脳と発達
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30 巻 , 4 号
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  • 桜川 宣男
    1998 年 30 巻 4 号 p. 282
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 和田 敬仁, 中村 美保子, 松下 友子, 山田 美智子, 山下 純正, 岩本 弘子, 升野 光雄, 今泉 清, 黒木 良和
    1998 年 30 巻 4 号 p. 283-289
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    linked α-thalassemia/mental retardation syndrome (ATR-X) は, 1991年にWilkieらが初めて報告した疾患で, 重度精神運動発達遅滞, 特徴的顔貌, 外性器異常, 軽度のHbHを持つことを特徴としている.
    今まで, 欧米で50例近くが報告されているが, わが国では数例が報告されているのみである. 我々は, 2家系, 3症例で本症候群と診断したので報告した. 共通した姿勢を好み, 自分で嘔吐を誘発させる, 頸をしめるといった異常行動が観察され診断的価値があると思われた. 重度精神運動発達遅滞を示す男性の症例では, ATR-Xを鑑別診断の一つとして考慮すべきである.
  • 皆川 公夫, 柳内 聖香
    1998 年 30 巻 4 号 p. 290-294
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    てんかんをはじめとする種々の原因による16例の小児の痙攣重積状態 (持続型および群発型) あるいは痙攣群発状態の治療にmidazolam持続点滴療法を行った. 16例に対して48回行われたmidazolam治療のうち41回は30分以内に痙攣が完全に抑制されたが, 特に群発型痙攣重積状態に有効であった. Midazolamは最初0.15mg/kgを基準に静注し, その後は0.1~0.15mg/kg/hrで持続点滴投与を開始し, 0.3mg/kg/hrまで漸増したが, 有効例における平均維持投与量は0.22mg/kg/hrであった. また, 投与期間は1~10日 (平均4.1日) であった. Midazolam治療中人工呼吸管理を必要とするような重篤な呼吸抑制や昇圧剤を必要とするような血圧低下は認められなかった.
  • 平松 公三郎, 馬場 輝実子
    1998 年 30 巻 4 号 p. 295-299
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    20年以上長期にわたり施設入院している重症心身障害を示す脳性麻痺14名に頭部CT検査を12. 7±5.0年の間隔をあけて2回施行した. 平均年齢18.9±5.0歳の時点ですでにくも膜下腔の拡大, 脳室拡大があり脳萎縮がみられた. 平均年齢31.6±5.3歳の時点での頭部CTでは脳脊髄液腔の増大がみられた. 経年的に脳萎縮が進行していることがわかった. その進行においてはくも膜下腔の拡大が主であり, 正常加齢現象による脳萎縮の進行とは異なった変化を示した. 中枢神経系における重症心身障害児・者に共通する病態としてくも膜下腔の経年的な拡大が示唆された.
  • 王 傳育, 河島 尚志, 高見 剛, 山田 直人, 宮島 祐, 荻原 正明, 武隈 孝治, 星加 明徳
    1998 年 30 巻 4 号 p. 300-306
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    睡眠発作, 入眠時幻覚, sleep onset REM等のナルコレプシーの症状を認めた多発性硬化症の13歳男児例を経験した. 本例は視神経炎にて発症し, ステロイド治療で軽快後2カ月でナルコレプシーの症状が出現した. 髄液ではオリゴクローナルバンド陽性, 抗麻疹抗体陽性を示し, 画像診断で両側内包に脱髄性の多発性病巣を認めた. ナルコレプシーの出現時期に施行した終夜睡眠ポリグラフにおいて突然出現する全般性の平坦化とそれに引き続く限局性突発性異常波が繰り返し認められた. ステロイド療法後, 急速にナルコレプシーの症状と脳波異常は消失した. 本例では脳幹網様体から視床, 大脳皮質に至る経路が障害され, 覚醒維持機構が破綻し, ナルコレプシーを引き起こしたものと考えられた.
  • 柴田 理恵, 草川 功, 小澤 真津子, 大矢 達男, 埜中 征哉
    1998 年 30 巻 4 号 p. 307-311
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児期発症の先天性ミオパチーは重症で, 呼吸・嚥下障害を伴うことが多い. 我々は出生直後から呼吸管理を必要としたが栄養管理・感染のコントロールを行い, 1歳10カ月まで着実な発育が得られている1例を経験した. 中枢神経系の合併は頭蓋変形と軽微な精神遅滞のみである. 筋病理では, 生後1カ月時の筋生検で先天性筋線維タイプ不均等症の像を示したが, 生後1年目の筋生検ではタイプ1線維優位先天性ミオパチーの像であった.筋成熟の一過程をみているのか, 異なった概念のミオパチーなのかは今後の症例の集積が必要だが, 先天性ミオパチー, 特に筋線維タイプ分布異常を示す例の病因・予後を検討していく上で興味深い症例と考られた.
  • 牛田 美幸, 福田 邦明, 遠藤 彰一, 岡田 隆滋
    1998 年 30 巻 4 号 p. 312-316
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    日本脳炎の1例を経験した. 症例は6歳, 予防接種は未接種であった. 高熱と頭痛で発症し, 翌日, 右片側痙攣をきたして来院した. 明らかな項部硬直とCRPの高値, 髄液細胞増多を認めた. 症状は急速に進行し, 第3病日には自発言語は消失し, 不穏症状, 嚥下障害, 右片麻痺がみられた. その後, 無動性無言症の状態が約1カ月間続いた. 症状は徐々に回復したが最終的には認知障害, 記憶障害を中心とした知的後遺症と複雑部分発作型の難治てんかんを残した. ウイルス抗体価の有意な上昇を確認し, 日本脳炎と診断した. 頭部MRIでは, 視床の内側部, 後部, 黒質にT1強調像で低信号, T2強調像で高信号の境界明瞭な病変がみられた. また, 海馬の萎縮も著明であった.
  • 遠山 潤, 長沼 賢寛, 白根 聖子, 内山 聖
    1998 年 30 巻 4 号 p. 317-322
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sanfilippo症候群 (ムコ多糖症III型) C型の1女児例を報告した. 6歳8カ月頃より異常行動, 知的退行で発症し, 夜間の睡眠障害や食事の嚥下障害も出現した. 尿中ムコ多糖分析ではheparan sulfate (HS) 63%, chondroitin sulfate 37%とHSが増加し, 皮膚線維芽細胞の酵素活性の検討ではacetyl-CoA: α-glucosaminide N-acetyltransferase活性が低下していた. 患児はこれまでの報告例の中で発症が最も遅く, 発症後, 知的障害が急激に進行した後は, 進行が緩やかになった. 関節拘縮の出現も遅く肝腫大もないことから, 軽症な経過をとっていると考えられた. 本例では扁桃肥大の改善にマクロライド系抗生剤の少量長期投与が有効と思われ, 嚥下障害が一時的に改善した.
  • 前岡 幸憲, 前垣 義弘
    1998 年 30 巻 4 号 p. 323-327
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神経芽細胞腫の随伴徴候としてみられたopsoclonus-myoclonus症候群の1歳女児を経験した. 発症時に血液・尿中VMA, HVA, カテコラミンが上昇し, 臨床的にもカテコラミン過剰症状が出現した.頭部CT, MRIは異常が認められなかった. 電気生理学的検査では, 聴性脳幹反応, 短潜時体性感覚誘発電位は異常がみられず, 眼輪筋反射で後期成分の過剰反応が認められた.オプソクローヌスの消失とともに眼輪筋反射も正常化した. 2年経過して, 再発なく神経学的後遺症はみられていない. 眼輪筋反射の結果から, 本例では脳幹網様体での介在ニューロンの興奮性が示され, オプソクローヌスの生理学的現象を反映している可能性が考えられた. また, オプソクローヌスの病態発現機序としてドーパミンの関与を推測した.
  • 伊藤 昌弘, 早川 恵子
    1998 年 30 巻 4 号 p. 328-333
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Acyclovir錠の服用で, 精神神経症状 (行動障害) が出現した7歳の女児を報告した. 症例は単純ヘルペス性歯肉口内炎に罹患し経口摂取困難となったため, 輸液療法 (2日間) とacyclovir錠を服用 (5日間) した.投与中に精神神経症状が出現したため, 単純ヘルペス脳炎が疑われ紹介入院となったが, 種々の検査で否定された.単純ヘルペス感染症時に生じる精神神経症状は, 脳炎の合併以外に本剤の副作用も鑑別診断に加えることが必要である.
  • 仲本 なつ恵, 中山 豊明, 工藤 聡, 田中 学, 藤田 靖子, 服部 拓哉, 阿部 敏明
    1998 年 30 巻 4 号 p. 334-338
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ウイルス性脳炎に対してacyclovirの経静脈投与を受けた5歳男児の経過中に, 不穏, 錯乱, 不眠という精神神経症状が認められた. Acyclovirの投与を中止し, 2日後にこれらの症状は改善したが, ヘルペス脳炎の再燃が疑われてacyclovirが再投与されたところ, 再度2日後から不穏, 興奮症状が出現した. これらの症状も投与中止翌日から改善した. 脳波所見上一過性に認められたperiodic lateralized epileptiform dischargesの成因が急性脳炎のためかacyclovir脳症のためかは不明であった.
    ヘルペス感染症に対するacyclovirの治療効果は明らかであるが, 中枢神経系の副作用にも注意して経過観察する必要がある.
  • 林 隆, 市山 高志, 西河 美希, 古川 漸
    1998 年 30 巻 4 号 p. 339-345
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    未熟児出生, 新生児仮死による痙性両麻痺児に認めた鏡像書字について, 神経心理学的, 画像診断学的に検討し発症機序について考察した. 右側優位の麻痺による左利き状態を右手使いに矯正する過程で鏡像書字は増悪した. 神経心理学的には利き手の矯正中にWPPSIでVIQ86, PIQ74, TIQ76と境界域の知能レベルで視覚認知の弱さが窺えた.もともと左手を使用していたこと, 視覚的に鏡像が自覚出来たこと, MRI上左頭頂葉白質に虚血性搬痕病変を認めたことより, 鏡像書字の原因として空間方向性の障害を考えた. Frostig視知覚発達検査では, 検査IVの空間位置関係の得点が利き手の矯正により低下し矯正をやめると速やかに戻った. 利き手の矯正による感覚運動刺激が視覚認知機能に影響を与える可能性を示唆している.
  • 不破 相勲, 神長 達郎, 小林 正明, 佐々木 泰志, 古井 滋, 阿部 敏明
    1998 年 30 巻 4 号 p. 346-349
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    MRIにて局所的脳回肥厚症を右後頭葉に認めた1症例に対し, 1H-NMR spectroscopy (MRS) を施行した.関心領域を肥厚部皮質と対側正常皮質においてMRSを施行した.病変部のN-acetylaspartate (NAA)/creatine (Cre) が正常側に比べ著明に低下していた.NAAは神経細胞体, 軸索に局在し, 神経細胞の発達とともに増加するとされている.NAA濃度の低下は本疾患における病変部の神経細胞体, 軸索, 樹状突起およびシナプス結合の数の減少, または神経細胞の発達の遅延を反映していると考えられた.NAA/Creは本疾患の病態を良く反映し, その程度および経時的変化の指標になりうる可能性があると考えられた.
  • 木村 滋
    1998 年 30 巻 4 号 p. 350-351
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Zonisamide (ZNS) 単剤治療中の女性から出生した一新生児のZNSの胎盤移行, 新生児の生物学的半減期, 母乳移行について検討したので報告する. 症例は22歳, 女性. 9歳時発症の局在関連性てんかん. 児は在胎39週3日, 体重2,998g, 表在奇形, 中枢神経抑制症状, 離脱症状を認めなかった.
    ZNS濃度測定はEIAにて行った.ZNSの胎盤移行は122%であった.新生児の血清濃度推移は時間とともに指数関数的に減少し, 半減期は60.2時間であった. 母乳中濃度は出産後3日には出産前母体血濃度以上になった. 以上の結果から現時点ではZNS投与母体の授乳は中止するか, 投与する時は慎重に行うべきである.
  • 蓮井 正樹, 本家 一也, 辻 春江, 犀川 朋子, 大野 一郎, 高野 信彦
    1998 年 30 巻 4 号 p. 352-353
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児・者 (重症者) の血清抗HelicobacterPylori (HP) 抗体価の1年後の変動を検討した結果, 一般群では抗体の陽性転化者はいなかったのに対して, 重症群では66名中9名, 13.6%に陽性転化がみられた. 以上から重症者は一般群とは異なり, 病棟内でHP感染に罹患しやすい環境下にあるものと思われた.
  • 関東地方会
    1998 年 30 巻 4 号 p. 358-363
    発行日: 1998/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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