Neuroendoscopic procedure (神経内視鏡手技) の適応疾患・病態のうち, 水頭症はその適応が最も積極的に考慮される病態であるといえる.そして, その原因疾患の中で, 脳腫瘍等の脳室内病変は, 神経内視鏡による直達手術の対象にもなりつつある.私達は, 形態学的分析・病態生理学的分析としてendoscopic intraventricular/cisternal/subdural morphological analysis, endoscopic analysis of CSF dynamics/pressure monitoringなど, 水頭症治療の手術術式として endoscopic ventriculostomy, septostomy, reconstruction of foramen/aqueduct (foraminal or aqueductal plasty), fenestration of ventricular septation, removal of a mass lesion, shunt removal, shunt insertionなどの手技を積極的に応用してきた.水頭症病態における神経内視鏡による その脳室内形態変化の観察では, これらの特殊な非交通性水頭症や外水頭症, さらには間質性水 頭症などのgross morphologyが直視下の所見として得られた.また, これまでに私達が神経内視鏡手術としてその対象とした脳腫瘍には脳室内腫瘍各型として, 松果体部腫瘍, 頭蓋咽頭腫, グリオーマ, 脳室内各種嚢胞, 後頭蓋窩腫瘍等があげられ, 同時に施行する第3脳室開放術は, 合併する水頭症治療を容易にした.水頭症におけるneuroendoscopic surgeryは, 今や短絡術に代わる種々の非交通性水頭症の治療手段として広く普及し, 水頭症研究, 臨床治験に大きく貢献している.
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