小児の脳血流SPECTの評価には, 年齢に伴う脳血流分布の変化が考慮されねばならない. 我々は, 局所解剖の不一致による誤差を最小限にして, 脳局所における統計学的検討を可能とした, 定位脳解剖学的標準化, 3-dimensional-Stereostatic Surface Projection解析を用いて, 99mTc-ECDSPECTでの1~5歳, 6~10歳, 11~15歳の小児年齢層別データベースを作成した. これらの比較により, 年齢につれて前頭葉と小脳皮質では相対的血流が増加し, 後頭葉の相対的血流は減少することが示された. 今後はこの年齢層別データベースと個々の症例とを比較することで, 視察評価に比べ客観性を有し精度の高い局在診断が可能となる.
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