臨床的にLeigh脳症と考えられる左右対称性の大脳基底核病変を認め, vitamin B
1投与により画像所見, 臨床症状の著明な改善が認められたメチルマロン酸血症の1例を経験した.本症例においてvitamin B
1が著効したことから, メチルマロニルCoA蓄積によるピルビン酸カルボキシラーゼ活性の阻害に加えて急性増悪時の治療におけるvitamin B
1欠乏によるエネルギー産生障害, 特にピルビン酸脱水素酵素複合体活性の阻害が生じたことが臨床的Leigh脳症の原因と考えられる.このことから, メチルマロン酸血症の治療においては, vitamin B
1の欠乏に対して十分に注意し, 急性増悪時の輸液療法では, vitamin B
1を加えることが必要であると考えられた.
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