広汎性発達障害児におけるrisperidoneの有用性を検討した.本症患児9名にrisperidoneの経口投与を行い, その有効性の評価は, Rutterの自閉症行動評価基準と小児行動質問表の2種類の行動評価表を用いて行った.前者では, 異常な自閉的行動, 破壊的行動, 発達の問題, 活動レベル, 後者では, 遊び, 場面の適応において有意な改善を認めた.一方, 4名で傾眠, ふらつき, 気分の落ち込み, 食欲増加, 便秘などの副作用を認めたが, 重篤な副作用はなかった.広汎性発達障害児の行動異常においてrisperidoneは有用な薬剤と考えられた.
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