脳と発達
Online ISSN : 1884-7668
Print ISSN : 0029-0831
ISSN-L : 0029-0831
32 巻 , 5 号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 石塚 千恵
    2000 年 32 巻 5 号 p. 383-389
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    問題なく全経口摂取しているにもかかわらず, 呼吸器感染を反復する重症心身障害児・者8名にビデオ嚥下透視 (VF) 検査を行い, 嚥下動態を解析した.8例全例に液体の不顕性誤嚥を認め, 誤嚥の分類では, 嚥下中の誤嚥が最多であった.移行相・咽頭相の障害が顕著で, 液体の嚥下前の梨状窩への貯留, 嚥下時の輪状咽頭筋部の弛緩遅延, ペースト嚥下後の咽頭残留という異常所見が高率であった.VF検査所見に基づいた誤嚥防止対策 (食事形態・食事姿勢・摂食介助方法の変更) によって, 呼吸器感染による発熱頻度が有意に減少した.呼吸器感染を繰り返す重症心身障害児・者では, 不顕性誤嚥が稀ではなく, VF検査を含む摂食・嚥下機能の評価と対策が重要であることが明らかにされた.
  • 石塚 千恵
    2000 年 32 巻 5 号 p. 390-394
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    摂食における口腔相の機能発達障害により, 未熟な発達段階で摂食している重症心身障害児・者14名にビデオ嚥下透視 (VF) 検査を行い, 嚥下動態を解析した.対象の口腔相の機能発達は離乳期後期以下で, 口腔相の問題 (口唇閉鎖不全や乳児嚥下, 口腔残留, 口腔相遅延) がみられた.液体の嚥下前の梨状窩への貯留, 輪状咽頭筋部弛緩遅延, 液体の誤嚥 (不顕性誤嚥77.8%), ペースト嚥下後の咽頭残留と誤嚥がみられ, 移行相・咽頭相における異常も顕著であった.VF検査時, 食事姿勢や食形態の代償的方法の検討も実施し, 摂食時の問題の改善が可能であった.重症心身障害児・者における摂食・嚥下機能の発達障害においても, VF検査は重要である.
  • 前原 健寿, 清水 弘之, 繁友 律子, 玉川 公子
    2000 年 32 巻 5 号 p. 395-400
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳未満の乳幼児難治てんかん13例 (片側巨脳症8例, 限局性皮質異形成5例) に機能的半球切除術を施行した.
    手術後6カ月以上経過した11例 (6~54カ月, 平均26カ月) は, 5例が発作消失, 4例が90%以上の発作減少, 2例が50~90%の発作減少であった.片側巨脳症の3例でシャント手術が行われた.全例で術後の精神運動面での発達を認め, 発作消失した5例中3例で著明な発達改善を示した.機能的半球切除術は, 発作改善のみならず精神運動発達面でも有効であった.
  • 斉藤 利雄, 姜 進
    2000 年 32 巻 5 号 p. 401-407
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎の20歳男性例の脳magnetic resonance imaging (MRI), computed tomography (CT),[99mTc]-L, L-ethyl cysteinate dimer (99mTc-ECD) single photon emission computed tomography (SPECT) をJabbour第2期から第4期にかけて経時的に評価した.第2期では脳MRI, CT, 99mTc-ECDSPECTは正常であったが, 病期進行にしたがいMRI, CTでは白質病変, 脳萎縮が著明になった.99mTc-ECDSPECTでは病変部のトレーサー集積が減少, 増加と経時的に変動し, 組織の炎症増悪・破壊の過程を反映すると考えられた.
  • 沖 潤一, 宮本 晶恵, 高橋 悟
    2000 年 32 巻 5 号 p. 408-414
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Focal cortical dysplasia (FCD) におけるてんかん発作と認知障害との関連を知るため, 乳幼児期に発症した複雑部分発作が11歳で再燃した2女児例でWISC-Rと123I-IMPSPECTを10年以上にわたって検討した.左頭頂葉のFCDで計算障害や健忘性失語があった14歳女児では, 再燃後に文章の意味が解らなくなり, 言語性IQも94から63に低下した.SPECTの集積低下部位も左頭頂葉から側頭葉に及んだが, 発作消失後に改善した.左前頭葉に病変のある12歳女児では, 痙攣再燃後に言語性IQが91から76, 下位検査の「知識」の評価点が8から4に低下した.また, 左前頭葉の集積 (カウント比) も, 0.86から0.64に低下した.FCD患児では, てんかん発作が認知障害に影響を及ぼしており, 123I-IMP SPECTは両者の関連を明らかにするのに有用だった.
  • 須藤 章, 遠藤 満智子, 斉藤 伸治
    2000 年 32 巻 5 号 p. 415-419
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    初発時に急性散在性脳脊髄炎の病型を示したが, その後多相性の臨床経過をたどり, 多発性硬化症と診断された4歳女児例を報告した.初発時に大脳白質と基底核に広範な病変を認め, 再発時には視神経炎や初発時と異なる白質病変を認めた.いずれもmethylprednisoloneのパルス療法が有効であった.患児血清中に網膜蛋白であるアレスチンに対する抗体を認め, その抗体価は正常10倍以下に対し, 初発時160倍, 6カ月後の寛解期20倍, 視神経炎で再発時に40倍, その2カ月後の白質病変再発時に80倍, さらに1年半後の再発時20~80倍と変動した.抗アレスチン抗体の変動は病勢に一致し, また髄液の細胞数やミエリン塩基性蛋白値の変動に近似していた.以上の結果から, 血清の抗アレスチン抗体価は小児においても多発性硬化症の活動性の指標として有用である可能性が示唆された.
  • 舘野 昭彦, 大村 育子
    2000 年 32 巻 5 号 p. 420-423
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Carbamazepineによる聴覚異常の認められた2症例を報告する.症例1は良性ローランドてんかんの9歳の男子であり, 知覚音の低下を訴えたが, carbamazepine血中濃度は治療域にあった.症例2は舌咽神経痛の33歳女性であり, 知覚音の半音低下を訴えた.舌因神経痛に対するcarbamazepineの服用は間欠的であったが, 再現性が確認された.2症例に認められた聴覚異常はいずれも可逆性であり, 服薬中止により速やかに消失した.今回の自験例2例を含め音高の異常を呈した12報告例があり, 頻度の高い副作用であることが示唆された.
  • 金澤 治, 白根 聖子, 早川 さゆり
    2000 年 32 巻 5 号 p. 424-429
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Shuddering attacks (SA, 身震い発作) は乳幼児期に発症する稀な良性疾患といわれ, てんかんとの鑑別を要する.発作は意識消失のない何秒間かの身震いで日単位で反復する.Essential tremor (ET, 本態性振戦) と同様の発現機序といわれ脳の未熟性による表現様式の違いとされるが, 報告は稀で本邦では皆無である.SAを呈する生後8~14カ月の乳幼児4例で, ビデオないしビデオ・脳波同時記録で発作時をとらえ病態を検討した.1例でSAに同期した筋電図より, ETの周波数とほぼ一致した.全例で発作減少ないし消失をみたが, MRI上脳の未熟性, トルコ鞍扁平, てんかんの家族歴, のある例もあった.従来SAは良性疾患で検索不要といわれるが, 神経系発達に関連した何らかの問題が潜む可能性がある.
  • 松岡 太郎, 申 耕嗣, 本田 敦子, 永井 利三郎
    2000 年 32 巻 5 号 p. 430-433
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    「立とうとしなくなった」ことを主訴に来院した3例を経験した.全例伝い歩きや独歩を獲得したばかりの乳幼児であった.冬期に発症し先行感染があった.症状の出現から完成までは半日から1日間と比較的急であった.下肢の麻痺や明らかな筋力低下はなかった.眼振, 体幹の動揺, 上肢の振戦はなく神経症候を小脳性運動失調であると断定するのは困難であった.2例で軽度の髄液細胞増多を認めた.全例とも経過観察のみで数日以内に立ち上がるようになったが, 回復期に病前に比しふらつきが目立ち, 軽症の急性小脳失調症 (ACA) が疑われた.乳幼児期のACAは見逃されている可能性が高く, 日常の一般小児科臨床の場で留意すべきと考えられた.
  • 稲葉 雄二, 関 千夏, 荻原 ゆかり, 原 洋治, 山崎 宗廣, 市川 元基
    2000 年 32 巻 5 号 p. 435-439
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    特徴的な臨床症状と脳波, 発作時SPECTの所見から補足運動野てんかんと診断された幼児例を報告した.両親からの被虐待歴を有し, 注意欠陥多動性障害 (ADHD) を合併した症例で, てんかん発作は抗てんかん薬に抵抗して頻発したが, 環境の整備もあわせて行う中で発作は消失し, 生活環境による情緒面での不安定さが誘因の一つと考えられた.また, 発作の消失によりADHDの症状も軽快した.てんかん発作の病態や被虐待児へのかかわり, ADHDの病態などを考えるにあたり示唆に富む症例と思われた.
  • 竹下 研三
    2000 年 32 巻 5 号 p. 440-441
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    わが国でも脳死とそれに続く臓器移植がスタートした.まず, そこで生じている問題点を列挙し, 世界の規準となった子どもの脳死に関するアメリカ特別委員会のガイドライン (1987年) を解説した.
    次に, わが国の問題として,「小児における脳死判定基準に関する厚生省研究班報告」の内容を概説し, 子どもの脳死で生じるであろう問題点として以下の点を強調した. (1) 親権の問題について合意が得られていない. (2) 脳幹機能の評価について臨床経験豊かで神経生理検査に堪能な医師が不足している. (3) 現場で生じる心理葛藤への対策, 子どもの救急医療体制, コーディネーターの役割の不明瞭さなど受け入れシステムに根本的な問題が残されている. (4) 子どもの脳死は家族という視点でとらえられるべきである.
  • 阪井 裕一
    2000 年 32 巻 5 号 p. 442-444
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳死と臓器移植は本来全く別の概念である.不幸にして脳死に至った患者さんに呼吸・循環の維持を継続することが「患者さんのためにならない」と考えられる時, もし臓器提供を希望しておられるならその意志を生かしたい, ということで移植医療につながるのである.医療者がまず最初に行うべきは, 脳死の診断を行い, 集中治療を継続することが患者さんやご家族の利益になるのか否かを自らに問うことであろう.呼吸・循環管理が大きく進歩した現在, 臓器移植ばかりを先走らせずに, 集中治療の現場において日常頻繁に遭遇する「どこまで治療を行うべきか?治療により患者さんの得られるものは何で, 失うものは何か?」という問題を討議するべきである.
  • 宮林 郁子
    2000 年 32 巻 5 号 p. 445-448
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    米国の臓器移植の現状を知るためにフロリダ大学看護学部, フロリダ大学医学部外科部門が運営するOrgan Procurement Organizationを訪問し, 全米の移植ネットワーク (UNOS) のフォーラムに参加した.アメリカでも脳死での提供率は低く, 臓器不足は深刻であり, 待機患者の半数以上が移植されないで終わっている.子どもも同様である.
    UNOSがこの解決に向けて活動しているが, 最も重点を置いている点は, ドナー側への働きかけをする職種への教育の充実である.脳死患者家族へ対応する環境条件の設定, 死を理解してもらう説明の方法, 臓器移植を受け入れてもらう説明と家族へのサポート, アフターケアの重要性などが強調されていた.また, ドナー側のコーディネーター (CPTC) とレシピエント側コーディネーター (CTCC) の区別が明確にできており, それぞれに資格条件が確立していた.
    翻って, わが国は, 医師のみならず, 医師以外のコメディカルへの教育も貧弱であり, 資格制度も明確でない.移植に関わる頻度の多い診療領域での看護婦には, 独立した立場での専門看護婦制度 (小児専門やICU専門) の確立が求められる.
  • 大塚 頌子
    2000 年 32 巻 5 号 p. 452
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 北海道地方会
    2000 年 32 巻 5 号 p. 458-459
    発行日: 2000/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
feedback
Top