重症心身障害児・者における嚥下機能を含む下部脳幹機能と眼輪筋反射 (以下BR) との関連について検討した.対象は41名で, BRを施行し, 経管, 経管・経口併用, 経口栄養群の3群に分けて検討し, うち29名については頭部MRIで橋および延髄の前後径を計測し, 下部脳幹機能との関連を併せて検討した.
経管栄養群では, BR異常が多くみられ (特にR2, R2'は全例で潜時延長または不明瞭・消失), 嚥下機能とBRとの関連が示された.また, 流挺や咽頭反射消失のある症例でR2, R2'の異常が, 喘鳴のある症例でR1, R2'の異常が多く認められ, BRは下部脳幹機能の評価法として有用と思われた.なお, MRIでは, 下部脳幹の前後径と嚥下機能を含む下部脳幹機能との関連は見い出せなかった.
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