はじめに小児の体重あたりの必要水分量が成人に比べ多く, 1日の水分代謝が速いなど小児の水電解質代謝の特徴について概説した. 次に, 経口補液療法についてのこれまでの知見につき解説した. 正常においても消化管感染症などの病的状態においても, 浸透圧が200-250mEq/kg/H
2Oの電解質液は消化管からの水電解質の吸収が最も高い. 経口補液療法の有効性は発展途上国において初めに証明され, 先進諸国においても有効性が証明されている (reverse technology transfer). 最後に, 重症心身障害児は自分の意のままに食事や水分を摂取出来ないために脱水症に陥りやすく, 血清Naの異常症を起こしやすいこと, ある特定の食品のみを摂取するためにビタミンB
12や葉酸が欠乏し, 巨赤芽球性貧血を合併すること, 日光照射量の不足などが原因となり, ビタミンD欠乏を生じることなどにつき解説した.
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