脳と発達
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33 巻, 5 号
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  • 大野 耕策
    2001 年 33 巻 5 号 p. 384
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐久間 啓, 福水 道郎, 神山 潤
    2001 年 33 巻 5 号 p. 385-390
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    「特異な脳炎・脳症後てんかんの一群 (粟屋・福山)」あるいは「頻回の痙攣を伴う脳炎 (塩見)」に該当する1歳女児例を報告し, さらに既報告例を含めて本症に対する治療法について検討した.その結果急性期にはバルビツレート系およびベンゾジアゼピン系静注薬が有効で, 回復期には両系薬剤に加え, phenytoin, zonisamide, 臭化カリウムに反応する例が多かった.本症を,(1) 急性期が2週間以上,(2) 経過を通じ同一の部分発作が持続,(3) 痙攣の頻発と重積化,(4) 痙攣の難治性,(5) 原因検索でも病因不明を特徴とする疾患概念, acute encephalitis with refractory, repetitive partial seizures (AERRPS) として提唱した.
  • 栗原 まな, 中江 陽一郎, 小萩沢 利孝, 熊谷 公明, 衛藤 義勝
    2001 年 33 巻 5 号 p. 392-399
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    急性脳症後遺症に対するリハビリテーション (リハ) を目的として紹介された22例を, 知能障害と運動障害の面から4群 (I群: 知能低下がない群, II群: 軽度の知能低下を残した群, III群: 最重度の知能低下を残した群, IV群: 最重度の知能低下と運動障害の重複障害を残した群) に分類し, 脳症発症までの既往歴, 脳症発症状況, 治療・リハの内容, 機能的自立度 (functional independence measure: FIM) を用いた機能の経時的評価を比較検討した.既往歴, 発症状況においては各群間に有意差は認められなかったが, 当院での入院リハの期間はI群からIV群になるにつれて長くなっていた.リハの内容は初期にはてんかんの治療, 経管栄養・排痰・吸引指導など医療面の対応と粗大運動訓練が中心であり, 機能の改善に応じて認知訓練等に移行していったが, FIMによる評価はリハに有用であった.
  • 平木 洋子, 和泉 志津恵
    2001 年 33 巻 5 号 p. 400-408
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    本研究は, 摂食・嚥下障害乳幼児の摂食機能予後因子の探索, および治療方針の提案を目的とした.摂食外来で指導した51名の経管栄養乳幼児を嚥下機能不良群と良好群に分類し, 後方視的に初期評価時の臨床所見と治療中の摂食機能改善度 (チューブ抜去率) との関係を多重生存時間解析により検討した.その結果, 機能不良群では治療開始までの摂食・嚥下障害期間が短いこと, 早い治療開始年齢, 生後8カ月以後に発症した後天性障害, および重症度スコアが2までの児で有意に抜去率が高かった.機能良好群では36カ月までの治療開始で抜去率が高い印象を受けた.これらの結果に基づき治療方針を提案した.
  • 大津 真優, 小国 弘量, 粟屋 豊, 大澤 真木子
    2001 年 33 巻 5 号 p. 409-415
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    小児期に認められる側頭葉てんかん (TLE) の前兆症状の詳細を明らかにするため, 当科初診時15歳以下, 脳波と画像上側頭葉に異常を認めた33名の側頭葉てんかん患者を対象に後方視的に検討した.発作の成因は内側面型側頭葉てんかん (MTLE) が24例 (72%) を占め最も多かった.前兆が初めて観察された最小年齢は4歳で10歳以降は前兆後に複雑部分発作へ移行することが多かった.主な前兆症状の割合は, 嘔気が14例 (42%), 眩暈, 恐怖感, 動悸, 背部灼熱感が3例ずつ (9%), 前兆が認められなかった症例は5例 (15%) であり, その比率は成人と同様であった.小児は表現力が未熟ではあるが, 発作時の詳しい問診が局在診断の手がかりになると思われた.
  • 林 優子, 花田 華名子, 堀内 伊作, 諸岡 美知子, 山磨 康子
    2001 年 33 巻 5 号 p. 416-420
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    施設入所中の重症心身障害児・者のうち15歳以上の年長例117名について, 重症度別に20年間のてんかんの長期予後を検討した.てんかんの合併率は64.1%で大島1では85.0%に達し, 極めて高率であった.難治率は37.3%で, 知的障害が最重度の大島1, 2, 5で高かった.20年間の死亡例では, 生存例に比べ, てんかんの合併率には差がなかったが, 難治率は有意に高かった.長期経過中, 知的障害が最重度の群で, てんかん発作の存続や初発・再発がみられ注意が必要であった.活動性てんかん21名のてんかん分類は, 症候性局在関連性てんかんが81.0%を占めたが, 発作の頻度が多く経過中発作が存続していた例はWest症候群, Lennox-Gastaut症候群との関連が強かった.
  • 鈴木 保宏, 植田 仁, 鳥邊 泰久
    2001 年 33 巻 5 号 p. 422-425
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1H-magnetic resonance spectroscopy (1H-MRS) は非侵襲的に体内の代謝物質をin vivoで検出可能である.今回, 我々は新生児期に発症した非ケトン性高グリシン血症 (NKH) の女児例において1H-MRSを施行し, 3.5ppmにグリシンの信号を観察した.経時的 (生後3カ月~2歳) にグリシン/creatine比を測定したところ血中および髄液グリシン濃度変化とよく似た変動を示した.1H-MRSはNKHの非侵襲的で有用な診断法となり, さらに病態の把握および治療効果判定の指標となる可能性が示唆された.
  • 富田 美佳, 高梨 潤一, 小林 一彦, 永沢 佳純, 栗原 亞紀, 奥村 恵子, 前本 達男, 小野 次朗, 河野 陽一
    2001 年 33 巻 5 号 p. 426-429
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Reversible posterior leukoencephalopathy syndrome (RPLS) の小児例4例を経験した.MRI上T2強調画像にて高信号を示す多発性病変を後頭領域を中心に認めた.けいれん, 意識障害, 視覚障害などの神経症状で発症し, 全例で高血圧を認めた.降圧療法にて臨床症状, 画像上の病変は改善した.小児期ではRPLSは比較的稀と言われているが, 高血圧を伴いうる病態において, 血圧の管理に留意するとともに, RPLSの徴候の出現に注意し, 早期に診断, 加療することが肝要と思われた.
  • 富士川 善直, 須貝 研司, 福水 道郎, 花岡 繁, 佐々木 征行, 加我 牧子
    2001 年 33 巻 5 号 p. 430-435
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    難治てんかんと退行, 最重度の精神運動発達遅滞を呈したCostello症候群 (CS) の3症例を報告する.今までの報告では, CSでは痙攣の合併は8%と少なく, 精神遅滞も軽度から中等度とされているが, 今回の3症例では極めて難治のてんかんと最重度の精神運動発達遅滞を示した.てんかん類型は, 症候性局在関連てんかんが2例, West症候群から変容したLennox-Gastaut症候群が1例であった.退行・精神運動発達遅滞が重度であったのは, てんかんが難治であったためと考えられ, てんかんを合併した場合は, CSの中枢神経症状ははるかに重篤な場合があり注意を要する.
  • 沼部 博直, 山田 直人, 荻原 正明, 星加 明徳
    2001 年 33 巻 5 号 p. 437-441
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例は5歳女児.5カ月時に頭部前屈を伴う強直発作を認め, 脳波検査にてhypsar-rhythmiaを認めたためWest症候群と診断された.両眼瞼内側内反症, 眼間開離, 二分口蓋垂, 高く短い人中, 耳介変形などの変異徴候を認めたため, 染色体検査を施行した.その結果, 20番染色体長腕端部に染色体過剰部分を認め, SKY (spectral karyotyping) 法により由来を調べた結果, 患児の核型は46, XX, der (20) t (7; 20) (q32.3; q13, 33) de novoであることが判明した.7q32を切断点とする7番染色体長腕端部トリソミー症候群の症例は過去23例が知られているが, 痙攣発作の合併の報告は2例のみでありWest症候群の合併例としては本症例が初例となる.
  • 遠藤 千恵, 三宅 進
    2001 年 33 巻 5 号 p. 442-444
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    痙攣頻発治療のため静注したphenytoinにより血栓性静脈炎を伴った重篤なpurple glove syndrome (PGS) を生じた1例について報告した.本症例ではphenytoinによる広範な血管内皮細胞障害に加え, 赤血球増多, 肥満といった血流をうっ滞させる因子が加わり病変の一部に血栓性静脈炎が生じ, より重篤となったと考えられた.
  • 北海道地方会
    2001 年 33 巻 5 号 p. 451-452
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
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