小児期発症の後頭葉てんかん (以下OLE) 54症例についてその臨床的特徴を検討した.症候性OLEは25例で基礎疾患は皮質形成異常, 脳炎・脳症後, 腫瘍などであり, 潜因性OLEは29例であった.視覚症状では閃光, 輝点, スパークなどの陽性症状が19例, 暗点, 半盲, 黒内障などの陰性症状が23例, 変形視, 色の変化などのその他の視覚症状を10例に認めた。幼児期の視覚症状の訴えは「目が見えない」「目がチカチカする」など単純な視覚症状であり, 最少年齢は3歳であった。3例で発作問歇期に視野欠損を認め, 全例皮質形成異常を有していた.MRIで異常を認めた症例では発作時SPECTにより後頭葉のみならず, 側頭葉・頭頂葉を含む広い範囲が高灌流領域として描出された.薬剤の選択についてはcarbamazepine, valproate sodiumが多く, 有効率は65%, 60%であった.発作消失率は症候性OLE56%, 潜因性OLE79%であった.
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