脳と発達
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34 巻 , 2 号
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  • 黒田 泰弘
    2002 年 34 巻 2 号 p. 94
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 岡 英次
    2002 年 34 巻 2 号 p. 95-102
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    わが国において, てんかんの疫学調査はくり返し実施されてきたが, てんかん症候群の国際分類に基づく地域調査成績が現在とくに重視されている.
    そこで, 1999年12月31日を調査日に設定して, 岡山県在住の13歳未満の小児てんかんの地域調査を実施した. 調査日における岡山県の13歳未満の小児人口は250,997人であった. てんかんをもつ小児のリストは, 岡山県内外の病院45, 診療所36, 施設3における診療録調査によった.
    1) 活動性てんかん症例が2,222人認められ, 有病率は人口1,000対8.9であった.
    2) この有病率は, 1975年に岡山県で行われた10歳未満の小児てんかんについての調査における有病率 (1,000対8.2) とほぼ同等であった.
    3) 単発発作例または発熱による発作例を除外した場合の有病率は1,000対5.5であった.
    4) 2,222例中2,026例 (91.2%) はてんかんの国際分類の大分類項目に分類され, 局在関連性てんかん1,557例 (76.8%), 全般てんかん449例 (22.2%), 未決定てんかん20例 (1.0%) であった.
    5) 2,026例中303例 (15.0%) はてんかん症候群の各項に分類された. しかし, その他の大多数の症例は非特異的なてんかんであり, 細分類は不能であった.
    6) インフォームド・コンセントの概念は疫学においても重要であり, 2000年に厚生省研究班が公表した「疫学研究におけるインフォームド・コンセントに関するガイドライン」は今後の神経疫学研究において有用であろう.
  • 江草 安彦
    2002 年 34 巻 2 号 p. 103-110
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    わが国の障害児に関わる教育, 医療, 年金, 社会福祉の諸施策はほぼ50年という短期間のうちに急速に発展・普及し, 共生思想は高まってきた. その水準は国際的に高い. 人権意識の深まり, 医学の進歩, 経済的発展がこれを可能にしたと言える. 50年間の経過を見ると, 国際障害者年の果たした役割は大きいが, 障害者・家族の期待に応え, 法体系を整備することによりノーマリゼーション, 社会的自立の理念は着実に実現してきた. こうした20世紀の50年の経過の上に21世紀の障害児福祉は教育・福祉・社会生活においても新しい展開を見せ始めている. もはや21世紀は万人のための社会に向かっていると言える.
  • 杉下 守弘
    2002 年 34 巻 2 号 p. 111-118
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    脳と心の関連については, 次のような3種の研究が行われている. 1. 特殊能力 (例. 絶対音感) や障害 (例. 読字障害) が脳の形態と関係があるかどうかを解明する研究, 2. 特定の高次脳機能障害が脳のどの部分の損傷で生ずるかを解明する研究, 3. 機能的磁気共鳴画像法 (機能的MRI) と陽電子放射断層撮影法 (PET) を使用し, 生きている人間の脳のどの部分が認知機能を司っているかを特定する研究. 特に, 機能的MRIは非侵襲性であるので, 他と比較できないほどの重要性をもった技法である. 機能的MRIの基本的な側面について解説した. 臨床応用に関する最近の機能的MRIデータが概観されている. これら3種の研究をいろいろな問題に用いることによって脳と心の関連が明らかにされるであろう.
  • 高田 哲, 吉岡 博
    2002 年 34 巻 2 号 p. 119-121
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Survival rates of extremely and very low birth weight infants have been improved dramatically. However, some of the survivors suffer from neurological sequelae. A recent report showed that about 25% of the children with birth weight of less than 1, 000 g had some handicaps, including cerebral palsy, mental retardation, and visual disturbance. Therefore, it is very important for pediatric neurologists to assess the neurological symptoms properly in the neonatal period. This symposium was organized to present recent progress in the methods for neurological assessment and to discuss how we should support the development of high risk infants.
  • 坪倉 ひふみ
    2002 年 34 巻 2 号 p. 122-128
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ヒトの胎児や新生児は自発的に運動しており, その中にgeneral movements (以下GMsと略す) が含まれる。PrechtlによればGMsは全身を含む粗大運動で出現した時点で複雑であり, 個々の運動に分化する. GMsは胎生期には不変だが新生児期には変化し, 軌跡が小さくなり単調になる. それに対し異常なGMsは周期的かつ単調で発達的変化を欠く. GMs, 特にfidgetyは神経学的予後と相関する. GMsの臨床的意義は,(1) GMsの観察は非侵襲的・安全・簡便で,(2) 観察者がトレーニングを受けていれば, 観察者間の判定一致率は高い. (3) GMsのreliabilityは78-98%で平均90%である. (4) 異常なGMsは脳障害の存在や重症度とよく相関する.
  • 新島 新一
    2002 年 34 巻 2 号 p. 131-140
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    胎児期, 周産期, 新生児期の幼若脳は易障害性であり, かつ周産期には児を取り巻く数多くの問題により幼若脳は容易に出血や虚血の病態を招き, その後の脳性麻痺や発達障害の原因となる.それらをいち早く発見し, 対策を行わなければ永続的な脳障害を残すが, この時期は神経学的発達が未発達のため, 神経学的診察法により早期より異常を発見し, フォローアップすることは, 非常に困難である. そのため超・極低出生体重児の神経学的症候と診断法を熟知し, 新生児脳障害の発症に起因すると考えられる新生児仮死, 脳室内出血, 脳室周囲白質軟化症, 新生児痙攣, 水頭症などの疾患において神経学的異常所見の早期発見を行うことは, 非常に重要である.
  • 常石 秀市
    2002 年 34 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    光視覚誘発電位を用いた早産児の神経学的成熟度評価について解説する. 受胎後週数40週未満における主要ピークN1波が, 常に2つの波形要素から構成されていることを見いだし, その発達による波形変化を考慮することによって, 問題視されていた反応波形の多様性を克服することができた. このことから臨床応用可能な正常値を確立し, 病的早産児の神経学的評価が可能となった. また, これら2つの波形要素から成るN1波は発達とともにユニークなピーク潜時と振幅の変化を示し, ピーク潜時の短縮は視覚伝導路の髄鞘化を, ピーク振幅と波形変化は視覚領大脳皮質の神経網統合化を客観的に表現していると思われる.
  • 林 隆
    2002 年 34 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    パワーフロードプラ法 (PF) により未熟児・新生児の頭蓋内循環動態の詳細な検討が可能である. PFを用いると細い血管や低流速の血流の描出が可能で, レンズ核線条体動脈 (LSA) を明瞭に描出できた. パルスドプラ法 (PD) の併用により, LSAの非常に安定した循環動態を証明した. PFは超音波ビームと直交する血管も描出できる. 経大泉門的冠状断面で左右の中大脳動脈を明瞭にしかも同時に描出でき, 各種病態での左右差を検討できた. 超音波画像の4次元表示 (1心拍分の3次画像の動画表示) を用いると頭蓋内血管の拍動を視覚化でき, 全く新しい循環動態の定性的評価が期待できる.
  • 山下 裕史朗, 松石 豊次郎
    2002 年 34 巻 2 号 p. 153-157
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    Early intervention (EI) の概念と低出生体重児に対するEIの背景, 米国での先行研究, 特にrandomized controlled studyについてまとめ, わが国における多施設共同研究の結果, 低出生体重児へのEIの問題点について述べた. 効果については, 米国のInfant Health and Development Program 8地域の8歳までのフォローアップ研究では, EIを受けた群で知能指数の向上を, わが国の多施設共同研究でも, 親から見た子どもの生活行動パターン, 親の心理的変化においてEI群は対照群よりも上位を示した. EIの開始時期, 内容と量の検討, 効果の客観的評価法, スタッフや予算, 行政のバックアップの乏しさなど問題点は多いが, EIを育児支援の重要なサービスの1つとして位置づけ, わが国でも普及させる必要がある.
  • 小枝 達也, 平林 伸一, 宮本 信也, 榊原 洋一
    2002 年 34 巻 2 号 p. 158-161
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 粟屋 豊, 三牧 孝至
    2002 年 34 巻 2 号 p. 162-169
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 吉川 秀人, 山崎 佐和子
    2002 年 34 巻 2 号 p. 170-171
    発行日: 2002/03/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    当院小児科神経外来で低尿酸血症の患児9例を経験した. 全例, 経管栄養の重症心身障害児で7例は成分栄養剤を使用しており, 8例はバルプロ酸 (VPA) を内服していた. 4例は明らかな腎尿細管障害が認められ, 他の5例は尿酸排泄率増加傾向を認めた以外, 異常は認められなかった. これらの低尿酸血症の主因として, VPAによる続発性腎性低尿酸血症が考えられたが, 成分栄養剤の影響も否定できないと思われた. VPAの腎尿路系の副作用は稀であるが報告例の多くは重症心身障害児である. 重症心身障害児では, 成分栄養剤の使用およびVPAの内服などにより腎性低尿酸血症をきたしやすいと思われた.
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