脳と発達
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35 巻 , 4 号
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  • 濱田 潤一
    2003 年 35 巻 4 号 p. 284
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 福嶋 義光
    2003 年 35 巻 4 号 p. 285-291
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    遺伝カウンセリングは, 遺伝的問題で悩む人に対して遺伝医学的情報を提供するとともに, 心理的精神的支援を行う医療行為である. 小児神経疾患との関連では, 患児をもつ両親を対象に次子のリスクについての対応が求められる場合が多いが, 出生前診断や親の発症前診断など倫理的に解決の難しい問題に直面することもある. 遺伝カウンセリングは医師であれば誰でもできるというものではなく, 特別な教育, 訓練が必要である. 医師を対象とする研修システムとしては「臨床遺伝専門医制度」がある. 倫理問題の解決は個人的努力だけでは困難な場合が多く, 遺伝カウンセリング体制の構築など組織だった取り組みが必要である.
  • 東條 恵, 新田 初美
    2003 年 35 巻 4 号 p. 292-296
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    人口約250万, 出生約2万人/年の新潟県で, 最近10年間に116人の中途中枢神経障害児 (中途障害児) が当センタ0を受診した. 内訳は中枢神経感染とその関連疾患46人 (39.7%), 不慮の事故31人 (26.7%), 感染関連以外の中枢神経疾患16人 (13.8%), 医療関連由来15人 (12.9%), 脳血管障害8人 (6.9%). 前2者で66.4%であった. 中途障害児の発生減少には, この2者への対策が重要である. 116人中, 重症心身障害に該当する児は37人 (31.9%) で, そのうち18人 (48.6%) が中枢神経感染とその関連疾患であった. 中途障害により後遺症を残す例の発生は小児人口1,000当たり0.5/年で, そのうち重症心身障害は0.16/年と推定された.
  • 堀口 寿広, 加我 牧子, 稲垣 真澄
    2003 年 35 巻 4 号 p. 297-303
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    脆弱X症候群の診断および治療に資する目的で, 本邦における診断検査の利用状況をアンケート調査した. 全国の知的障害関係 (入所および通所) 施設, 国立療養所を含む基幹病院あわせて1,000施設から517通の回答がよせられた. これまで本症候群の診断検査を利用したことのあるものは全体の18.4%であり, 現在のところ知的障害関係施設といった福祉施設よりも医療施設において多く利用されていた. 検査による診断確定数はのべ56人であり, 検査実施数に対する陽性率は2.2%, 今回の全回答における施設利用者に対する陽性率は0.13%であった. また, 検査の利用経験が今後の検査への要望を強めていたが, これまで検査を行ったことのない施設や医師からも今後の検査を依頼したいとの回答が得られた. 以上より知的障害に関わる多くのスタッフに対して本症候群の関心を高めることが, その検査システムを構築していく上での留意点となると考えられた.
  • 浜野 晋一郎, 田中 学, 望月 美佳, 杉山 延喜, 衛藤 義勝
    2003 年 35 巻 4 号 p. 304-309
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Midazolam (MDL) 静注療法の小児けいれん重積症に対する効果を検討した. 45症例, 53投与機会 (以下, 機会) でMDL初期導入静注が行われ, 総投与量は平均0.35±0.22mg/kgで, 42機会 (79.2%) で有効だった.このうち29機会で初期導入静注に続き持続静注が行われた. 持続静注量は0.06~0.60mg/kg/hr (平均0.30mg/kg/hr) で72.4%が有効だった. 持続静注の有効機会のうち72時間以内の投与期間が90.5%だった.また, 13機会は持続静注は不要で初期導入静注のみで有効だった. 副作用は5機会で酸素飽和度低下, 1機会で減量中に不穏状態を呈した. 小児けいれん重積症においてMDLは有効性, 安全性の両面ですぐれた薬剤であると思われた.
  • 柏木 充, 田辺 卓也, 七里 元督, 玉井 浩
    2003 年 35 巻 4 号 p. 310-315
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    せん妄は脳炎, 脳症の急性期にみられることがあり, 早期診断と早期治療において注意を要する症状である. そこで, 高熱に伴うせん妄を呈した10症例を検討することより, 一過性良性のいわゆる “高熱せん妄” と, 中枢神経感染症によるせん妄との鑑別を試みた. せん妄は視覚の幻覚が多く, 内容では鑑別は困難であった. 昼間覚醒時にも認めたこと, せん妄を呈さない時も意識障害を認めたこと, 脳波における背景活動が著明な徐波化を示したことなどが脳炎・脳症に伴うせん妄の特徴であり, いわゆる “高熱せん妄” と異なっていた. せん妄を呈した症例の診断には経過や神経学的所見と合わせ積極的な脳波検査が必要と思われた.
  • 中村 好一, 飯沼 一宇, 岡 英次, 二瓶 健次
    2003 年 35 巻 4 号 p. 316-320
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    わが国における亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) の疫学像を明らかにする目的で, 臨床調査個人票の解析を行った. 患者の重複を除外して, 125人 (男: 66人, 女: 59人) の臨床調査個人票を集めることができた. SSPE発病時の年齢分布は5~14歳にピークがみられた. 麻疹の罹患は109例で時期が明らかにされており, 80%以上が2歳未満で罹患していた. 麻疹罹患からSSPE発病までの期間の分布は5年から10年の問に集中していた. 平均は8.8年 (標準偏差=4.3年), 中央値は7.8年, 最短は2月, 最長は23.6年であった.
  • 友田 明美, 野村 恵子, 白石 晴士, 三池 輝久, 濱田 哲暢, 細矢 光亮
    2003 年 35 巻 4 号 p. 321-326
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) は難治性で, その治療はinosine pranobexとinterferon (IFN) の併用以外, 有効な治療は確立されていない. 近年SSPEに対するIFNと抗ウイルス薬ribavirinの併用療法が国内でも試験的に行われるようになった. 我々はIFNとribavirin脳室内投与の併用療法に関して, 計9施設10症例に対してアンケート調査を行った. その結果, 多くの症例でribavirin脳室内投与により髄液濃度が有効濃度に達することが示された. しかしながらribavirinの投与量, 投与方法に関しては, さらに多施設での症例の蓄積が必要であり, その効果の検証はこれから必要と思われた. また安全域が狭いribavirin併用療法を今後も行うにはtherapeutic drug monitoring (TDM) を実施し, 有効性と安全性の保証に努める必要があると考えられた.
  • 杉山 延喜, 浜野 晋一郎, 古賀 道明
    2003 年 35 巻 4 号 p. 327-330
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    症例は11歳男児. 上気道炎症状の後, 歩行障害と意識障害, 眼球運動障害で発症し, 多発性脳神経障害や両上肢の筋力低下, 小脳症状, 深部腱反射の消失を認めた. 第7病日に行った髄液検査で髄液蛋白細胞解離がみられ, 急性期血中にGQ1bとGT1aに対するIgG抗体を検出した. Bickerstaff型脳幹脳炎 (BBE) と診断し, 免疫グロブリン大量静注療法を行った. 投与中に眼球運動障害や嚥下障害, 小脳症状および両上肢の筋力低下は改善傾向を示し, 退院時には軽度の眼球運動障害と深部腱反射の消失を認めるのみとなった.
    BBEにおける治療法は確立していない. 本症例では上肢脱力や髄液蛋白細胞解離, 抗ガングリオシド抗体陽性などGuillain-Barre症候群と類似した点が多くみられ, さらにGuillain-Barre症候群で有効性の確立した治療法である免疫グロブリン大量静注療法が奏効した. 免疫グロブリン大量静注療法は, BBEの治療において選択肢のひとつとして考慮すべきである.
  • 松井 美華, 友田 明美, 大谷 宜伸, 三池 輝久, 平田 好文
    2003 年 35 巻 4 号 p. 331-335
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    若年齢で発症し, 各種の保存療法に反応せず, 病期の進行または慢性難治化を認めた複合部分的疼痛症候群complex regional pain syndrome (CRPS) の2症例に, 脊髄電気刺激療法 (spinal cord stimulation: SCS) を施行した. 疼痛緩和と日常生活動作 (ADL) の改善に有効で, 慢性疼痛により2次的に生じた精神的な症状も軽快したため, 投薬も減量または中止できた. 若年例のCRPSでも自然軽決せず, 早期診断, 治療にもかかわらず再燃や進行を認めて難治化する症例に対しては, 交感神経ブロックやSCSなどの治療が期待できると思われた.
  • 犬塚 幹, 荻野 竜也, 吉永 治美, 大塚 頒子, 岡 英次
    2003 年 35 巻 4 号 p. 336-341
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    恐怖を主徴とするてんかん発作を示す4歳男児例を経験した. 発作は数秒間の動作停止で始まり, 著しい恐怖の表情と叫び声を認め, 幻視, 口部自動症, 左下肢痛, 味覚異常などを伴った.
    発作時脳波では, 発作に先行して両側前頭部より速波律動が出現した後, 両側前頭~前頭極部に不規則な棘徐波や高振幅徐波が連発した. 発作時脳波所見から前頭葉の焦点が考えられるが, 恐怖を主徴とすること, 幻視やその他の随伴症状を認めること, および発作時脳血流シンチグラムで右側頭葉内側に高灌流域を認めたことから, 前頭葉焦点からてんかん放電が右内側側頭葉に急速に波及して出現した発作と考えられた. Carbamazepineとphenytoinの内服により, 発作は消失した.
  • 熊田 知浩, 武藤 庫参, 阪口 正和, 村田 敬二
    2003 年 35 巻 4 号 p. 342-346
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    我々はくも膜嚢胞の自然破裂により硬膜下水腫を合併したと考えられた11歳男児例を経験した. 症例は頭痛を主訴に受診, CTにて右中頭蓋窩くも膜嚢胞が発見された. 明らかな外傷の既往なく, 約1カ月の経過で頭蓋内圧亢進症状が増悪し, 両側前頭部に硬膜下水腫を認めた. 開頭し, 術中所見で嚢胞壁の亀裂を認め, 嚢胞壁切除, 嚢胞・脳槽間開窓術を行ったところ, 硬膜下水腫は消失し症状も改善した. 中頭蓋窩くも膜嚢胞の合併症として自然破裂による硬膜下水腫の発症は非常に稀であるが, 頭蓋内圧亢進症状を認めるくも膜嚢胞に対しては注意を払って検査, 治療をすすめる必要がある.
  • 井上 成彰, 中澤 友幸, 寒竹 正人, 金子 堅一郎, 霜島 宜子
    2003 年 35 巻 4 号 p. 347-349
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    2001~2002年の冬季に無熱性けいれんを併発したRSウイルス細気管支炎の2例を経験した. いずれも神経学的異常を認めていない生後1カ月および2カ月の早期乳児で, 発作型は全身性強直型であり, 1例でけいれんの重延および反復を認め, けいれんの発症機序としては脳症, 無呼吸などが推測された. いまだ短期問の経過観察ではあるが後遺症はなく, けいれんの再発もない.
    乳児早期の細気管支炎ではけいれんの合併に留意し, 今後はこれらの集積・検討の必要があると思われた.
  • 斎藤 義朗, 松井 農, 金子 かおり, 木村 清次
    2003 年 35 巻 4 号 p. 349-352
    発行日: 2003/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    新生児仮死・脳室周囲白質軟化症を基礎疾患に有する1例で, 透視下に嚥下・反甥時に口腔と下咽頭の問を食塊が往復する相と, 随意的に胃内容を口腔まで逆流させる相とが観察された. 摂食指導・行動療法に対し反甥・嘔吐は難治であったが, 選択的セロトニン再取り込み阻害剤の併用がその程度と持続時間に奏効した. この効果から, 知的障害者における常同的な反甥・嘔吐の成立にはセロトニン系が関与すると推測される.
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