脳と発達
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31 巻 , 4 号
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  • 黒川 徹
    1999 年 31 巻 4 号 p. 298
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 大井 静雄
    1999 年 31 巻 4 号 p. 299-304
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Neuroendoscopic procedure (神経内視鏡手技) の適応疾患・病態のうち, 水頭症はその適応が最も積極的に考慮される病態であるといえる.そして, その原因疾患の中で, 脳腫瘍等の脳室内病変は, 神経内視鏡による直達手術の対象にもなりつつある.私達は, 形態学的分析・病態生理学的分析としてendoscopic intraventricular/cisternal/subdural morphological analysis, endoscopic analysis of CSF dynamics/pressure monitoringなど, 水頭症治療の手術術式として endoscopic ventriculostomy, septostomy, reconstruction of foramen/aqueduct (foraminal or aqueductal plasty), fenestration of ventricular septation, removal of a mass lesion, shunt removal, shunt insertionなどの手技を積極的に応用してきた.水頭症病態における神経内視鏡による その脳室内形態変化の観察では, これらの特殊な非交通性水頭症や外水頭症, さらには間質性水 頭症などのgross morphologyが直視下の所見として得られた.また, これまでに私達が神経内視鏡手術としてその対象とした脳腫瘍には脳室内腫瘍各型として, 松果体部腫瘍, 頭蓋咽頭腫, グリオーマ, 脳室内各種嚢胞, 後頭蓋窩腫瘍等があげられ, 同時に施行する第3脳室開放術は, 合併する水頭症治療を容易にした.水頭症におけるneuroendoscopic surgeryは, 今や短絡術に代わる種々の非交通性水頭症の治療手段として広く普及し, 水頭症研究, 臨床治験に大きく貢献している.
  • 高谷 理恵子, 小西 行郎, 竹内 恵子
    1999 年 31 巻 4 号 p. 305-309
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Low-riskの早産児の自発運動を, 出生後から修正20週まで継続的に観察し, 早産児のpreterm期からすでに見られる運動の性質とその後の変化を検討した.5分間のstate 4の中で観察された手と口の接触 (hand-mouth contact, 以下H-M-C) と手と顔の接触 (hand-face contact, 以下H-F-C) の頻度を調べた結果, どちらもpreterm期に出現していた.H-F-Cは満期後減少したままであるのに対し, H-M-Cは一時的に減少するが, 受胎後53~60週 (修正13~20週) に再び増加した.またH-M-Cはすでに口の開いた状態で手が口に運ばれることが多く, その性状はpretermとpost termで変化がなかった.このことから, H-M-CがH-F-Cとは質の異なる自発運動であり, H-M-Cが一時的に減少する時期は運動発達上の注目すべき時期であると考察された.
  • 小嶋 恭子, 作田 亮一, 加賀谷 厚, 佐賀 岳, 永井 敏郎, 相馬 良一
    1999 年 31 巻 4 号 p. 310-316
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Human herpesvirus 6 (以下HHV-6と略す) 感染による突発性発疹に罹患し, 解熱発疹期にけいれん発作を頻発した乳児3例を経験した.全例発作後の脳波に異常を認めた.1例においては, 頭部MRIで左側頭部にT1強調画像で低信号, T2強調画像で高信号を呈する局所病変を認めた.さらに頭部SPECTにて左大脳半球の血流の低下を認めた.HHV-6感染時の解熱発疹期にけいれん発作を繰り返し, 脳波や画像上異常所見を認める例では, 一般的には脳炎, 脳症が疑われる.しかし, 自験例のように非特異的な経過を認める例もあるので, 注意を要すると考えられた.
  • 木村 清次, 根津 敦夫, 大槻 則行, 武下 草生子
    1999 年 31 巻 4 号 p. 317-321
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    過去10年間のウイルス感染に伴う急性脳症/脳炎75例中で, 脳炎と診断したのは28例のみである.今回はこの28例の概要を検討した:(1) ウイルス感染の発熱時発症脳炎 (A群) と解熱後発症脳炎 (B群) は各々15例と13例で, 前者は乳幼児, 後者は学童の比率が高かった. (2) A群とB群の画像は散在多発性病変が1例と3例, 限局性病変が7例と8例, 正常が7例と2例であった. (3) A群の限局性脳炎7例では単純ヘルペスが5例, 血管炎を疑う例が2例, B群の限局性脳炎8例では血管炎を疑う例が3例で, 脳炎発生に血管炎が重要因子と思われた. (4) ヘルペス脳炎5例の病変は後頭葉が主で, 側頭葉限局は1例のみであった. (5) ウイルス侵入に伴う脳実質内病変と炎症反応が確認されたのはヘルペス脳炎のみで, 多くは発生機序が不明で分類が困難であった. (6) 急性発症の「脳炎」には急性脳炎, 傍感染性脳炎, 感染後脳炎などの用語が存在するが, これらはあくまで概念的なものであり, 正確な診断名としては使用しにくかった.今後は診断基準の再評価や検査方法の開発が望まれる.
  • 後藤 めぐみ, 鈴木 保宏, 加藤 智美, 二木 康之
    1999 年 31 巻 4 号 p. 323-328
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症候性West症候群の初発例 (19例) を対象にsingle photon emission computed tomography (SPECT) 検査を行い, 発作間欠期の脳血流を評価した.SPECT所見により,(1) 正常 (A群, 7例),(2) CT/MRI上の病変部位に一致して脳血流異常を認めるもの (B群, 6例),(3) CT/MRI上の病変部位とは一致しない脳血流異常を認めるもの (C群, 6例) の3群に分類し, 各群の臨床像および予後を比較検討した.臨床像 (男女比, 発症年齢, 先行発作の有無, 発症時の発達の遅れ/神経学的異常, 脳波所見) は3群間に有意な差は認めなかった.初期治療 (ビタミンB6大量療法→ 抗てんかん薬療法→ACTH療法) の有効性はB群 (6例中4例), C群 (6例中5例) に比べ, A群 (7例中2例) で最も低かった (統計学的に有意差なし).短期予後 (平均追跡期間, 2年8カ月) に関しても発達, 発作ともにA群で最も予後不良であった (統計学的に有意差なし).症候性West症候群において, 初発時の発作間欠期SPECT所見が正常であることはむしろ予後不良の指標と考えられた.
  • 鈴木 順子, 伊藤 正利, 富和 清隆, 奥野 武彦
    1999 年 31 巻 4 号 p. 329-335
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1977~1986年度出生の滋賀県の脳性麻痺 (CP) 202例を5型に分類し, 推定原因ないし要因につき, 病型別に検討した.
    病型分類では痙性両麻痺と四肢麻痺がそれぞれ全体の約1/3を占め, 残りの1/3を片麻痺, 不随意運動型, 失調型の順で占めていた.早産児は63例 (32%) で他の病型に比し痙性両麻痺で多かった.
    満期産の痙性両麻痺の発生要因は, 1/3は出生前要因, 約1/2は不明で, 周産期要因と考えられる例はわずかに17%であった.早産の痙性両麻痺では, 周産期要因と考えられる脳室周囲白質軟化症が最も重要と思われた.満期産の四肢麻痺では, 脳奇形および低酸素性虚血性脳症が重要と思われ, 早産の四肢麻痺は多くはなかったが, 2/3は周産期の要因と考えられた.片麻痺では脳血管障害など片側障害の所見を有するものがほとんどであった.不随意運動型は多くは周産期の原因と考えられ, 9例の核黄疸が含まれていた.失調型は脳奇形が多かった.
  • 1999 年 31 巻 4 号 p. 335
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 順子, 伊藤 正利, 富和 清隆, 奥野 武彦
    1999 年 31 巻 4 号 p. 336-342
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1977~1986年度10年間の滋賀県の脳性麻痺 (CP) 202例について臨床的観点から6歳時に評価した結果, 運動障害については歩行可能な軽症45%, ずり這い以下の重症39%で, 中等度障害は16%のみであった.
    重症度は病型により著しく異なっていた.運動障害と精神発達遅滞の程度とは概して相関があったが, 精神発達が正常か軽度遅滞以上であっても歩行不可能のものもあり, そのようなものの多くは早産の痙性両麻痺であった.運動障害が軽度で精神発達遅滞が重度または中等度のものは満期産に多かった.
    てんかん合併は48%(痙性両麻痺25%, 四肢麻痺86%, 片麻痺45%, 不随意運動型39%, 失調型13%), 小頭合併35%であった.
    重度障害や合併症が少なくなく, 改めて発生予防が望まれた.
  • 鈴木 順子, 伊藤 正利, 富和 清隆, 奥野 武彦
    1999 年 31 巻 4 号 p. 343-347
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1977年度より10年間に出生し, 就学時に滋賀県に在住した脳性麻痺 (CP) 202例 (痙性両麻痺69例, 四肢麻痺62例, 片麻痺33例, 不随意運動型23例, 失調型15例) の, 診断時期または訓練施設への紹介時期, 治療 (訓練) 開始時期, 訓練施設への受診経路, 就学状況について検討した.
    四肢麻痺と不随意運動型では9割以上が1歳までに訓練施設に紹介されているが, 痙性両麻痺, 片麻痺, 失調型では4割は1歳以後であった.四肢麻痺と不随意運動型では医療機関からの紹介によるものが大半を占めたが, 痙性両麻痺と失調型では約半数, 片麻痺では4割弱で, 自主受診が片麻痺と失調型で各27%を占めた.
    全体の約3割は保健所健診から送られたものであり保健所がCP発見の機会としての役割をも果たしていたことを示していた.
    就学は, 地域の小学校に全体の53%(普通学級30%, 障害児学級23%), 養護学校に41%, 就学時すでに施設入所5%であった.
  • 堀口 寿広, 加我 牧子, 宇野 彰, 稲垣 真澄, 秋山 千枝子
    1999 年 31 巻 4 号 p. 349-354
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発達障害児・者を支える家族の精神健康度を調べ, その向上を図るために調査を行った.彼らは高い士気をもって介護にあたっていたが, 一般人口, 専門医師よりも高い頻度で燃え尽きや神経症と呼べる状態にあった.精神的に健康度の高い人は, 子供のことだけでなく子供のこと以外でも配偶者に相談をしており, 介護を手伝ってもらっていた.また, 家族以外に手助けをしてくれる人がいる方が, 精神的な健康度が高かった.施設利用については, 就学前に施設入所を体験した群では周囲への期待感が高かった.したがって, 発達障害医療においては, 家族の協力を軸とした支援が家族の精神保健の向上に大きくつながると考えた.
  • 木村 清次, 根津 敦夫, 田中 文雅, 大槻 則行
    1999 年 31 巻 4 号 p. 355-358
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Sotos症候群の5歳女児に合併したacute shock encephalopathy syndrome (ASES) の1例を紹介し, その病態とReye症候群 (RS) との異同を中心に報告する.臨床経過は痙攣重積およびショックが先行し, 次いで血管内凝固症候群 (DIC) と肝逸脱酵素の上昇がみられた.肝逸脱酵素の上昇が緩徐, 末期でビリルビン値上昇, 初期のアンモニア値が正常などの点は定型的RSとは異なった.肝細胞はびまん性に傷害され, 細胞内空胞化・顆粒状変性などがみられ, RSの肝組織とは全く異なった.以上からASESの経過は, ショック/脳症 (何れが先行かは不明) →DIC→多臓器不全であり, RSとは異なることが推測された.なお, Sotos症候群と本疾患の因果関係は不明であった.
  • 師田 信人
    1999 年 31 巻 4 号 p. 359-365
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    機能的脊髄後根切断術を重度の痙直型脳性麻痺の男児に施行した.手術にあたっては腰仙部の神経根/神経根細糸を電気刺激し, 異常反応を示すものを切断した.また, 術中に神経生理学的手技を用いて陰部神経の活動電位を同定し術後の排尿障害を予防した.術後, 痙性は著明に減弱し家庭内介護の負担を大幅に軽減できた.リハビリテーションを継続することにより術後1年半を経過した現在に至るまで痙性亢進による運動機能障害は認めていない.機能的脊髄後根切断術は日本ではまだ普及していないが, 痙直型脳性麻痺児の痙性を軽減するのに極めて有用であると考えられた.機能的脊髄後根切断術の歴史および概要についてもあわせて紹介した.
  • 呉 東進
    1999 年 31 巻 4 号 p. 366-369
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Carbamazepineによって誘発された不随意運動の1例を報告した.症例は左半身の強直間代けいれんで発症した局在関連性てんかんで, carbamazepineの投与を少量から開始した.けいれんが続くため投与量を段階的に増量したところ, 手指の舞踏病様運動, 口部ジスキネジー, 左前腕のミオクローヌスがみられるようになった.血中濃度は治療域内であり, carbamazepineの減量で不随意運動はすみやかに消失した.不随意運動をきたす特定の疾患を示唆するような検査所見はなく, 以上のような経過から, carbamazepineの副作用として不随意運動が出現したと考えられた.
  • 春原 則子, 宇野 彰, 加我 牧子, 松田 博史, 金子 真人
    1999 年 31 巻 4 号 p. 370-375
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Semantic-pragmatic disorders例の理解力障害に関する詳細な検討は少ない.本報告では, semantic-pragmatic disordersの1例に対して, 各言語モダリティに共通の独自に作成した抽象語を用いた検査を行い, 言語性の理解力障害について主に音韻処理過程と意味処理過程の乖離という観点から検討した.本検査の結果, 復唱と音読は健常児と同等あるいはそれ以上に良好であったが, 理解力は健常児の-1標準偏差を大きく下回っていた.今回の検討により, 本例における音韻処理過程と意味処理過程の乖離を定量的に明確に示すことができ, さらに, 単語水準でも抽象性の高い単語は理解が困難なことが明らかとなった.また本例は, SPECTを用いた局所脳血流量の検討において左側頭葉の血流が右側に比して低下しており, 本例の言語性意味理解障害には左側頭葉の機能低下が関与していると考えられた.
  • 千葉 康之, 中澤 友幸, 井上 成彰, 金子 堅一郎
    1999 年 31 巻 4 号 p. 376-378
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    5歳発症の周期性ACTH-ADH分泌過剰症の男児.発症当初より嘔吐発作間歇期に入眠障害・中途覚醒主体の睡眠障害が認められた.嘔吐発作は多種・多数の制吐剤・抗てんかん薬・向精神薬などによる治療にても難治で数年間におよぶ入院管理を要した.睡眠障害に対しても同様に睡眠導入剤を用いたが適切な効果は得られなかった.8歳時にmelatoninの経口投与 (5mg/回/日) を開始したところ当夜より通常の夜間睡眠が得られた.嘔吐発作の回数および程度は軽減し, 退院して自宅での生活が可能となった.患児・家族にとってquality of life (QOL) の向上が認められ, 原疾患への効果が期待された.
  • 牛田 美幸, 平場 一美, 福田 邦明, 遠藤 彰一, 古川 正強, 斉藤 義朗
    1999 年 31 巻 4 号 p. 378-379
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    喘息発作に対してtheophyllineを投与されていた生後3カ月と2歳の児に一過性の口部ジスキネジーを認めた.症例1は生後3カ月の男児.Theophylline内服4時間後から口をすぼめて舌を突き出す動作がみられた.経過観察のみで翌日には症状は消失した.症例2は痙性両麻痺のある2歳男児.Theophyllineの内服を開始した翌日から舌先を丸めて突き出したり, 口をもごもごさせる動作が出現した.入院後もaminophyllineの持続点滴静注を継続し, 症状は断続した.5日後, aminophyllineを減量したところ口部ジスキネジーは改善した.症例1ではtheophylline血中濃度は21.8μg/dlと高値であったが, 症例2は10.2μg/dlと治療域であった.
  • 北陸地方会 , 北海道地方会
    1999 年 31 巻 4 号 p. 383-384
    発行日: 1999/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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