脳と発達
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32 巻 , 6 号
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  • 竹下 研三
    2000 年 32 巻 6 号 p. 484
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 麻生 昌子, 松井 美穂子
    2000 年 32 巻 6 号 p. 485-490
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1993年4月から1998年3月の間に当園を初診したアテトーゼ型脳性麻痺 (CP) 38例について, 在胎週数別に調査検討を行った.その結果, 在胎37週以上15例, 在胎27週~31週17例に大きく二分された.後者ではMRI上脳室周囲白質軟化 (PVL) を認め, アテトーゼと痙性の混合型四肢麻痺を呈する例が多く, 約半数が最重度の運動機能障害を呈した.在胎32週以上では, 介助歩行以上に到達した非混合型アテトーゼ型四肢麻痺が約半数あった.在胎週数にかかわらずアテトーゼ型CPの成因としては低酸素性虚血性脳症 (HIE) が重要であった.早期産では3分の1が双胎例であり, 注目された.MRI上の視床・基底核病変は, 在胎32週以上の6例に認められたのみであった.
  • 田中 能文, 柴田 瑠美子
    2000 年 32 巻 6 号 p. 491-496
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    低骨密度の重症心身障害児・者17例を対象にvitamin K2製剤を48週間投与し, 骨代謝マーカーおよび骨密度の変化について検討した.投与前と比較して血中骨型アルカリフォスファターゼは投与32週および48週後に, また血中オステオカルシンは投与16週, 32週および48週後に有意の増加が認められた.骨吸収マーカーの尿中ピリジノリンおよびデオキシピリジノリンには有意の変化は認められなかった.骨密度には投与前後で有意の増加は認められなかったが, vitamin K2製剤は重症心身障害児・者において骨形成を促進させる可能性が示唆され, 低骨密度の改善が期待される.
  • 小川 達也, 須貝 研司, 佐々木 征行, 花岡 繁, 福水 道郎, 橋本 俊顕
    2000 年 32 巻 6 号 p. 497-502
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児・者における嚥下機能を含む下部脳幹機能と眼輪筋反射 (以下BR) との関連について検討した.対象は41名で, BRを施行し, 経管, 経管・経口併用, 経口栄養群の3群に分けて検討し, うち29名については頭部MRIで橋および延髄の前後径を計測し, 下部脳幹機能との関連を併せて検討した.
    経管栄養群では, BR異常が多くみられ (特にR2, R2'は全例で潜時延長または不明瞭・消失), 嚥下機能とBRとの関連が示された.また, 流挺や咽頭反射消失のある症例でR2, R2'の異常が, 喘鳴のある症例でR1, R2'の異常が多く認められ, BRは下部脳幹機能の評価法として有用と思われた.なお, MRIでは, 下部脳幹の前後径と嚥下機能を含む下部脳幹機能との関連は見い出せなかった.
  • 倉田 清子, 伊藤 百英, 内山 晃, 蔵野 亘之, 熊田 聡子, 小峯 真紀, 田沼 直之, 冨田 直, 松井 瑠璃
    2000 年 32 巻 6 号 p. 503-508
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Pelizaeus-Merzbacher病 (PMD) 3例について臨床症状とmagnetic resonance spectroscopy (MRS) を中心とした画像所見, また死亡例1例の病理学的検討も加えて研究した.重度精神遅滞, 痙直型四肢麻痺が共通した症状で, 3例に眼振, 1例にアテトーゼ様不随意運動を認めた.4例中1例は女性例であり, 遺伝子診断は2例にproteolipid protein遺伝子重複を, 1例にexon5欠失を認めた.MRIでは, 4例ともに本疾患の特徴であるT1, T2白質信号強度の逆転を認めているが, 3例についてはMRSにおいて, 白質病変部のNAA (n-acetylaspartate) が低下していないことを確認した.他の白質変性症との比較も一部示した.
  • 本多 明子, 柴田 理恵, 安西 有紀, 草川 功, 大矢 達男
    2000 年 32 巻 6 号 p. 509-514
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は5歳女児で, 麻疹脳炎罹患後, MRI上両側頭葉に限局する病変を示し, 臨床的に聴覚失認による失語を呈した症例を経験した.
    この限局性病変は, 経時的画像診断を考慮すると, 限局性脳炎というより痙攣重積に伴う脳浮腫による虚血性変化である可能性が高いと考えられた.急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) の病態の関与は, 経時的画像所見から, 否定的であった.本症例はまた急性期に一過性に発語があり, 聴覚失認による後天性失語症の病態生理・症候学において, またADEMの病態生理において, 治療に結びつく急性期早期の神経生理, 画像検査所見の解釈など, 今後画像所見との経時的相関等研究すべきであると考えられた.
  • 山田 伸治, 林 隆
    2000 年 32 巻 6 号 p. 515-519
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    偶然に発見された学童を発端者とし, 家族性に大脳基底核の石灰化を有する一家系を経験した.発端者である7歳男児をはじめ, 頭部CT検査を行った7名中6名に被殻・淡蒼球の高吸収領域を認めた.本家系は, 臨床症状を認めず, 副甲状腺機能は正常で, 偽性および偽性偽性副甲状腺機能低下症にみられる特徴的身体的所見もないため, 家族性大脳基底核石灰化症と考えた.患者の性比は男: 女=2: 4で, male-to-male transmissionを認めることから, 遺伝形式は常染色体優性と考えた.
    本家系は, 幼児期から基底核病変を認めるにもかかわらず, 高齢の罹患者でも臨床症状を認めない点, 従来報告されている家族性大脳基底核石灰化症の分類に当てはまらず, 新しい型と考えた.
  • 西河 美希, 林 隆, 吉冨 友美, 井上 保, 市山 高志, 古川 漸
    2000 年 32 巻 6 号 p. 520-523
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    経頭蓋超音波Doppler法 (transcranial Doppler, TCD) により経時的に脳血流の変化を評価した溶血性尿毒症症候群脳症の1例を報告した.TCDを用い, 中大脳動脈の平均血流速度, pulsatility index (PI) 値を計測した.脳症例では, 急性期に頭部MRI, 脳血流SPECT上に異常所見を認めなかったが, TCD上, PI値の低値を認めた.臨床症状の回復とともにPI値は正常値へ近づいた.経過中熱性痙攣を合併したが脳症を伴わなかった溶血性尿毒症症候群を疾患対照として比較した.疾患対照児のPI値は正常域で変化しなかった.溶血性尿毒症症候群脳症において, TCDを用いたPI値の評価が病状の客観的把握に有用である可能性が示唆された.
  • 山崎 友郷, 榎本 貴夫, 青木 司, 能勢 忠男
    2000 年 32 巻 6 号 p. 524-529
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児中頭蓋窩くも膜嚢胞のうち, 奇異な症状を呈し手術によりその改善をみた3症例を報告する.通常中頭蓋窩のくも膜嚢胞は無症状か頭痛, 頭重感など漠然とした症状を示すものが多いといわれ, 保存的に治療していくことが多かった.しかしわれわれは, 言語発達遅滞, 嘔吐, 行動異常など, 嚢胞との相関が明確でなく, 奇異な症状を示し, 嚢胞-腹腔短絡術により明らかに症状の改善をみた3症例を経験した.これらの症例を通じ, 中頭蓋窩くも膜嚢胞は症状と嚢胞との相関があまり明確ではない症状を示すものを含めて, 手術を行えば症状の改善する症例が少なからず存在するものと推察された.
  • 中埜 信太郎, 杉田 記代子, 田中 葉子
    2000 年 32 巻 6 号 p. 530-533
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年, Mycplasma pneumoniae (Mp) 脳炎における脱髄と抗ガラクトセレブロシド (GC) 抗体との関連が示唆されている.我々は抗GC抗体価の上昇を伴ったMp脳炎を経験した.症例は8歳男児, 発熱および湿性咳嗽の出現から9日目に痙攣が認められた.3時間後に痙攣は消失, 30時間後に意識清明となり, 神経学的後遺症のない良好な転帰をたどった.急性期の髄液中において抗GC抗体が高力価上昇していた.Mp脳炎急性期における髄液抗GC抗体価の上昇は, 脱髄病変の重症度および神経学的予後を必ずしも反映しないと考えられた.
  • 今高 城治, 山内 秀雄, 萩原 ゆり, 江口 光興
    2000 年 32 巻 6 号 p. 534-537
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    父親があやす行為として, 患児を頭上約50cm投げあげ受け止める行為を数回繰り返したのちに発症した5カ月のshaken baby syndromeを報告した.入院時より呼吸管理を必要とし, 頭蓋内出血, 両側眼底出血, 痙攣重積が認められた.現病歴の聴取から本症候群と診断され治療された結果, 比較的良好な経過をたどった.父親に揺さぶりの危険性の自覚はなく, また外表上, 患児には虐待を示唆する徴候は認められなかった.本症候群を発症した状況は子育てという日常生活の中にあり, 本症候群の危険性に対し注意を喚起する必要がある.
  • 石田 喬士
    2000 年 32 巻 6 号 p. 538-542
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Benign myoclonus of early infancy (以下BMEI) の1例を報告した.患児は発達正常な生後8カ月の男児で, 生後6カ月から覚醒時にシリーズ形成性スパズムが出現した.初診時神経学的に正常で, 発作間欠時および発作時脳波にてんかん性異常は認められなかった.無治療で経過観察したところ生後9カ月 (発症後約3カ月) で発作は完全に消失した.2歳0カ月まで経過を観察したが精神, 運動発達は正常で, 脳波上てんかん発射は出現せず, その他の発作症状も認められていない.
    BMEIは非てんかん性発作現象と考えられ, 予後良好であるので無益な抗痙攣剤の投与を回避するためにもてんかん症候群特にWest症候群との鑑別が重要である.
  • 長澤 哲郎, 佐久間 啓, 荒木 聡, 渡辺 章充, 牧野 道子, 埜中 征哉
    2000 年 32 巻 6 号 p. 543-546
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ウイルス (RSV; respiratory syncytium virus) による間質性肺炎にて入院後, 筋力低下をきたし筋生検にて多発筋炎と診断された11カ月の乳児例を報告した.ステロイドパルス療法が著効し, 人工呼吸管理から離脱, 歩行可能となった.その後の発育, 発達は良好に経過しており, ステロイド中止後も再発の徴候は見られない.ウイルス感染と多発筋炎の関係についての報告は散見されるが, 検索し得た範囲ではRSVの報告は1例のみであった.
  • 大城 聡, 城間 直秀
    2000 年 32 巻 6 号 p. 547-550
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    前頭洞炎から波及した右急性硬膜下膿瘍の14歳男児例を経験した.本症例ではその診断に頭部MRI検査が有効であり, 早期から穿頭ドレナージ術および強力に抗生物質投与を開始できた.術後にガドリニウム造影を含むMRI検査を経時的に施行したところ, 術後1カ月目のT2強調画像で右前頭葉白質に一過性の高信号域を認めた.同時に行ったガドリニウム造影T1強調画像で, 右前頭部に著明に肥厚したmeningeal enhancementを認めた.本症例ではこの反応に関連して脳浮腫が起こり, その結果T2強調画像で白質に一過性に高信号域が出現したと推測した.急性硬膜下膿瘍の治療においては, 抗菌療法のみならず, 瘢痕組織への抗炎症療法の必要性を示唆する症例と思われたので報告した.
  • 浜口 弘, 有馬 正高
    2000 年 32 巻 6 号 p. 551-552
    発行日: 2000/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    知的障害児者居住施設における急性死57例のアンケート結果を得た.死因として, 突然死が20例認められ, 残りは虚血性心疾患11例, てんかん重積発作8例, 脳血管障害7例, 呼吸器疾患6例, その他5例であった.突然死群では, 情緒障害などの中枢神経症状のために向精神薬を内服していた例が他の死因群に比して多く認められた.この突然死群の向精神薬内服状況を東京近郊の居住施設入所者の状況と比較すると, 有意に向精神薬の種類が多く, 中には内服量も通常量を越える例が認められた.多種多量の向精神薬を必要とする情緒・行動障害にも問題はあると思われるが, 向精神薬自体に突然死を引き起こす危険があることを念頭に置く必要性がある.
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