脳と発達
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30 巻, 2 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 岡田 伸太郎
    1998 年 30 巻 2 号 p. 92
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 永津 俊治, 一瀬 宏
    1998 年 30 巻 2 号 p. 93-100
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    遺伝性ジストニア (HPD, ドーパ反応性ジストニアDRD) の原因遺伝子が1994-95年に発見された. HPD/DRDはドーパミン合成酵素系の遺伝子変異で, 黒質線条体のドーパミンが20%以下に減少すると発症する. 優性遺伝ジストニア (瀬川病) はチロシン水酸化酵素の補酵素テトラヒドロビオプテリンの合成酵素GTPシクロヒドロラーゼの変異によることが日本でIchinoseら (Nature Genetics, 1994) により発見された. 劣性遺伝ジストニアはチロシン水酸化酵素の変異によることがドイツのLudeckeら (Human Genetics, 1995) により発見された. 遺伝性ジストニア, ことに瀬川病は, L-ドーパの投与で症状が治癒する. 血液単核球の酵素活性測定が瀬川病の診断に有用である.
  • 星野 一正
    1998 年 30 巻 2 号 p. 101-108
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    医療における生命倫理を論じる基本的原則は, 医師が患者からインフォームド・コンセントを得ることであるが, 重症神経障害児を含む判断能力の未熟な子供の場合には, 医師が患児に医学的侵襲を与えてもよいという親権者の承諾の上での医療の同意についての代理意思決定が必須である. そのために, 医師は親権者にわかるように説明しなければならない. 子供の重症神経障害である重症二分脊椎などの神経管障害や, クレチン症やフェニールケトン尿症などの先天性代謝異常症, 神経芽腫や網膜芽細胞腫などの悪性腫瘍, それに難治てんかんをめぐる生命倫理について論じた. 重症神経障害児の早期発見のための出生前診断をめぐる生命倫理も検討した.
  • 大野 耕策
    1998 年 30 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神経皮膚症候群の中で, 代表的な疾患である神経線維腫症1および結節性硬化症について, 原因遺伝子単離までの過程, 原因遺伝子, 現在までに明らかになっている原因遺伝子機能, 今後明らかにされるべき研究課題について述べた.
  • 最近の進歩
    祖父江 元
    1998 年 30 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    末梢神経障害に関する最近の知見を脱髄性ニューロパチーを中心にレビューした. Guillain-Barré症候群 (GBS) については軸索障害型の存在が明らかになり, このうちの多くはCampylobacter jejuniの先行感染にもとづき, 抗GM1抗体の上昇を示す. GQ1b, GD1b, GM2などの糖脂質に対する抗体価の上昇と病態との関係が明らかにされて来ている. 治療法についてもガンマグロブリン療法, 血漿交換法などの有効性が確立されている. 一方慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー (CIDP) は脱髄性の疾患と考えられて来たが軸索障害が高度な例があり, このような例では脊髄前角細胞の脱落も高度である. 抗MAG, 抗SGPG抗体上昇を示す例が知られている. 治療法はステロイド療法, ガンマグロブリン療法, 血漿交換療法などいずれも有効性が確立されて来ている. 今後はこれらの治療法の適用範囲をどのように設置するかが重要である.
  • 松尾 雅文, 鈴木 義之
    1998 年 30 巻 2 号 p. 121-122
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Gene diagnosis is getting popular in the field of child neurology, because it can not only establish the diagnosis but also analyze the molecular pathogenesis of neurological diseases. Furthermore, a novel therapy may possibly be created on the basis of understanding of molecular pathophysiology of diseases.
    Therefore, it is pointed out that we, pediatric neurologists, should understand the pathological significance of gene diagnosis as well as its techniques.
  • 難波 栄二
    1998 年 30 巻 2 号 p. 123-127
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトゲノムプロジェクトに代表されるように遺伝子の研究は急速に進んでおり, 疾患の原因遺伝子が次々に発見されてきている. これに伴い遺伝子解析を疾患の診断に用いる, いわゆる遺伝子診断が急速に発達してきた. この発表ではまずGM1-ガングリオシドーシス, 脆弱X症候群などを例に遺伝子診断の方法, それを用いたスクリーニング検査のシステムを述べ, 小児神経領域における遺伝子診断の現状を解説した. 次に, 遺伝子変異とその病態との関連を明らかにする研究の重要性を解説した. 最後に, 精神遅滞や自閉症など頻度が高く複数の遺伝子が関連すると考えられる疾患の遺伝子診断を確立するための戦略について考察した.
  • 下澤 伸行
    1998 年 30 巻 2 号 p. 128-133
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ペルオキシソームの形成や代謝機構に異常を来す遺伝病のうちZellweger症候群に代表されるペルオキシソーム欠損症とX-linked adrenoleukodystrophy (ALD) について解説する. 前者は哺乳動物細胞や酵母を疾患モデルとしてその病因遺伝子が次々に解明された点で特筆すべき遺伝病であり, 後者はポジショナルクローニングにより遺伝子異常は解明されたもののALD蛋白の機能から脱髄の発症機序, 遺伝子変異と臨床型の不一致から治療に至るまで解決すべき多くの問題を抱えた遺伝病として注目される. 今後, 両者の重症度や発症を規定する新たな因子がモデルマウス等により解明され, より有効な治療法の開発に結びついていくことが期待される.
  • 後藤 雄一
    1998 年 30 巻 2 号 p. 134-140
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ミトコンドリア病は核DNA異常でもミトコンドリアDNA (mtDNA) 異常でも起こりうるが, 今のところミトコンドリア病の遺伝子検査は, mtDNA異常を調べるものに限られているのが現状である. mtDNA検査の特徴や問題点は, 核DNAとは異なるmtDNAそのものがもつマルチコピー性. 易変異性・母系遺伝という性質に大きく依存している. 実際のmtDNA異常では, ヘテロプラスミー, 組織・細胞特異性, 閾値効果などの特徴をもつ. 変異DNAの存在と病気であることの違いを強調し, mtDNA検査の問題点を整理した. 今後, 遺伝子型と表現型との詳細を明らかにすることで, mtDNA検査の問題点が解決できる.
  • 竹島 泰弘
    1998 年 30 巻 2 号 p. 141-147
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Duchenne型/Becker型筋ジストロフィーの責任遺伝子であるジストロフィン遺伝子を解析していく上で, 臨床上問題となる点として,(1) 遺伝子型と表現型の関係,(2) 保因者診断,(3) 骨格筋以外の症状についてとりあげた. (1) についてはframe-shift仮説によって説明することが可能であるが, 種々の転写後修飾などにより例外を示す症例がある. (2) の保因者診断では, マイクロサテライト多型による非保因者診断を紹介した. (3) ではジストロフィン遺伝子異常による心筋症, 精神発達遅滞があるが, 今後の課題である. 本症の遺伝子診断は画一的なものではなく, ゲノムDNA, mRNA, 蛋白質, 臨床症状などから総合的に判断していくことが必要である.
  • 大島 章弘
    1998 年 30 巻 2 号 p. 148-151
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    GM1-ガングリオシドーシス患者の遺伝子解析をほぼ終了した. その情報は臨床病型の分類や遺伝相談の参考になっても患者治療には役に立たなかった. そこで, マウスにおいて, 責任遺伝子であるβ-ガラクトシダーゼを標的破壊し, ノックアウトマウスを作り出した. 臨床経過, 病理, 生化学は, マウスがGM1-ガングリオシドーシスであることを示し, 遺伝子治療法の開発に有用であった. しかし, 同時にヒトと異なる代謝経路も明らかになり, 問題点を検討した.
  • 浜野 晋一郎, 田中 学, 今井 祐之, 奈良 隆寛, 前川 喜平
    1998 年 30 巻 2 号 p. 152-158
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    結節性硬化症の皮質結節の数と局在から, てんかん発作と知能障害の予後を予測できるかWest症候群を呈した結節性硬化症 (男3例, 女4例) を対象に検討した. MRIのT2強調画像を中心に葉, 大きさ別に皮質結節を評価した. 皮質結節数は平均12.1個と過去の報告におけるWest症候群を呈していない症例の平均値よりも多かった. 症例毎には1-29個と差が大きく, 10個以上でも予後良好な症例と5個以下でも予後不良の症例が存在した. 皮質結節の一部は脳波焦点と一致したが, 大きい皮質結節でも脳波焦点を示さないことがあった. 皮質結節はてんかん焦点との関連をある程度は認めるが, その局在と個数のみで予後を評価することは困難と考えられる.
  • 有田 二郎, 森川 建基, 伊東 建, 秋山 直枝, 瀬川 孝昭, 千葉 博胤, 前川 喜平
    1998 年 30 巻 2 号 p. 159-161
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Nonconvulsive status epilepticusを呈した乳児重症ミオクロニーてんかん (SMEI) 近似の2歳男児を経験した.
    患児は6カ月から発熱時あるいは入浴時に全身強直間代けいれんまたは片側間代性けいれんを頻回に繰り返した. 2歳になってからは無熱性の部分発作も起こすようになったがミオクロニー発作や退行は認められていない.
    2歳3カ月時, erratlc myoclonusを伴う欠神様の重延状態を呈し, 発作時脳波よりatypical absense status epilepticusと診断された. Obtundation status (Dravet) と酷似していた.
  • 星 詳子
    1998 年 30 巻 2 号 p. 165-166
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 関東地方会 , 甲信越地方会
    1998 年 30 巻 2 号 p. 169-175
    発行日: 1998/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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