病歴上, 新生児期に重度仮死がみられず, 頭部MRI上, 淡蒼球・視床下核・海馬に限局する病変が認められた25歳から34歳の計8例の重症心身障害者において, 病因・臨床像・生理学的検査結果を解析した.剖検できた1例では, MRIと神経病理所見の三致をみた.脳性麻痺の型は, 全例, アテトーゼ型だが'ジストニアや痙直を認める例も多かった.眼球運動障害や嚥下障害などの脳幹症状が多くの症例で認められ, また, 意志表示が可能な例もみられたが, 重度の知能障害を示す例も多かった.8例中7例で施行した聴性脳幹反応で全例異常が認められ, 6例で施行した終夜睡眠脳波では全例REM睡眠が減少していた.周産期の病歴が十分得られない症例においては, 核黄疸の診断にMRIが有用であり, 淡蒼球, 視床下核, 海馬病変に関して冠状断のT
2強調画像やプロトン強調画像が適していることが示された.
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