脳と発達
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34 巻 , 6 号
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  • 阿部 敏明
    2002 年 34 巻 6 号 p. 478
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 文晴, 曽根 翠, 平山 義人
    2002 年 34 巻 6 号 p. 479-483
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    東京都の在宅障害児, 特に重症心身障害児の死亡例を東京都立肢体不自由養護学校において調査し, 致命率と死亡原因・死亡経過とを検討した.1999~2001年の2年6カ月の調査対象期間中, 確認された死亡例は41例, 1年あたりの致命率は通学籍全体で8.2脇, 重症心身障害児に限ると10.1脇であり, 以前の報告の半分以下と大幅な低下を示した.死亡原因・死亡経過では, 基礎疾患の進行, 重症感染症などの治療困難な合併症, 詳細不明の急死の3者が多数を占めた.養護学校にいる時間に健康状態が悪化した例は少なかった。致命率低下の背景には, 心身障害児医療の進歩と, 養護学校教員の医療知識・医療技術研修の2者があり, 今後とも医療機関と養護学校との一層の協力が重要であると考える.
  • 服部 旬里
    2002 年 34 巻 6 号 p. 484-490
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん (BCECT) と小児の非定型良性部分てんかん (ABPE) の高次脳機能障害の有無について包括的心理検査を複数用いて検討した.BCECT, ABPEともに全般的知能に問題は認められなかった.BCECTにおけるITPA (イリノイ言語学習能力診断検査1993年改訂版) の「ことばの表現」と「数の記憶」の成績が悪かった。しかし, 他の言語機能を必要とする検査の成績は必ずしも低くなく, その解離から, 要素的な言語機能の障害ではなく, 柔軟性, 流暢性, 作業記憶などの複雑な情報を処理する実行機能系の障害によるものと推測された。ABPEのプロフィールも類似し, 共通した認知機能障害の存在が示唆された.
  • 佐田 佳美, 稲垣 真澄, 白根 聖子, 加我 牧子
    2002 年 34 巻 6 号 p. 491-497
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    精神遅滞 (MR) 例の視覚認知機能を客観的に評価し, その発達的特徴を明らかにするために7~18歳の26例に対して視覚性オドボール課題による事象関連電位P300を健常例と比較検討した.MR児においてもP300波形は明瞭に得られたが, ピーク潜時は健常例より遅く, 既知漢字, 未知漢字, 平面図形の課題順に潜時が延長するという健常パターンがみられなかった.頭頂部のP300振幅は低く, その分布パターンは健常例と異なっていた.P300潜時は年齢とともに短縮がみられたが, 暦年齢よりも発達年齢に一致して変化していた.以上より, MR児では視覚情報処理過程の時間的・空間的異常が示唆され, P300の検討はMR児の客観的認知機能評価法の一つとして有用と思われる.
  • 山城 大, 相原 正男, 小野 智佳子, 金村 英秋, 畠山 和男, 下山 仁, 中澤 眞平
    2002 年 34 巻 6 号 p. 498-503
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis (PKC) の14歳女児に対し, 非発作時および発作時single photon emission computed tomography (SPECT) を比較検討した.左上下肢に不随意運動発作が出現した際, 右基底核線条体部, 特に尾状核で, 非発作時に比し有意に血流の低下を認めた.また, 二重刺激somatosensory evoked potential (SEP) を行ったところ, 不応期 (刺激間間隔;<100msec) におけるhyperexcitabilityを認めず, 本児の大脳皮質の過興奮は確認されなかった.
    PKCの病態生理として, 線条体間接路の機能低下あるいは成熟遅延が想定され, その出力系は下行路が関与している可能性が考えられる.
  • 安西 有紀, 大矢 達男
    2002 年 34 巻 6 号 p. 504-509
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    近年MRIの普及によりCTのみでは不確実であった診断も, 迅速かつ正確に画像診断が可能となった。頭部外傷後びまん性軸索損傷 (DAI;diffuse axonal injury) もその一つである.小児科領域ではDAIは学童前期以降の比較的高年齢層に限られており, 乳児の報告は非常に稀である.外傷後意識障害や一過性のけいれん, 約半日の人工呼吸管理を要したが経過順調で, 後遺症を残さず回復した1歳9カ月の幼児DAI症例を経験したので報告する.DAI症例において小児では成人より軽症例が多い.その理由として交通事故の頻度, 脳内の密度, 未完成の骨縫合のためなどの要因が考えられた.
  • 小田 雅也, 松谷 章司, 福岡 和子, 保坂 暁子, 鈴木 義之, 林 雅晴
    2002 年 34 巻 6 号 p. 511-516
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    歳前後に発症, 痙性四肢麻痺, 視神経萎縮, 寝たきり状態を呈し, 4歳2カ月で死亡した男児剖検例である.神経病理学的には, 大脳白質に, 左右対称性, 多嚢胞性の破壊性病変が認められ, 視神経, 脳梁, 橋腕, 脳幹部錐体路, 内側毛帯, 頸髄後索などにも同様な病変がみられた.臨床病理学的に, 既知の白質脳症は否定的であった.van der Knaapらのleukoencephalopathywith vanishing white matterと類似する点が多くみられたが, 遺伝性が明らかでなく小脳失調を欠き病変もより高度であった.本例は小児期発症の嚢胞性白質脳症の病態解明に有用な示唆を与えるものと考えられた.
  • 宮林 寛, 山森 裕之, 西村 淳, 小平 隆太郎, 藤田 之彦, 大久保 修, 原田 研介
    2002 年 34 巻 6 号 p. 517-522
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    サルモネラO-9群による急性脳症に伴った横紋筋融解症の1例を経験した.症例は3歳の女児, サルモネラ腸炎が先行し, 急性脳症を発症した.急性脳症に対しては, 輸液制限と低体温療法を施行した.第5病日から横紋筋融解症に合併した急性腎不全を発症したが, 脳浮腫が顕著であったために輸液制限を続行し, 第6病日から腹膜透析を開始した.腹膜透析は第13病日まで施行し, 急性期を乗り切り救命し得た.
    脳浮腫を来す神経疾患に合併した横紋筋融解症に対しては, 輸液量の制限などの脳浮腫に対する治療を優先させ, 透析を併用することにより予後向上が期待できると考えられた.
  • 西口 将之, 嶋 縁倫, 高橋 幸博, 松岡 宏明, 藤本 眞一, 平 康二, 吉岡 章
    2002 年 34 巻 6 号 p. 523-527
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    発作時にQTc延長を認めた後頭葉てんかんの9歳男児例を経験した.「物が見えない」という発作, 嘔吐および頭痛を訴えて近医を受診した際の心電図でQTcの延長を認め, 当科に紹介された.入院時の脳波で後頭部を中心に棘徐波を認めたため, 後頭葉てんかんを疑いcarbamazepine190mgの内服を開始したところ,「物が見えない」という発作は消失し, 心電図所見も正常化した.発作時にQTc延長を認めた後頭葉てんかんの報告は少ない.QTcの延長はtorsadesde pointesなどの危険な心室性不整脈を誘発しやすく, 後頭葉てんかんにおける心電図所見にも注意が必要であると思われる.
  • 田中 肇, 角谷 諭美, 荒木 章子, 福田 郁江, 岡 隆治, 長 和彦
    2002 年 34 巻 6 号 p. 528-532
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    痙直型四肢麻痺を有する14歳男児に見られた睡眠障害に対して, melatonin (MLT) とflunitrazepam (FNZ) の併用療法を行い, 記録した睡眠ポリグラフ所見をFNZ単独使用時のものと比較検討した.
    睡眠ポリグラフはMLTとFNZの併用時と, MLTを休薬して2晩目にそれぞれ測定することとし, これを13歳6カ月時と14歳1カ月時の2度施行した.2度とも両者併用時はFNZ単独使用時に比べて総睡眠時間と%REMが多く, 夜間覚醒回数と%stage I, Hが少なかった.
    今回の検討により, MLTとFNZ併用投与はFNZ単独治療に比べて睡眠構築上, より生理的睡眠に近い睡眠を得ることができるという利点を持つ可能性が示された.
  • 杉山 延喜, 浜野 晋一郎, 田中 学, 望月 美佳, 奈良 隆寛
    2002 年 34 巻 6 号 p. 533-537
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    眼筋麻痺性片頭痛と診断した2例のMRI所見と臨床経過について報告する.2例とも主訴は一側の動眼神経麻痺であった.MRIを施行し, 1例で動眼神経束の腫大と造影効果を認めた.2例ともにprednisoloneの内服で改善したが, 効果は一時的で内服終了後再発した.Cyproheptadinehydrochlorideの内服を試みたところ2例とも発作症状は改善し継続的な内服で再発を予防できた.眼筋麻痺性片頭痛は, 他の疾患を除外した後に診断しうる疾患であったが, 発症早期の造影MRIが診断に有効であったと考えられた.また治療に関してはprednisoloneも有効であるが, 発作再発予防や副作用の観点から, cyproheptadine hydrochlorideがより有用と考えられた.
  • 小谷 治子, 日野 弘之, 白石 泰資, 小倉 英郎
    2002 年 34 巻 6 号 p. 538-543
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    気道狭窄や気管気管支軟化症に対し, 形態や材質の異なる気管気管支のステントがしばしば使用されているが, 重症心身障害児 (者) においてはまだ使用経験の報告は少ない.我々は, 気管気管支軟化症に対して挿入された金属ステント内に著明な肉芽増殖がみられ気管狭窄を来した脳性麻痺例に, シリコン製ステントを挿入し気道を確保することができた.しかし, 本症例においてもステント下端には肉芽形成が早期から認められており, 合併症としての肉芽の対策は今後の重要な課題である.重症心身障害者に対するステント挿入は留置後生じる様々な合併症に対処しうるか否かも含め, その適応と種類の選択を慎重に行う必要があると考えられた.
  • 森 健治, 東田 好広, 宮崎 雅仁, 田尾 佳代子, 橋本 俊顕, 黒田 泰弘
    2002 年 34 巻 6 号 p. 545-547
    発行日: 2002/11/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Mexiletineを含む各種抗痙攣薬に対し難治性の補足運動野発作を示す潜因性前頭葉てんかんの8歳女児例においてリドカイン (lidocaine, Ld) 持続点滴療法が著効を示した.その後療法としてLdテープの枚数を漸増したところ発作の増悪を来すことなく点滴を中止することができた.Ldテープの12時間毎の貼り替えでは血中濃度の日内変動が大きく, 発作の出現時間に合わせて貼付時刻および枚数の細かな調節が必要と考えられた.Ldテープの副作用として皮膚炎がみられ, 長期使用に際して問題となった.
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