 稲垣 真澄, 三村 將, 加藤 元一郎
    1997 年 29 巻 4 号 p. 315-320
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    言語的意味理解障害が認められた学習障害児の1例を報告した. 本症例は非言語的意味理解力は保たれ, 復唱や音読が可能だがその内容の理解が困難であった. また, MRI上局在性病変は認められなかったが, SPECTにより左側頭葉の機能障害が推定された. 以上のような認知心理学的および神経心理学的特徴は, 成人の限局性大脳損傷による超皮質性感覚失語の特徴に類似していると思われた.
  • 春原 則子, 宇野 彰, 平野 悟, 稲垣 真澄, 加我 牧子
    1997 年 29 巻 4 号 p. 321-325
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    記憶に特異的な障害を有すると考えられた小児の1例を報告した. 本症例の記憶障害は入力ならびに出力の経路にかかわらず認められた. その特徴は, 再認課題や順序を問わない再生課題では障害がなかったことから, 主に時間的配列に沿って記銘することの困難さにあると考えられた. 本症例の記憶障害は一般の知能検査のみでは診断できず, 認知神経心理学的検査を追加することと一般的な知能検査を刺激-反応系に整理し直すことによって診断が可能となった. 記憶障害を示す症例においてはその記憶障害の質的側面を検討することが重要であり, また記憶障害による学習障害も1サブタイプとして検討されうる可能性があるのではないかと考えた.
  • 佐藤 雅久, 渡辺 徹
    1997 年 29 巻 4 号 p. 326-330
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    無菌性髄膜脳炎後に, 二次性全般化発作を含めて, 多彩な部分発作症状を呈した一幼児例を報告した. 症例は, 2歳10カ月男児.主訴は全身けいれん. 入院9日前, 第二期の三種混合ワクチンを接種し, 翌日より発熱と体幹に麻疹様の発疹が出没. 発熱時に全身けいれんを生じて当科へ入院した. 入院後, 無熱性の全身けいれんと精神症状を伴う多彩な部分発作が約1カ月半続いた. 入院36日のMRI所見で, 両側前頭部にT1強調像で低信号, T2強調像で高信号を示す点状の異常所見がえられ, 局在性の血管炎による部分発作と考えた. 18カ月後の今日まで, けいれん発作, 知的障害を認めていない.
  • 木村 清次, 渡辺 徹, 水口 雅
    1997 年 29 巻 4 号 p. 331-333
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 吉岡 三惠子, 星加 明徳
    1997 年 29 巻 4 号 p. 334-336
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • その1
    福山 幸夫
    1997 年 29 巻 4 号 p. 337-340
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 東北地方会 , 九州地方会
    1997 年 29 巻 4 号 p. 345-349
    発行日: 1997/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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