脳と発達
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38 巻, 4 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 林 雅晴
    2006 年 38 巻 4 号 p. 244
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 中井 昭夫
    2006 年 38 巻 4 号 p. 245-246
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
  • 粂 和彦
    2006 年 38 巻 4 号 p. 247-252
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    概日周期生物時計は, 植物から動物に至るまで普遍的に存在する.近年, その時計遺伝子が次々に単離され, 生物時計の発振機構が, 分子生物学レベルでほぼ解明された.その結果, 時計遺伝子の転写量がネガティブフィードバックループで制御されるという機構が, 全ての生物で保存され, 哺乳類と昆虫の間で, 時計遺伝子の核酸レベルでの相似性も発見された.一方, 概日周期は, 人間の睡眠覚醒リズムを制御するが, 睡眠に似た行動は昆虫でも認められ, その制御において, 哺乳類と同じドーパミンが使われることが判明し, 分子機構の解明が期待されている.本稿では, 生物時計の基礎, 睡眠との関係, 分子生物学, 臨床的意義について概観する.
  • 小泉 英明
    2006 年 38 巻 4 号 p. 253-257
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    「脳科学と教育」(Brain-Science & Education) という日本から始まった新たな概念を基調とした研究が広範に推進されている.この概念は「学習」を「環境 (自己を取り巻く全て) からの刺激によって神経回路網が構築される過程」, そして「教育」を「神経回路網を構築するために必要な刺激を制御・補完する過程」と捉える. 近年急速に発展した非侵襲高次脳機能計測法による発達認知神経科学的な知見や行動発達学的な蓄積を活用して, 人間にとってより望ましい学習や教育・保育のあり方, そして社会が用意すべき生育環境や, 新たなカリキュラムを探るものである. 本論文では, この分野の現況と将来展望について述べる.
  • 小西 行郎
    2006 年 38 巻 4 号 p. 259
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
  • 榊原 洋一
    2006 年 38 巻 4 号 p. 260-261
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    科学技術振興機構では, ミッションプログラムとして, 生育環境が子どもの社会性をはじめとする心の発達に及ぼす影響について知見を得ることを目指し, 約5,000人の子どもを対象としたコホート研究を当面5年間 (最長10年間) 縦断的に観察するプロジェクトを評価を受けた上で2006年度より開始する. 対象となる乳児に対しては, 詳細な生育環境についての質問紙調査に加えて, 行動観察 (年1-2回), 心理観察, 心理テスト, 集団行動観察を行い, 必要に応じて非侵襲的脳画像検査 (光トポグラフィー, fMRI) を行う予定である. 本コホート研究によって, 子どもの認知, 言語発達, 社会性の発達と生育環境, 教育環境との相関ないしは因果関係のみならず, 頻度の高い発達障害や早期症状などについての知見が得られることが期待される. さらに, 子どもの認知能力や社会性を酒養する環境は何か, という子育てや教育に有用な知見も明らかになるだろう.
  • 板倉 昭二
    2006 年 38 巻 4 号 p. 262-266
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    他者の心的状態を見出したり推論したりすることをメンタライジングという. メンタライジングは, 人が円滑な社会的生活を営む上で重要な能力となる. メンタライジングの萌芽は, 乳児期初期の社会的知覚だと考えられる. すなわち, 人に対する志向性から始まり, 母子関係に代表される二項関係, さらに第三者もしくは対象物を含む三項関係の成立, そして他者の誤信念を理解する「心の理論」の成立へと続く. 本稿では, こうしたメンタライジングの発達を, 人に対する志向性, 人以外のエージェントに対する目標志向性の帰属や意図の理解, 誤信念の帰属について, われわれの実証的な研究を概略する.
  • 富和 清隆
    2006 年 38 巻 4 号 p. 267-270
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    独立行政法人科学技術振興機構が計画する「日本の子どもの発達コホート研究」では全国10箇所, 5,000人の子供を対象として, 社会能力 (sociability, 人が人とうまく付き合う能力) がどのように育つかを, 小児科医, 脳科学, 心理, 言語などの専門家がチームを組み当面5年にわたって観察する予定である. 軽度発達障害をはじめ子どもの心身行動の問題の背景には急激な子どもの環境生活様式の変化があると考えられるが確証は乏しい. 研究では直接観察など, 小児科医に期待されることが多いが, 小児科医にとっても, 乳児からの神経行動観察方法の確立, 軽度発達障害の理解など, 研究によって得られるものは少なくない. 小児神経医の積極的な研究参加が望まれる.
  • 堀口 寿広
    2006 年 38 巻 4 号 p. 271-276
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    発達障害児 (者) のニーズを明らかにする目的で, 施設利用者の保護者を対象にアンケートを実施した. 利用者の現在の状態は国際生活機能分類 (ICF) によって記述した. ICFに基づき社会参加の到達度によって利用者の群分けをしたところ, 到達度の高い群は若年者に多かった. 到達度の固定した群は通所更生施設や作業所の利用者に多く, 保護者はグループホームでの生活と同時に現在の施設の継続利用を望んでいた. 専門医療に対する要望は回答者全般で高かった. 発達障害児 (者) を支援二するためには, 医療の専門家は利用者側のニーズと自身が必要と判断した支援の内容を比較することに加えて, 医療面での支援を充実させる社会的な取り組みが必要と考えた.
  • 上山 真知子, 栗山 進一, 渡辺 瑞香子
    2006 年 38 巻 4 号 p. 277-282
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    我々は先行研究で, 広汎性発達障害と診断され, 音過敏の症状を訴える小学校高学年から中学校在学の症例に対して, 無作為割付対照試験, トリプルブラインドによる1カ月間のpyridoxineの投与の研究を行い, 実薬群において有意に言語性IQ (VIQ) の改善を認めた.本研究では, 1カ月以降も服薬した症例の長期的変化を検討し, 服薬の継続によりVIQが維持されることを示した.また, 親や教師による観察記録を検討した結果, 聞き取り能力と家庭や学校生活での適応に改善がみられたことが報告された.広汎性発達障害と診断された症例で, pyridoxineが長期的症状改善をもたらすサブタイプが存在する可能性を示した.
  • 太田 穂高, 榎 日出夫, 岡 牧郎, 大塚 頒子
    2006 年 38 巻 4 号 p. 283-286
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    enign neonatal sleep myoclonus (以下BNSM) の1例を報告した.生後12日より睡眠中に四肢に同期性のミオクローヌスが頻発した.一旦出現すると数分から10分間繰り返した.神経学的所見は正常で, 発作間歇時および発作時脳波にてんかん性異常を認めなかった.ミオクローヌスは自然に減少し, 生後50日に完全に消失し, 発達は良好である.
    BNSMは無治療で自然に寛解するため, 抗てんかん薬治療は不要である.不必要な治療を避けるために早期診断が重要であり, 脳波・筋電図同時記録が診断に有用であった.
  • 病変部位の推定
    宮田 理英, 渡辺 章充, 長谷川 毅, 神山 潤
    2006 年 38 巻 4 号 p. 289-293
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    Gaucher病はglucocerebrosidaseの欠損により生じ, 2型では多様な神経症状が生じる.急激な臨床経過のため, 病態解明は十分行われてこなかった.我々はGaucher病2型の女児例を経験し, 神経生理学的検査結果と病変部位との関連を考察したので報告する.8カ月発達遅延に気づかれ, 1歳6カ月, 骨髄Gaucher細胞と酵素活性低下によりGaucher病2型と診断された.臨床症状, 聴性脳幹反応, 体性感覚誘発電位, 終夜睡眠ポリグラフの所見から, 青斑核, 縫線核, 内側毛帯, 眼球運動諸核, 顔面神経核, 蝸牛神経核, 疑核の障害を推定した.神経生理学的検査は頭部MRI検査では確認できない病変の同定に有用であった.
  • 長澤 哲郎, 木村 育美, 阿部 裕一, 岡 明
    2006 年 38 巻 4 号 p. 295-298
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6) による脳炎・脳症のうち, 解熱・発疹期に短時間のけいれんが群発する症例の報告が散見される. 今回,この「けいれん群発型HHV-6脳症」において,急性期にsingle photon emission computed tomography (SPECT) にて患側の脳血流量増加が示された.これまで, けいれん群発型HHV-6脳症におけるSPECTでは全例で脳血流量の低下が報告されているが, いずれも慢性期に測定されていた. 本症例では,けいれん群発当日に患側大脳半球で血流量増加が認められた. けいれん群発型HHV-6脳症は予後不良例も報告されており, 今回はじめて血流量増加が確認されたことは, この脳症の病態解明と治療を検討する上で意義があると考えられた.
  • 九鬼 一郎, 岡崎 伸, 池田 浩子, 川脇 壽, 富和 清隆
    2006 年 38 巻 4 号 p. 300-301
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    小児てんかん症例30例に対し123I iomazenil SPECT(IMZ-SPECT)を施行し,シンチグラムに対するベンゾジアゼピン系薬物の影響について検討した.ベンゾジアゼピン系薬剤を2カ月以上内服している症例では2カ月未満の症例と比べてRIカウントが有意(p<0.001)に低値を示し,シンチグラム上集積が不均一となる傾向があり,低集積部位の同定が困難であった.IMZ-SPECTはてんかん症例における焦点検出の補助診断の1つとして有用と考えられるが,ベンゾジアゼピン系薬剤の影響を受けるため,長期内服例では撮像条件に工夫が必要であると考えられた.
  • 皆川 公夫, 渡邊 年秀
    2006 年 38 巻 4 号 p. 301-303
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    けいれん重積に対してmidazolam (MDL) 治療を行った小児のうち, けいれんを消失させた投与量に対するMDL血中濃度を測定しえた7例 (静注6, 点鼻1) を対象とした.1回量投与後けいれん消失時のMDL血中濃度は257 (点鼻)-2,510ng/ml, 持続静注によるけいれん消失後維持中の血中濃度は335-2,730ng/mlであり, 小児のけいれん重積に対するMDLの有効血中濃度は250-350ng/m1以上と推定されるが, 血中濃度のばらつきが大きかった.MDLの半減期は0.25-2.29hrで報告値とほぼ同様であったが, 分布容積は0.07-0.42l/kgで成人値より小さく, クリアランスは0.022-0.657l/hr/kgとばらつきが大きかった.
  • 東海地方会 , 九州地方会
    2006 年 38 巻 4 号 p. 310-314
    発行日: 2006/07/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
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