脳と発達
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38 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 小西 行郎
    2006 年 38 巻 6 号 p. 416
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
  • 八谷 靖夫
    2006 年 38 巻 6 号 p. 417-418
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
  • 持続的な仰臥位での心臓と腹腔内臓器の重量による肺への圧迫について
    豊島 光雄, 前岡 幸憲, 河原 仁志, 前垣 義弘, 大野 耕策
    2006 年 38 巻 6 号 p. 419-424
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    神経疾患や筋疾患に合併し, 胸部CTで診断された無気肺の10例について検討した. 筋緊張が低下して寝返りが困難な症例に, 心臓または横隔膜に接した背側の肺区域に無気肺が多く見られた. 2例では寝返りの獲得後に無気肺は消失した. 仰臥位と比較して腹臥位では, 心臓が胸骨方向へ, 横隔膜腰椎部が尾側方向へ偏位することが胸部CTの3次元再構成矢状断像により示された. 寝返りが困難な神経疾患や筋疾患症例に合併する無気肺の一因として, 持続的な仰臥位での心臓と腹腔内臓器の重量による背側の肺への圧迫が考えられた. 6例で無気肺は改善し, 無気肺の治療として腹臥位, 寝返りを獲得させる運動訓練, 陽陰圧体外式人工呼吸器, 呼吸理学療法などが有用であった.
  • 局所筋弛緩作用と全身性効果
    足立 昌夫, 佐浦 隆一
    2006 年 38 巻 6 号 p. 425-430
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    重症心身障害児 (者) に合併する痙性斜頸および全身の過緊張に対して, ボツリヌスA型毒素療法を試みた. 5例全例が, 重度の精神遅滞を合併する患者であった. 初期 (初回・追加) 投与を行い, 施注部の局所的効果と付随する全身への影響を検討した. 全例 (100%) で施注部の局所筋弛緩効果を, 4例 (80%) で遠隔の下半身への筋緊張緩和を認めた. また, 体熱の低下や体重増加など全身性効果を示唆する所見を認めた. 有害事象では, 2例 (40%) に軽度の嚥下障害, 2例 (40%) に緊張パターンの変容が認められたが, いずれも一過性であった. 生活面でも, 全例で多くの全身性の改善効果を発揮し, 比較的安全かつ有効な治療法であることが示された.
  • 意味カテゴリー一致判断課題による検討
    小穴 信吾, 稲垣 真澄, 鈴木 聖子, 堀本 れい子, 加我 牧子
    2006 年 38 巻 6 号 p. 431-438
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    6-30歳の健常例38名と10-14歳の発達性読み書き障害8例に対して事象関連電位N400の刺激モダリティ別特徴を検討した.10歳未満の健常年少群は聴覚性N400が広汎な脳部位で記録された.10歳以上では視覚モダリティと視聴覚モダリティによる波形がほぼ同じパターンを示したことから, 小学校高学年以降に視覚的な意味処理が確立することがうかがわれた.読み書き障害では視覚提示のエラーが比較的目立ち, N400波形が形成不良であった.一方, 視聴覚モダリティではN400波形, 潜時ともに正常化した・事象関連電位N400により, 意味処理機構の刺激モダリティ別優位性や脆弱性を評価しうると考えた
  • 鈴木 基正, 早川 文雄, 奥村 彰久, 加藤 徹, 久保田 哲夫, 丸山 幸一
    2006 年 38 巻 6 号 p. 439-442
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    周産期低酸素性虚血性脳症 (HIE) 後障害児が小児期にサイトカイン関連疾患に罹患することを時に経験する. そこでHIE後障害児の死亡例12例において,(1) 遠隔期の死亡原因におけるサイトカイン関連疾患の頻度を調査し,(2) 発症したサイトカイン関連疾患の特徴を検討した. その結果, 12例中6例 (50%) がサイトカイン関連疾患により死亡していた. 6症例のサイトカイン関連疾患の検査の特徴は, 肝逸脱酵素上昇・高LDH血症・高CK血症・血小板数減少・低アルブミン血症であった. 今回の検討で, HIE後障害児の死亡原因としてサイトカイン関連疾患は高率であったが, その理由に関しては今後の検討が必要である.
  • 石田 博, 服部 英司, 高浦 奈津子, 吉田 敏子, 田中 勝治, 大谷 早苗, 松岡 牧, 高橋 幸利, 山野 恒一
    2006 年 38 巻 6 号 p. 443-447
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    感冒症状に続き, 頭痛, けいれん, 意識障害, 失調を呈した非ヘルペス性急性辺縁系脳炎 (NHALE) の8歳男児例を経験した. 近時記憶の障害と性格の変化がみられた. ミオクロニー発作と全般性強直間代けいれんは抗てんかん薬でコントロールされ, 他の症状も自然寛解したが, 近時記憶の障害は長期間遷延した. MRIでは, 両側の前障と右海馬の病変を認めた. 3カ月後, 前障の病変は消失したが, 海馬はFLAIR像で依然高信号を認めた. 髄液と血液中にグルタミン酸受容体に対する自己抗体が出現し, 発症に免疫機構樟害の関与が示唆された. 小児のNHALEは報告が少なく, 症例の集積が望まれる.
  • 梶本 まどか, 市山 高志, 松藤 博紀, 伊住 浩史, 古川 漸
    2006 年 38 巻 6 号 p. 449-452
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    乳児期早期から両側難聴を指摘されていた男児が, 1歳2カ月時に肺炎球菌による細菌性髄膜炎を発症した. 画像診断等により, 両側内耳奇形のMondini dysplasiaによる髄液漏が明らかになった. PAPM/BPとdexamethasone投与で細菌性髄膜炎は治癒し, 第30病日に内耳充填術を施行した. 現在まで術後2年1カ月経過し, 細菌性髄膜炎の再発はみられない. 内耳奇形では髄液漏の合併が高頻度で細菌性髄膜炎を反復しやすいため, 先天性難聴児では内耳奇形の有無を精査すべきである.
  • 杉山 延喜, 唐澤 久美子, 大野 祥一郎
    2006 年 38 巻 6 号 p. 453-456
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    気管腕頭動脈瘻と気管腕頭動脈異常血管の2例を報告した.2例とも重症心身障害児 (者) で, たび重なる下気道感染症を繰り返し気管切開を施行されていた.2例ともに気管カニューレの動脈性拍動があり, 1例は気管カニューレ交換時に大量出血を認めカブ付き気管カニューレにて救急処置を行い, helicalCTを利用した三次元helica1 CT血管造影 (以下3DCT) にて診断し, 外科的に腕頭動脈結紮術にて救命し得た.1例は動脈性拍動があった時点で3DCTを行い, 腕頭動脈の気管への圧迫はなかったが, 腕頭動脈から気管への異常血管が確認され, 喉頭気管分離術を行い, 現在まで出血は認めていない.気管腕頭動脈瘻は気管切開後の合併症の中でも致死的であり, その予防や対処法が課題とされている.その検査の1つとして, 3DCTは気管周囲の位置関係を知る情報手段として優れていることと, 検査が短時間ですみ有用な検査の1つと考えられた.
  • 佐々木 征行, 大見 剛, 瀬川 昌巳, 小牧 宏文, 須貝 研司
    2006 年 38 巻 6 号 p. 458-462
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    片側下腿屈筋萎縮を呈した2男児例を報告した. 発症時期は, 1例は幼児期, 1例は11歳以前で, 5年間以上の観察期間では非進行性であった. 針筋電図と筋生検所見では神経原性変化を示した. 感覚障害や自律神経障害は認めず, 脊髄にも異常はなかった. 本例は, 最近成人で提唱された良性一側下腿筋萎縮症に適合する可能性がある. この疾患は, 下腿筋萎縮が主症状で若年成人に発症しやすい. 脊髄性筋萎縮症のバリアントである可能性は否定的で, 非進行性と考えられる. 片側下腿筋萎縮を示す小児で脊髄あるいは末梢神経の治療可能な疾患が除外されたら, 本例のような非進行性の病態も存在することを念頭において経過観察を行うべきである.
  • 近藤 章子, 斎藤 義朗, 前垣 義弘, 井上 岳彦, 関 あゆみ, 原田 友一郎, 大野 耕策
    2006 年 38 巻 6 号 p. 463-467
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    けいれん重積型インフルエンザ脳症の1例を経験した. けいれんの頓挫の後, 軽度の意識障害が遷延し, 第5病日にけいれん群発, 意識障害の増悪をきたした. 頭部MRI上, 拡散強調画像で両側前頭葉白質の高信号を認めた. ステロイドパルス・脳低温療法・pentobarbital持続静注を行ったが, 脳症の経過に明らかな変化はみられず, T2強調画像での高信号出現とともに拡散強調画像での高信号が前頭葉皮質に移動した. 同時期に四肢や眼球の不随意運動が, 次いで前頭葉症状が一過性に出現した. 回復期に前頭葉の萎縮が進行した. 急性期の髄液中炎症性サイトカインの上昇は認められず, 本病型の病態解明にはさらなる追究を必要とする.
  • 近藤 章子, 斎藤 義朗, 景山 博子, 関 あゆみ, 難波 由喜子, 岡本 里伊奈, 井上 岳彦, 河本 勝之, 藤原 和典, 清水 法男 ...
    2006 年 38 巻 6 号 p. 468-469
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
    喉頭披裂部の局所的な浮腫により呼吸障害を呈した2例を報告する. GM1ガングリオシドーシスとX-linked lissencephaly with abnormalgenitaliaをそれぞれ基礎疾患に有する重症心身障害児であり, 披裂部浮腫による呼吸障害増悪の1~2年前から胃食道逆流(GER) の症状を呈していた. 披裂部浮腫はGERによる胃酸刺激で生じたものと考えられ, 気管切開術・鼻マスクによる持続的気道陽圧 (CPAP) により呼吸症状の改善をみた. 咽頭部の閉塞を合併する重症心身障害児の披裂部浮腫は気づかれにくいが, GERの合併例の呼吸障害に際して特に注意して喉頭所見を観察すべきである.
  • 田中 輝幸
    2006 年 38 巻 6 号 p. 473-474
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/12
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 38 巻 6 号 p. 475-476
    発行日: 2006/11/01
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
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